32/36
金ぐさり:自分の気持ちを封印する貴女に
金ぐさりの花は美しいけれど淋しい
藤の花に似ているのに
その花の色は
高貴な色の紫とは馴染まない黄金色だから
軽いように見えて明るい金色は
友に笑顔を与えて自分のことは後回し
尽きない淋しさを
後ろに隠して立っている貴女の姿
そんな貴女をずっと僕が見つめてきたことを
きっと貴女は知らないだろう
友の恋を応援し、自分の気持ちを封印する
そんな貴女を……
貴女だって肩を震わせ泣くこともある
藤の花と変わらず支えが必要だろうに
離れて見ている僕には
まだそこまでは見せてくれていない
一歩近づいてもいいだろうか?
貴女の明るい金色の髪に手を触れたい
貴女が悲しみの涙にくれる時は
そっと側にいて寄り添いたい
そんな僕を貴女は受け入れてくれるだろうか
友の恋人となった貴女の想いびとには勝てないか
恋愛とはやはり勝ち負けなのだろうか
だとしたら
貴女を想う心なら誰にも負けはしない
僕の想いを見つけてくれ
この目線、この腕、この胸の中に
この僕の想いを……




