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ラベンダー:君は優しい僕の夢魔
君から贈られたラベンダーの花束の
芳醇な香りに
つい先程まで昂っていた
君に対する僕の気持ちが
ようやく収まってくれた
君はラベンダーの香りの効果を知って
この花束を僕に寄越したの?
僕を鎮めたい?
眠らせたいの?
睡魔に身を委ねながら
思い浮かぶは君の面影
妖艶で危うく
愛しくて儚い
心地良い眠りは
君を抱いているような錯覚をもたらす
夢の中で僕は君に出会い
一夜の逢瀬を重ね
心も体ももはや昂ぶり
感極まって僕は果てる
そして目覚めた朝
気分はすっきりと覚醒し
また訪れた今日一日の気怠いルーティンを
頑張る気力に充ちていた
きっとそれは
君の不思議な魔法のおかげ
爽やかなラベンダーの香りに寄せて
届いた君の愛ゆえに……




