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第107話 雑貨店舗、売却回避

【ハーモニー社・社長室】


朝、社長室で、コーヒーを飲みながら雑談している真彩と優衣。


優衣「そう。解決して良かったね!」


真彩「うん。ホント、良かった」


優衣「後は、山下店長の心のケアだね」


真彩「だね。誰か良い人、いないかなぁー?」


真彩、腕を組んで考える。


真彩「でもさー、人生、何が起こるか分からないよね。自分が騙されてるなんて、渦中にいたら思わないもん」


優衣「でも、結局はお金か……私も気を付けよーっと。人間って、自分は騙されてないって思ってても、実は騙されてるって事、沢山あるもんね。知らない内に騙されてるって怖いわ」


真彩「あぁ、直ぐ人を信じる人って一番騙されるから気を付けないとね。『人を見たら泥棒と思え』ってことわざ、何か、人間不信になっちゃうけど、悲しいかな、そう思わないと騙されるんだよね。嫌な世の中だよね」


優衣「私も、自分じゃー自覚ないけど、騙されてたって事、あるかもね」


真彩「あると思う。世の中、陰と陽。善と悪、みんな半々。人間は生まれ持って善と悪の心持ってるから、善の心を大きくしていかないと、悪に引っ張られるからね……」


優衣「はぁー、やっぱり、生きるって修行だよね……」


真彩「うん。修行だよ。でも、ガンバロ?! 修行する為に生まれて来たんだから」


優衣「だね……」




【ハーモニー社・営業部1課】


昼休み前、営業部の社員達と、タブレットを見ながら話している真彩と優衣。


全国の、各店舗の売上が右肩上がりに大幅に伸び、やる気満々の社員達。


時折、笑いもあり、楽しい雰囲気の営業部だ。


真彩が以前、役員達の前でプレゼンし、『コア事業だけ残しノンコア事業は廃止します』と発言し、ノンコア事業である雑貨店は、六カ月以内に黒字にならなければ売却となっていたのだが、その後、売り上げが右肩上がりとなり、黒字となって売却せずに今に至っている。


これは、社員達が危機感を持ち、何とか売却を回避する為に、色んなイベントを考えたり、レイアウトを工夫したり、SNSを利用して宣伝したりと、頑張った結果だ。


しかし、これは、真彩が社員達を発奮させる為に仕掛けたものだった。


真彩はプレゼン後、直ぐに雑貨店の店長達とZOOMでWEB会議し、集客について考える様、促したのだった。


顧客を種類別すると、潜在顧客、見込み顧客、新規顧客、既存顧客、リピーター等と分類できるが、真彩は、パレートの法則、『二:八の法則』を例に挙げて、 顧客全体の二割である優良顧客が、売上の八割をあげているという分析結果を店長達に伝えたのだった。


故に、早急に売上を伸ばす方法として、顧客全員ではなく、僅か二割の顧客に的を絞ると効率的であるとアドバイスしていた。


杉山が、

杉山「それにしても、こんな短期間で大幅黒字なんて、凄いですね。俺、雑貨の事業から完全撤退になると思ってたからビックリですよ」

と、笑顔で真彩に言う。


前田「でも、どうやったんですか? どんな『真彩マジック』使ったんですか?」


秋元「真彩マジック???」

秋元、初めて聞く言葉に首をかしげる。


真彩「あぁ、簡単に言うと、顧客全体の二割である優良顧客が売上の八割をになって下さってる訳だから、データ分析して、その優良顧客さん達のニーズに合った物を用意して、興味や関心を持って貰える様に工夫したの。購入意欲を高める為の工夫ね」


秋元「へーえ……」


真彩「だから、先ずはレイアウトを大幅に変更したの。リピーターの期待を裏切らない様に、入口の所に興味をそそる商品をずらーっと大量に並べて、面白がって貰ったりして、インパクトを与える様にって店長さん達に伝えた。兎に角、惹きつける魅力がないと、人は立ち止まってくれないからね」


前田「成程……」


真彩「後は、接客態度だね。リピーターとの会話も大事だから。常連さんを名前で呼んで親しみ持って貰ったり、腰を低くして、相手を気分良くさせる接客に取り組んで貰った」


杉山「あっ、研修でした、ロールプレイングが役に立ってるって事ですね」


前田「疑似場面を想定してやりましたね。営業部は、取引先との遣り取りでしたけど……」


真彩「うん。店舗の人達は、接客の疑似体験して、お客様の立場に立って、店員にこんな言われ方されるとどう思うか? とか、実体験して貰った。で、そういうところを考えて接客する様にって……」


前田「へーぇ……」


真彩「お節介な接客って、お客様からしたら時間取られて面倒で嫌だろうし……あっ、でも、中には、店員さんと喋りたいって人もおられるから、そういうお客様の見極め方とかも、研修に盛り込んだからね」


前田「へーぇ、スゴッ。そんなのも考えた研修だったんですね」


真彩「言葉遣いって大事だよね。相手を喜ばすのも、不快な思いさせるのも、言葉だから。接客するに当たって、言葉ってとっても重要なんだよね。だから、日頃の会話って大事だから、店舗の皆さんにはコミュニケーション取る練習する様にって伝えた」


杉山「成程……ロープレの効果が出てる訳ですね」


秋元「疑似体験で演じて、スキルを身に付ける事が出来た訳ですね。皆さん、凄いなぁー」


真彩「あぁ、あと、新規顧客開拓の方は、やっぱりSNS使って宣伝してくれてて、新商品とか直ぐにUPしたり、POPも、固く感じる印字じゃなくて、手作りPOPで温かみを出して、面白いフレーズ考えて、人目を引く工夫して貰った。


秋元「へーぇ」


真彩「気を引くようなフレーズだったり、イラストだったりで、見た瞬間、クスッって笑える様な物も沢山あって、皆んな、凄いわ。センスあるわ。あぁ、それと、やっぱり口コミって凄いからね」


前田「そうですよね、特に女子の口コミって、凄い威力ありますよね」


真彩「口コミは心理学の先生である秘書さんがよくご存じで!」

と言って、優衣を見る真彩。


前田「あぁ、髙橋さん(秘書)は心理学のスペシャリストでしたね」


優衣「いやいや、スペシャリストなんかじゃないから!」

と言って、横に首を振る優衣。


真彩「口コミの効果を教えてあげてよ!」

と、秘書である優衣に言う真彩。


優衣「あぁ……ウィンザー効果は、当事者よりも第三者が発信した情報の方が信頼され易い心理効果で、バンドワゴン効果は、大勢の人が支持してたらそれが良いだろうって思う効果で、ハロー効果は、一部の目立つ特徴的な印象に引きずられて、全体の評価をしてしまう心理効果 ……ってとこかな?」


秋元「へーぇ……」


前田「好きな芸能人が、テレビやSNSでこの商品使ってるって言ったら、自分も欲しくなったりしますし、『これ、良いよ!』って断言したら、きっと良いんだろうなって、誘導されちゃいますよね」


優衣「あぁ、テレビショッピングなんか、良い例ですよね」


杉山「ほんまや。ウチのおかんなんか、それ見て、しょっちゅう電話して注文してますわ。先着何名様にとか、三十分以内にお電話して下さったかた限定に……って言われると、直ぐに電話するし、困ったもんです」


秋元「人の心理を上手くついてますよね」


真彩「でも、口コミはプラスの効果がある反面、ちょっとでも悪い反響が広がったりすると、真逆の怖い結果になって、大損害を被るケースもあるからね」


前田「人の心理って分からないですからね……」


秋元「雑貨店舗の皆さん、頑張っておられるんですね」


真彩「ホント、皆んな、偉いわ。行動力あって、凄いわ」


秋元「でも、それって、社長が好きな様にさせてくれるからですよ! 店舗にいる友達が、『仕事が楽しくなった』って言ってましたから」


杉山「へーぇ」


秋元「社長が自由にさせてくれるから、自分達で創意工夫して、遣り甲斐を見い出せたって言ってました。で、工夫して頑張った事を社長がめっちゃ褒めてくれるから、余計、楽しく頑張れるって言ってました」


前田「でた! 社長の褒め殺し!」


真彩「んん?」


前田「あぁ、違う違う。褒め殺しは相手をダメにしてしまうんだ。褒めて伸ばすんだから、何て言うんだ?」

と言って首をかしげる前田。


秋元も同じ様に首をかしげる。


杉山「『褒め伸ばし』でええんとちゃうか?」

と言って笑う杉山。


前田「『褒め伸ばし』か……」

と言って、納得する前田。




【ハーモニー社・食堂】


真彩と優衣、食堂で食べながら楽しく会話している。

社員達、真彩をちらちら見ている。


真彩に好意を持つ社員達は、男女問わず、少しでも真彩の近くに座ろうとする。

社内では、真彩のアイドル化現象が起きている。


真彩がアイドル化されたのは、YouTube 配信により、真彩の魅力が存分に伝わったからである。


番組ディレクターの髙橋勇也が、真彩にUSJでダンサー達の真似して踊らせたり、新商品の販売イベントで、真彩に着ぐるみ着せて、ユニット組んで踊らせたり、真彩にメイドカフェのメイドの格好をさせたりして、真彩を思う存分、使っている。


真彩自身は、自分がアイドル的存在になっている事など、知る由もない。


真彩は、売り上げに貢献出来るのならと、勇也の言う事を素直に聞いているだけなのだ。


常に、どうしたら売り上げUPするのか、その事に頭をひねっている真彩。


真彩と優衣がいる周囲の席は混んでいるが、他は空き空き状態。




【高槻レオマンション・806号室】

   

家の鍵が開く音。


悠斗がドアを開け、玄関に入って来る。


悠斗「只今―」


悠斗を玄関まで迎えに行く真彩。


悠斗、酔っている。


真彩「お帰り! 楽しかった?」


すると悠斗、   

悠斗「マーヤちゃん、大―好き」     

と言って、真彩に抱き着く。


すると、

真彩「臭っ、大分、飲んだね?」

と言って、真彩、ちょっとのけぞる。


悠斗「あぁ、飲まされたんだよ、可愛いお姉さんに」


真彩「えぇ……クラブにでも行ったの?」


悠斗「クラブじゃなくて、サトさんの小料理屋。可愛いお姉さんは、八十三歳のサトさんだよ」


真彩「なーんだ……」


悠斗と真彩、手を繋いでリビングに行く。




【リビング】


悠斗、立ち止まって、真彩を見て言う。


悠斗「俺がクラブになんて行く訳ないでしょ?! 家に帰ったら素敵な女性が居て、毎日セックス出来るのに、何でクラブに行く必要ある?」


すると真彩、呆れた顔で、

真彩「もー、何言ってんの?!」

と、酔ってる悠斗に言う。


そして、ソファに座る悠斗。


真彩「ねぇ、ちゃんと手洗って、うがいして?!」

と、悠斗の顔を見て言う真彩。


悠斗「はーい、ママ」

と言って、手を挙げ、ゆっくりと立ち上がり、洗面所に行く悠斗。


その間、真彩、冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出し、グラスに入れる。


悠斗が戻って来て、ソファに座ると、悠斗の所に行く真彩。


真彩「はい」

と言って、悠斗にミネラルウォーターが入ったグラスを渡し、悠斗の横に座る真彩。


悠斗「あぁ、有難う」

と言うと、悠斗、それを一気に飲む。


悠斗「サトさんに、『皆んなには内緒だけど結婚した』って言ったら、凄い喜んでくれて、お祝いだって言っておごってくれた」


真彩「そっか。良かったね……」


悠斗、真彩に自分の顔を近付け、真彩の唇にキスをして、真彩を押し倒す。


真彩「もうー、酔っ払いさんは困ったもんだ」


悠斗、真彩が着ているルームウェアの上服の下から手を入れ、真彩の胸を揉む。


その後、下のズボンの方に手をやる。

しかし真彩、直ぐに悠斗の手を持ち、悠斗の行為を止める。


真彩「今日はダメだよ。生理になっちゃったから……」


悠斗「えぇー?」

と、残念そうな顔をする悠斗。


真彩「ごめんね……」

と言って、真彩、笑顔で悠斗の頭を優しくポンポンする。


すると、悠斗、ニヤリとする。


悠斗「じゃー、避妊具要らないな。シャワー掛かろう?」


真彩「えっ? 生理の時でも妊娠する可能性あるよ?!」


悠斗「えっ? そうなの???」


真彩「うん……」


悠斗「でも、俺たちのベイビー、出来たら出来たで良いんじゃない?」


真彩「もうー、またそんなこと言う」


悠斗「本気だよ。でも、今は真彩と二人の時間、大事にしたいからなぁー。真彩といちゃいちゃしたいもんね」


真彩(心の声)「あと、生理中は感染症のリスクあるんだけどなぁ……でも、悠斗が求めてるからしょうがないか……」


真彩、悠斗の目をじっと見る。


真彩と一緒にシャワーに掛かるのを、嬉しそうな顔でニコッとする悠斗。


真彩「もうー、しょうがないなぁー……」

と言って、真彩、微笑む。

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