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黄水仙:黄金色に輝く恋のカケラ





昔ワーズワースという詩人が

はぐれた雲のように彷徨って

この花の群落に出会ったらしい


無数の黄水仙の花がいっせいに首をもたげ

風に揺らめくさまはひどく神秘的で

詩人の魂もまた

その幻想の中でともに息づき始めたのだろう


人を詩人に変えるきっかけは

とてつもない孤独だったり

逝ってしまった伴侶だったり

若き日の苦い恋だったり


詩は感情の発露だろう

とどめておけない想いを形にして

自分をそっと慰める


そんな人々の心の内を

俯きかけて打ち明け話を聞いてくれ

黄金色きんいろに輝かせる

ひとつひとつの黄水仙が

辛い恋のカケラを秘めているとしたら


黄水仙はもしかしたら

いつの日か恋に命を落とした詩人なのかもしれない





挿絵(By みてみん)

ワーズワースが実際に見たのはイギリスの野生種のNarcissus pseudonarcissus、この写真より周囲の花弁がもう少し薄い黄色のものだったと言われてます。

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― 新着の感想 ―
[良い点] ひどく神秘的で ⬆ 優しかったり美しかったり 癒やしや幸福を連想させるはずの存在も 受け手にとって強い刺激になりえたり この表現なくしてこの詩は成り立たない と 思うほど ガシッときまし…
[良い点] うわあ~! こちらも見事な詩でした! 黄水仙の神秘さに触れた気がしました。 『黄金色に輝かせる ひとつひとつの黄水仙が 辛い恋のカケラを秘めているとしたら』 ↑ココが好きでした! 水仙とか…
[一言] これはエモい( ˘ω˘ )
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