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第76話 モテる悠斗

【MZC社・建物前】


夕方、MZC社の出入口が見えるベンチに座っている真彩。


今日は、悠斗と、近くのイタリアンの店で、夕食を一緒に摂る約束をしている。


故に、昼休みや休憩も取らずに、必死になって仕事を早く片付け、約束の時間に余裕で間に合わせた真彩。


真彩、スマホからメッセージを悠斗に送る。


〈仕事、早く片付いたから来ちゃった。入口前のベンチに座ってるね。ゆっくりで大丈夫だよ。本、読んでるから〉


すると、直ぐに悠斗からLINEメッセージが届く。


〈もう直ぐ下に降りる。腹減ったよー〉



MZC社のエントランスは強化ガラスなので、内部の様子がよく見える。


悠斗の姿が見えたので、真彩、笑顔になる。


真彩(心の声)「来た来た」


そして、悠斗の動きや、悠斗の近くにいる人達を観察し、人間ウォッチングを楽しんでいる真彩。


真彩(心の声)「悠斗って、やっぱり男前で、スラッとしてカッコイイなぁー。モテるはずだわ。周りの女性が放っておかないよね。もし私が悠斗とは赤の他人だったら、初対面で悠斗の事、絶対、好きになるわ。小さい頃は、過保護でお節介な兄としか思わなかったのに、不思議」

  

真彩、悠斗の事を想い、妄想を膨らませ、独りニタニタしている。


真彩(心の声)「パパがカッコイイから、悠斗は優性遺伝した訳だ」


悠斗、オシャレな服を着た綺麗な女子社員に声を掛けられ、振り向く。


女子社員、悠斗の腕を掴み、親し気に話している。


真彩(心の声)「綺麗な人だなぁ。あんな人、居たんだ。悠斗の事が好きなんだ。スキンシップして悠斗と仲が良いって周りの人に見せつけたいんだ。あんな綺麗な人に誘われたら、男はイチコロだな」


そこに男性社員と可愛い感じの女性社員が、悠斗の所にやって来る。


真彩(心の声)「あっ……彼女、可愛いなぁ……最近入った人は知らないからなぁ。あの人も悠斗に好意持ってるなぁ。あわよくばって思ってる。自然な感じで可愛いキャラ出して、虎視眈々と悠斗を狙ってる。男性社員はこの人の事、好きなんだ。でも彼女が悠斗の事が好きって分かってる。あぁ、ややっこしいなぁ。やっぱり、人を好きになるって、面倒だな」


真彩、頬っぺたを膨らます。


真彩「ふぅ……」


悠斗、無理矢理、女子社員達に手を引っ張られ、男性社員も悠斗の背中を押し、半ば強引に連れて行かれる。


真彩(心の声)「行っちゃいましたか……まっ、しょうがないか。あんな綺麗な人と可愛い人に言い寄られたら、しゃーないよね……」

  

真彩、独りであーだこーだと考え、自分自身を納得させている。


真彩(心の声)「私がもし男だったら、両方共?……ふっ」


真彩、妄想し、微笑む。


真彩、悠斗にLINEする。


〈予定変更だね。皆さんと美味しい物食べて楽しんでね! 先に帰るね〉


〈あぁ、阪急寄って帰るから、帰りは同じ位の時間になるかも?〉


真彩、その場を離れ、悠斗達と違う方向に歩き出す。


真彩(心の声)「忍辱の修行だな。そもそも、陰で女の子達に『悠斗様』って憧れられてる王子様だもんね。私なんて捨て子の身だし、それに、純真な悠斗様にそぐわない女だから、嫉妬するなんてもっての外だわ」


真彩、嫉妬心を抑える為、自分の事を分析し、腹を立てない様に自分に言い聞かせている。

只、いじけてるだけの真彩だが。




【高槻阪急・紀伊国屋書店】


書店に来て、北海道の観光本をパラパラめくり、見ている真彩。


真彩は書店が大好きなので、何時間でも居れる。


色んな事に興味ある真彩は、書店は、真彩にとって宝の宝庫だ。


真彩(心の声)「北海道かー。何だかなぁー……また行く事になりそうな気がする……」



そこに、悠斗がちょっと息を切らして、真彩の所にやって来る。


悠斗「もうー、やっぱりここだった! 何で居なくなるんだよ?! 電話しても繋がらないし、メッセージ入れても既読にならないし……」

と、怒った感じで真彩に言う悠斗。


真彩、悠斗の顔を見て、

真彩「あぁー……ゴメン。今日、会議だったから、バイブオフにして、音量も下げてた……」

と、苦笑いの真彩。


悠斗「もうー!」

と、口を尖らす悠斗。


真彩「あの三人と食事するんじゃなかったの?」


すると悠斗、ちょっと涙目で、

悠斗「んな訳ないだろ! 真彩と約束してるのに」

と、怒った感じで言う。

  

真彩、悠斗の目をじっと見る。


真彩「よく断れたね? あんな強引に連れて行かれたのに……」


悠斗「ああ。恋人と待ち合わせしてるからって言ったら、手、離してくれた。驚かれたけど」


真彩「ふーん。あぁ、でも、お友達優先してね。付き合い大事だから」


悠斗「あのさー、じゃー、逆の立場だったらどうなん? 俺と約束してるのに、友達に誘われたらそっちに行くの?」


真彩「んんん」

真彩、首を横に振る。


悠斗「だろ? ホントにもう。俺を置いてどっかに行くなよ! これからはちゃんと待っててくれよ?!」


真彩「……はーい……」

真彩、悠斗の目を見て言う。


すると悠斗、

悠斗「戻ったら真彩がいなかったから、また、真彩が俺から離れて遠くに行っちゃうんじゃないかって、俺、不安になって……」

と、神妙な顔して、言葉に詰まる悠斗。


真彩(心の声)「悠斗、可愛い……」


真彩「あぁ、ゴメン、ゴメン。分かったよ。これから気を付けるから。ゴメンね!」

と言って、真彩、悠斗の頬を触り、そして悠斗の手を握る。


真彩「でも、恋人と待ち合わせしてるって言ったら、彼女さん達、ショック受けてなかった?」


悠斗「あぁ、まぁ、驚いた顔してた」


真彩「だろうね……」

真彩、苦笑いする。


悠斗「行こっ?」

と言って、悠斗、真彩に微笑む。


真彩「うん」


悠斗「あぁー、真彩と手繋ぎたい。真彩を抱き締めたい」


真彩「私もだけど……ダメだよ! 誰が見てるか分からないからね」

と言って、悠斗に微笑む真彩。


悠斗「ちえっ……」


真彩「家に帰ってから、いちゃいちゃしよ?」


悠斗「じゃー、もう帰ろ?」

と、悠斗、笑顔で言う。


真彩「あのねー……」

と、笑う真彩。


真彩「今日は、魚介のトマトクリームパスタ食べたい!」


悠斗「えぇー? じゃー、俺もそうする」


悠斗と真彩、イタリアンレストランに向かって歩き出す。

そして、お互いの、今日の出来事を話しながら、笑顔の二人。

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