ACT-71『世界移動大成功です! だけど……』
朝が来た。
窓から僅かに差し込む日差しが眩しい。
卓也は、自分でも信じられないくらい清々しい気分で目覚めた。
体調は問題なしを通り越してもはや絶好調。
眠気の欠片すらなく、今すぐにでも走り回りたいくらい最高の調子だ。
「むむ、この感じは……もしかすると!」
異世界への渡航に成功すると、前の日にしこたま酒を飲んで泥酔してもスッキリ目覚められる。
卓也は期待に満ちた表情で、ベランダの窓を開けた。
「おお!」
小鳥達の鳴き声が聞こえる。
遠くを行き来する、沢山の車の音。
各所から微かに聞こえる生活音や誰かの会話の声。
長い間耳にすることがなかった「音」が、確かに聞こえる。
「成功だ! 世界移動に成功したんだ!!
お~い、澪! 沙貴ぃ!!
やったぞぉ!」
寝室に飛び込み二人を起こそうとして、はたと止まる。
寝室の大きなベッドには、珍しく上下きっちりとしたパジャマを着た澪と、見慣れない小さな女の子が眠っている。
沙貴の姿は、ない。
小首を傾げながら、卓也は洗面所の方へ移動する。
「お~い沙貴。もう起きたの?」
だが、そこには誰も居ない。
(おかしいな、一人でコンビニにでも行ったかな?)
頭をポリポリ掻きながら、ひとまずリビングに戻ろうとする。
すると、丁度入れ違いになるようなタイミングで起きて来た澪と鉢合わせになった。
「おわっ」
「おはよ~卓也、もう起きたの~?
気分はどう?」
「おはよう、澪!
おお、なんだか最高な気分で目覚めたよ」
「そうなの、それは良かった!
ってことは、世界移動は成功した?」
「あ、そうそう、そうなんだ!
外からちゃんと音が聞こえて来るんだ」
「やったぁ! じゃあ、もうここはあの無人の世界じゃないのね!」
「ああ、そうだよ。
でも、沙貴が朝からいないんだ。
何処に行ったんだろうね。」
卓也の質問に、澪は一瞬硬直して表情を曇らせる。
それを見て、ようやく寝ぼけた頭が動き出す。
「あ――」
「思い出した?
沙貴はもう」
「そうか、そうだった……もう、いないんだったな」
そう、もう卓也の許に沙貴は居ない。
沙貴は、自らの意志で“誰もいない世界”に残留した。
坂上親子と共に、迷い込んで来た人々を一人でも多く救う道を選んで。
主人である卓也の意に、そしてロイエの掟に背いてまで、自ら選んだ道を進む覚悟を決めたのだ。
寝起きだとはいえ、なんでそんな大事なことを思い出せなかったんだろうと、卓也は自分が恥ずかしくなった。
「なんかこう、長い間ずっと一緒だったから、いざ居なくなるとすっげぇ悲しいなあ」
「そんな事言わないでよ。
ボクも悲しくなってきちゃう」
「ごめん」
「いいのよ。
それより、これからはかなたちゃんと一緒なんだからね。
また色々と大変になるわよ」
「そうか! あの子のご両親を捜さなきゃならないんだもんな」
「そうそう。
それに、長い間無人の世界に居たんだし、ボク達も普通の世界に慣れなきゃね」
「そうだね。
それに、この世界がどういうとこなのかも確かめなくちゃな」
久々の異世界転移、卓也と澪は、これからやらねばならない数々の事柄を思い返し、背筋を伸ばした。
■□ 押しかけメイドが男の娘だった件 □■
第五章
ACT-71『世界移動大成功です! だけど……』
「卓也おじちゃん、澪お姉ちゃん、おはよう!」
パジャマから着替えたかなたが、元気よくリビングに飛び出して来た。
「お、おじちゃん……」
「かなたちゃん、おはよう!
えらいねー、一人でお着換え出来たのね」
「うん! おじちゃんのおうちでも、かなた全部一人でやってたんだよ!」
「おおー、それはえらいなあ!」
「えへへ☆ ねーねーお姉ちゃん、かなたお腹空いちゃったぁ」
「はいはい、今準備してるからね」
「かなた、お手伝いするー!」
「ありがとう♪ じゃあね、このお皿をテーブルに並べてくれる?」
「はーい!」
率先して澪を手伝うかなたの様子に、おじちゃん呼ばわりされて傷ついた筈の卓也は、思わず頬を緩める。
まるで子供のいる家庭の幸福な食卓。
卓也がかつて憧れ、そして諦めた筈の光景が、今ここにある。
思わず目頭が熱くなった。
そしてすぐ、ここには「母親に相当する存在」がいない事を思い返し、複雑な気持ちになった。
猪原かなた。
七歳の女の子で、十年前に誰も居ない世界に一人で飛ばされてしまった娘。
本来であれば高校生くらいの年齢の筈らしいのだが、並行世界とは時間の概念が異なるのか、未だに失踪当時の姿のままだという。
彼女を連れて世界移動をしたのは、両親の許に返すため。
しかし、この世界がかなたの元々住んでいた世界であるかどうかは、まだ確定していない。
よく似た全く違う世界であった場合、当たりを引くまで何度でも世界移動を仕掛けなければならないのだ。
卓也と澪は、ひとまず朝食を済ませてから、おおよそ一年ぶりになる“異世界転移後の儀式”を行う算段を付けていた。
朝食は、手作りのサンドウィッチ。
勿論材料は、誰も居ない世界から持ち込んだものだ。
かなたを預かる以上、最近多かったコンビニ飯などはなるべく避け、手作りのものにしたいという澪の想いから、予め調達しておいたのだ。
卓也は、澪のこういうさりげない思いやりの深さに、改めて感心させられていた。
たまごと自家製マヨネーズを和えたペーストに、新鮮なレタス、ハム、そしてスライストマト。
これを好きなように組み合わせて食べるという趣向のサンドウィッチ。
そこに薄味のオニオンスープが加わる。
「わぁ~☆ 美味しそう! いただきま~す!」
「はい、どうぞ召し上がれ」
かなたは、嬉しそうにパンを取ってバターを塗り始める。
目をキラキラさせながらサンドウィッチの具を選んでいる様子は、本当に微笑ましい。
「いいなあ、子供のいる生活」
「そうね。
ねえ、卓也?」
「うん?」
「子供、欲しい?」
「ブッ」
「な、何よぉ?」
「だだだ、誰が産むんだそれ」
「た、ただ聞いてみただけよ!」
「あはは、おじちゃんとお姉ちゃんも子供作ればいいじゃない?」
卵とレタスを挟んだサンドウィッチを頬張りながら、かなたが笑顔で、ナチュラルに尋ねて来る。
さすがの二人も、それには苦笑いを返すしかなかった。
朝食が済み、かなたは食後のオレンジジュースを楽しみながらソファーでテレビを観ている。
リアルタイム放送は随分久しぶりなせいか、かなり集中しているようだ。
卓也と澪は、そんな彼女の邪魔をしないように食卓のテーブルでノートPCを覗き込む。
「久々の儀式だなあ」
「えっとまず、大菊輪だっけ?」
「そうそう、それとイーデルのサイトだな」
澪は慣れた手つきでキーを叩き、まずは卓也の元? 職場である大菊輪株式会社を検索する。
「お、出た出た」
「こちらは普通にあるわね。
じゃあ次は……と」
世界的規模で展開している巨大製薬企業イーデルの公式サイトにアクセスする。
澪の居た世界では、ここの通販ページへのログイン時に特定のコードを打ち込むことにより、ロイエ購入希望者専用の隠しページが展開する仕組みになっていた。
――が、今回はエラーが出て弾かれてしまうようだ。
「おっ、どうやらロイエはいないみたいだな。この世界には」
「良かったぁ、安心したわよ。
ここの検索が一番緊張するわね」
「まあ確かにな。また戻っちゃったなんてなったら大変だし」
「ホントよね♪」
その他色々な情報を検索してみるが、どうやら過去に訪れた世界のいずれにも該当しないようだ。
となると、次はいよいよ、かなたに関する情報の検索だ。
坂上の情報によると、かなたの元いた世界では彼女の失踪は未解決事件となっており、現在でも検索が可能になっているらしい。
それも、以前に異世界から坂上達を訪問してきた「アンナセイヴァー」という連中がもたらした情報らしい。
もしこの情報が出て来なければ、この世界はかなたの住んでいた世界でないか、或いはアンナセイヴァーが嘘の情報を流したことになる。
尤も、後者はいったい何のメリットがあって、そんなことをする必要があるのかという話にもなるのだが。
「えっと、かなたちゃんのフルネームで検索するといいのかな?」
「そうそう、イノシシの猪に、原っぱの原。下はひらがなだって」
「小説では全く無意味な説明ありがとうね」
「言われてみればそうである」
澪は微笑んで卓也の頬にキスすると、次の瞬間には表情を引き締める。
検索エンジンに、“猪原かなた”と入力し、エンターキーを押す。
二人は、ゴクリと唾を呑み込み、切り替わった画面に注視した。
「……ねえ、もしかして」
「これ、じゃない?」
「待て、待てよ、落ち着け。
偶然の一致かもしれないぞ?」
「この場合の偶然の一致って、どんなパターンなの?」
「う、うむむ」
驚くことに、検索一発目でいきなりそれと思しき情報が表示された。
十一年前と、聞いていた情報との差異はあるものの、行方不明者情報と情報提供希望のページを読む限り、坂上から聞いていた内容との合致が著しい。
どうやら今でもまだ情報提供を呼びかけているようだ。
「すげ! 有力な情報提供者には300万円の謝礼だって!」
「止めようよ、そういうの」
「うん、何か違うよね」
卓也と澪は、顔を見合わせて頷いた。
「どうする?」
「そうだな。
早速ここに連絡してみるか?」
「でも待って。
もしここに連絡して、私達の情報提供求められたらどうするの?」
「え?」
「だってさ、多分この世界にもあなた以外の“神代卓也”さんが要る筈でしょ?
その人に面倒事押し付ける形にならない?」
「あ~、そうか! そういう方向は考えなかった!」
「それに、私達が誘拐犯だって疑われる可能性もあるわけだし、それを否定する材料ないものね」
「異世界で保護しました……じゃ、誰も信用してくれないもんな」
「そうなると」
「そうなると?」
「異世界から連れて来たっていう事を信用してくれる人のところに直接送り届けるしかないわね」
「それって要するに」
「うん、お宅訪問」
「おお、やっぱりそうなるのか!」
「さて、果たしてかなたちゃんは自分の自宅の住所を覚えているかしら?」
澪は、画面上の必要と思われる情報を手早くメモし、PCを閉じる。
動く方向性が決まったなら、直ぐにという気持ちだろうか。
しかし卓也は、それに待ったをかける。
「さっき澪が言ってたけどさ、この世界にもう少し慣れさせてからの方が良くないかな」
「そういえばそうね。
ボク達も、もしかしたら色々感覚的に忘れちゃってるかもしれないし」
「いきなり道路に飛び出されたり、信号無視されて事故になったらヤバイからなあ」
「ボク達も気をつけなきゃね。
連れて行くなら、交通機関も使うことになるだろうし」
「うう、なんだか外出する自信がなくなってきた」
「いきなり弱気!」
「ぐえぇ」
澪に背中を叩かれ、卓也は嗚咽を漏らした。
その後、二人はまだかなたに事情は伏せたままにして、ひとまず今日一日は一緒に居ることにした。
ここは、大勢の人々が住み、行き交う街・東京。
長い間誰も居ない世界に住んでいたかなたが、突然変化した環境に戸惑わないようにしようと、まずは三人で近所を散歩することにした。
今日は雲一つない晴天で、気温も丁度いい。
三人は早速着替えて外出すると、途端にいくつもの「音」に見舞われる。
あの世界では体感出来なかった、様々な音の洪水に。
「わぁ! なんかうるさいねー!」
「確かに、あの無音の世界に慣れちゃうと煩く感じちゃうね」
「でも、なんか懐かしい煩さだよなあ」
かなたはまだ小さいながらも、一通りの事情は把握している。
異世界転移という、通常ではありえない現象で二回も世界を移動したこと。
この世界が、今までのような人が存在しない世界ではないこと。
そして、まずは慣れる必要があることなど。
かなたはとても頭が良く、加えて聞き分けも良く理解力も高い娘だ。
元々良い子だった上に、坂上が色々丁寧に教えた結果なのかもしれない。
まだ一晩の付き合いではあるが、手を煩わされることもなく、二人はとても助かっていた。
「わぁー公園♪ 子供が一杯いるねー!」
「おー、かなたちゃんも一緒に遊んでおいでよ」
「はーい! 行ってきまーす!」
「気を付けてねー♪」
遊具に向かって駆けて行くかなたを見送ると、二人は何となく見つめ合って微笑む。
言葉にし難い、なんともいえない幸福感。
子供が生まれ、親になると、こういう感覚を味わうことになるのだろう。
卓也は、ふとそんな事を思った。
そしてそれは、自分にはもう二度とありえないものだという現実も実感する。
「かなたちゃんのご両親はさ」
突然、澪が呟き出す。
「こういう幸せな気持ちを、ある日突然奪われたんだよね」
「……」
「もし、ボク達が今ここでかなたちゃんを失ったら、とっても悲しいよね」
「う、うん」
「でも、ご両親はその何倍も……ううん、何千倍も何万倍も辛かったと思うの」
「そうだな。
なんとしても、幸せの時間を返してあげないとならないよね」
「絶対に、ご両親に逢わせてあげようね、卓也」
「そうだな、うん……そうだ」
改めて、決意を口にする。
いつしか二人は、自然に手を握り合っていた。
その後、公園でたっぷり二時間以上も遊んだかなたは汗びっしょりで戻って来た。
三人は慌ててマンションに戻り、かなたにシャワーを浴びさせることにした。
「ねーお姉ちゃん」
「んー、なぁに?」
「一緒に、シャワー入ろ?」
「え゛」
いきなりのリクエストに、さすがの澪も硬直する。
かなたに女性と勘違いされているが、澪は男性だ。
夕べは酒盛り中に坂上が入浴を促してくれたため何とかなったが。
「ねーねー、いいでしょ?
お姉ちゃんも汗かいたでしょ?」
「え、あ、うんまぁ」
「ねーねー入ろ入ろ☆」
「あううう……」
助けを求めるような視線を、卓也に向ける。
だが最愛の人は、その視線を露骨に無視した。
「た、卓也ぁ~」
「なんとかうまくやって欲しい。以上、通信終わり!」
「ちょ、や~ん!」
「あはは、お姉ちゃんなんかカワイイ!」
その後、結局かなたの要望を断り切れず、澪はタオルを一枚持ち込んで必死にナニかを誤魔化そうと懸命に努力をした。
午後になり、三人はもう一度着替えて昼食を食べるために外出した。
これは、人のいる世界に慣れるためだ。
自炊派の澪も、この時ばかりは快諾する。
かなたを真ん中に三人で手を繋ぎながら、今日は新宿まで出てみようという話になった。
JR四ツ谷駅からわざわざ電車に乗って、移動する。
大人なら歩いても行けそうな距離ではあるのだが、とにかくあえて色々な場所を経由して慣れようという主旨だ。
新宿大ガード下近くの交差点、信号待ちの間、澪はかなたに尋ねた。
「かなたちゃん、お昼はどんなの食べたい?」
「えーとね、かなた、カレーが食べたい!」
「カレーかぁ。じゃあ中村屋にでも行くか。
それか吉野家とか松屋でも」
「卓也」
「え、あ、何?」
「ボク達、家族連れみたいなものなのよ?
一人暮らし的な発想は止めましょうよ」
「そういうの、俺よくわかんなくって」
「ファミレスとかでいいんじゃないかしら。
確かカズトがあったと思うわ」
「ホントなんでも知ってるんだなあ、ロイエって」
「そうよ? 感動した?」
「しました」
「カズト行こう!
かなたね、ずっと前にパパとママと一緒に行ったことあるのー」
「そっかぁ♪」
無邪気なかなたの微笑みに、思わずつられて笑顔になる。
だがその直後、かなたの表情が驚きのそれに変わった。
「ねーねー、あれ何?」
突然、上空を指差してかなたが呟く。
何かと思い振り返ると、何かが上空を漂っているのが見えた。
はじめは風に舞い上げられた袋か何かかと思ったが、そうではないらしい。
やがて、かなた以外の周囲の人々も、空を見上げて騒ぎ始める。
「え、なんだあれ?」
「人……みたいに見えるけど」
「飛んでるね、すごーい!」
「え? 人が……飛んでる??」
上空に漂う、小さな影。
それは、確かに“人間”だった。
服装から女性のようだが、どういう理屈か何の機械もなしに生身で宙に浮いている。
やがてゆっくりと降下を始め、その姿がはっきりとわかる。
それは、十代後半くらいの少女だった。
鮮やかなピンク色の髪と衣服、白いブラウス、ミニスカートから伸びた長い脚、そして結ばれた髪から伸びている四本の長いリボン。
それはどう見ても、場違いな「派手なコスプレイヤー」以外の何者でもない。
短いスカートのひだが、まるで回転するようになびく。
卓也は、思わずグビッと喉を鳴らした。
重力を感じさせないふわりとした動きで、青梅街道の中央分離帯に降り立った少女は、どこか不安そうな表情で周囲を見渡すと、突然大きな声で叫び始めた。
否、叫ぶというよりは、拡声器を使って声を大きくしたようにも感じる。
『皆さん、ここは危険です!
急いで新宿駅の方に退避してください!』
「え? え? なんだ?」
「退避? 逃げろってこと?」
「何言ってんだアイツ?」
「あれって、もしかしてネットで噂になってる――」
周囲の人々が、ピンクの少女を指差して何やら騒ぎ立て始める。
だがその直後、歌舞伎町の方向から、大きな叫び声が響いて来た。
と同時に、強烈な破壊音も――
「ちょ! な、何よアレ?!」
「あれって――ええええええええ?!」
「きゃああ! オバケぇ!」
三人の目に飛び込んで来たのは、青梅街道に現れた巨大なバケモノの姿だった。
獅子のような体躯にコウモリの翼、蠍の尾、そして老人の顔。
そして五メートルはありそうな巨体。
明らかに作り物ではないそれは、なまめかしく蠢いて路上の車を蹴散らして進む。
あまりの予想外の状況に硬直する三人は、やがて逃げ出し始めた人々に巻かれ、流され出した。
「わぁぁ! 澪! かなたちゃん!」
「きゃああ、た、卓也ぁ!」
「お姉ちゃ~ん!!」
人混みの中、澪は必死になってかなたを抱きかかえる。
しかし、あまりにも激しい人の流れによって、卓也と離れ離れになってしまった。
「と、とりあえず! 逃げるよかなたちゃん!」
「う、うん!」
「おおお、火事場のク〇力ぁ~!」
澪は全身の力を振り絞って、澪を抱き上げると人の流れに乗ってその場からの脱出を試みた。
(この世界、もしかして、今までの中で一番ヤバいとこなんじゃないの?!)
新宿駅方向に逆戻りしながら、澪はそんなことを思っていた。
新章「アンナセイヴァーの世界編」は、拙作「美神戦隊アンナセイヴァー」という別作品と同じ舞台となります。
また「アンナセイヴァー」の作品内容ともコラボしています。
特に「アンナセイヴァー」を必読して頂く必要はありませんが、多少なりともお読み頂けるとより面白くなるかと思われます(?)
もしご興味があれば、是非ご覧ください。
●美神戦隊アンナセイヴァー:
https://ncode.syosetu.com/n5789hw/
※猪原かなた登場エピソード:
INTERMISSION-05 第37話「異界」~第41話「別離」まで




