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ミヤマシキミ・ルベラ:純粋無垢への葛藤
ピンクの粟粒のような蕾は
春を待つささやき
モノクロの景色を彩る
背もまだ低い
幼くあどけない君を愛でるのは
大人の男の僕の特権だと言えば
君は怒るだろうか
花穂を両手で撫でながら
君の蕾が一斉に花開くのを見守ろう
夜空に白く輝く星くずの集まりのように
新鮮で潔く密やかな君
幼きがゆえ、純なゆえ
君は汚れを知らず
疑いもなく僕を見つめる
ああ、いっそ手折ってしまおうか
その衝動とどれほど闘ってきただろう
ああ、いっそ、ひとつひとつ粒々を
僕の指で潰してしまおうか
所有する悦び
生殺与奪を握る官能
そんな僕の気持ちはつゆ知らず
君は今日も優しく僕を見つめる
純粋無垢な愛しの君は……