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チューリップ:親として男として
ふんわりと丸いフォルムの可愛らしい君は
まるで赤いチューリップの花のよう
そっと手のひらで包み込んで
誰の目にも触れさせたくない
春の訪れを喜んで
綻びはじめた君は
徐々に美しく開花していく
本当に赤いチューリップの花のよう
手のひらで押し包んで
隠し通すことなどもうできない
見つかってしまう
愛されてしまう
求められてしまう
奪われてしまう
誰の目にも触れさせたくないのに
君はすべての男たちの目にとまり
すべての男たちを魅了し狂わせる
父親の欲目だなんて言わないで
娘として育ててきた私にだって眩し過ぎる
そして私たちの間には
血の繋がりは無いのだから……