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花水木:君の瞳は誘うように僕を惑わす
深い赤ワインに彩づく肢体に
可愛いピンクの笑顔を載せる
君は全く大人か子供か
わからず僕を戸惑わせる
思春期の危うさ
いとけない君の
濡れた紅く小さな唇は
誘うようにうごめく
誘いに乗ってはいけないのだろう
ここは僕が止まるところ
君は意識して誘ってなどいないと
何度でも自分に言い聞かせる
ああ、だけど
君はあまりにも魅惑的で
その切れ長の瞳は僕を惑わす
ほら今君は、わざと瞳を煌めかせてる
いたずらをするように
僕の反応を愉しむように
次の段階に進んだら
君のあどけない笑顔は
涙に変わるというのに
そんな僕の懊悩を知らずに
いとけなく無邪気に笑う君
いつか僕はきっと……




