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ポリアンサス:愛の炎
冬でも瑞々しい緑の葉っぱを
太陽に向けて懸命に開いている小さな植物は
ほんの少しの春のそよ風を聞きつけて
可愛らしい花首をもたげる
あなたが優しく愛してくれた
その思い出のように
色とりどりに私の胸を温める
あなたは
震える私をそっと抱き締めて
愛を囁いてくれた
あなたの言葉はお日さまのように温かく
あなたの抱擁は誰よりもかたく、強くて
その愛に嘘偽りはなく
私は今、花開いている
ワインレッド、シャンペンピンク、サンセットゴールド
思い出という名の若い恋の輝きが
私を次の春に向かわせる
気温がくっと下がって霜を浴びる朝は
遠ざかったあなたの愛が
痛みとなって胸をよぎるとしても
あなたの愛の炎だけが私の原点
たとえ今は儚くなった恋だとしても……