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椿:絢爛豪華な恋敵は西洋椿の花のように
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西洋の椿は煩いほど絢爛豪華
私の恋敵みたいに
ローズ色のドレスを身に纏って
翡翠色の扇で口元を覆う
彼女の周りには沢山の殿方が
群れをなす
その美しい花首が
ぼとりと落ちてしまえばいいのに
と心の隅で感じてはいても
彼女の魅力を認めざるを得ない
彼女は私の恋敵
私の想う方を競って奪う恋敵
だけどなんて魅力的なんだろう
まじまじと眺めていたからか
ドレスの裾を翻して
彼女が私に近づいてくる
「どうか、されまして?」
そのいとも優雅な身のこなしに
私の目は益々釘付けになる
嗚呼、やはり魅力的な女性!
あなたは私の恋敵
絢爛豪華な恋敵
この西洋椿の花のように……