クルルの忠誠と過去
私はノア様との結びの時、破った時の代償として命の破滅を選んだ。つまり、ノア様の死。
私はノア様に口だけの忠誠しか、誓っていなかった。
(だって、ノア様はっ、あの人とっ…)
私は知らず知らず唇を強く噛んでいた。
ツンと鉄の味が口内に広がった。
たかが5歳のノア様はとても知性的で、でも残酷さが見え隠れしているように感じた。
隙のない視線に、自身の安全領域をはっきりと自覚している。
結びの手際の良さ、剣を向けたときの冷静さ。
どれも年対応ではなく、達観した態度を一貫するノア様には純粋な賛称と、畏怖を抱いた。
それがいらだった。ムカついた。
なんで、
なぜ、
あの人が、
だってだって
なぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜなぜ
嫉妬や憎悪、憤怒など後ろ向きな感情が私の核心で渦巻いて、どす黒く染まってゆく。
制御できない。この醜くて晴れることのない感情を。
半分八つ当たりだった。
冷たい風が頬に当たり、自分の向上した体温をいやでも感じさせる。
ノア様はあの人に似すぎている。
たかが5歳の人間の命を要求するまで私は堕ちてしまった、あのときから…
***
「クルル?みて、この機具。とてもお洒落で可愛らしいでしょう?」
「ザラ様。その機具はどうされたのですか?とても可愛らしく、繊細な細工がかかっておりますね。」
16歳のクルルは上目遣いで見つめる五つ年下の美しい主人、ザラ・スノールドを眺めた。
ザラはルビーで作られた薔薇の飾りがついている金色のチェーンのブレスレットをクルルに見せている。
エルフの王国であるナートゥーラ王国の第六王女として生まれたザラは真っ白い生糸のような肌に、可憐な白銀の髪を持っており、緑色のエメラルドのような瞳がはめ込まれている優しげな可愛らしい顔の頬を紅潮させて笑っている。
ふわふわしていて、弱く、儚げな、可愛らしい主人をクルルは愛おしげに見ていた。
(私のたった一つの宝物。誰にも奪わせない。)
「この機具は人間が作ったものですよ。ルエディア王国という大国は知っているでしょう?あそこは技術がとても発展しており、魔道具がこんなにも可愛らしいデザインなの。」
「人間の…でもザラ様。ザラ様は魔道具を必要としないのでは?」
「エルフである私は確かに魔道具を欲しません。しかし、これはとても可愛いのでアクセサリーとしてもいいでしょ。」
頬を膨らませ、若干拗ねたザラがブレスレットをクルルの目の高さまで上げてクルルに見せつけた。
「ふふ。そうですね。ザラ様は可愛いものがお好きですものね。」
「ええ!可愛いは正義だとリサ姉様は言っていたわ。」
「左様ですか。こんど、私とお菓子作りでも致しますか?」
「いいのですかっ!ぜひ、やりたいです!」
「約束ですね。」
「はいっ!!約束です!」
白薔薇の花の象徴であるザラはあまりにも、棘がなかった。
うちに秘めたものは優しさ。
慈悲と平和しか知らず、慈悲と平和に全てを捧げた。
無垢で純白で、だから王国にはイラナカッタ。
ある時、ヴァンパイアの王国であるタルノスラ王国との交流を主とする公爵家であるカンベル家でのお茶会が開催された。
公爵家のお茶会は基本、社交辞令として王族には必ず招待状が届く。婚約者を公爵家から取っている場合は向かう。とっていない場合は気分によって行くか行かないか決めるが、その公爵家が専門とする内容の興味によって判断することが多い。
ザラはヴァンパイアの機具についても興味があった。そのため、ザラはこのお茶会への参加を決めた。
それが全ての引き金で、過ちだった。
クルルの罪。
クルルが人を初めて殺めたこと。
クルルが見つけられなかった真実。
「今日はご足労頂き、誠に有難う御座います。」
カンベル家の当主が馬車から降りたザラ達を待ち構えていた。
茶色の髪を揺らし、柔軟な笑みを浮かべている優男。
アーモンドのような瞳は常に笑っているが、どこか掴みどこがなく怪しげだった。
「あら、カンベル卿。こちらこそお出迎えご苦労様。素敵なアーチね。色とりどりの花が咲いているわ。」
ザラは人の良い笑顔を向け、カンベル家の門にあるアーチを褒めた。
細心の注意を元に作られたガラス製のアーチはヴァンパイアの職人のもので、ザラが見たかったものの一つだったのだ。
「それはそれはお褒めに預かり光栄です。どうぞ、こちらに。」
クルルはザラの手を取り、ゆったりと中へ進んでゆく。
ザラがそちらに気を取られているのに安堵し、策士の笑みを浮かべているカンベル・ディールにクルルも気づいてはいなかった。
「あら、此方はなんですの?」
「此方はガラス製のバングルとなっております。薔薇やラッパ、リボンなどが彫られてありますね。光の加減で影の濃さが変わるのですよ。」
「まあ!素敵。どれも美しいですね。」
「此方はグラスとなっております。」
「彼方ははイヤリングね。どれも繊細で丁寧で芸術品として恥なきものね。ねえクルル。」
「どれも見たことが御座いません。とても美しく、素晴らしいかと。」
「ええ!そうでしょう。そうでしょう。」
多くのガラス製の商品を展示されたバルコニーではザラ達が興奮しながら商品を一つ一つ手に取っては解説を頼み、楽しんでいた。
「あれ?可愛らしいお嬢様がお二人おらっしゃるではないですか!何方ですかこの方々は。ディール?」
突然、クルルとザラの後ろから男性の声が響いた。低くしんみりとした声は、高く凛としたエルフとの声とは明らかに違った。
エルフは多種族との接触を強力避ける排他的な人種だ。ナートゥーラ王国から一生出ることのないエルフも多い。
エルフは多種族に嫌悪感を抱いていた。
長寿で魔法に長けた自然と共に生きるエルフにとって多種族は短命で愚かで、自然だけを壊す害ある者だった。そのため長年に渡りエルフは多種族との交流を行わなかった。
しかし、それが変わったのがフリーギドゥスプラクラ王国が出来た時だった。
迫害されたある人間を精霊王が保護した。その人間は全精霊王に愛され、加護を得た。その人間は次第に妻を取り、王国を作って行った。詳しいことは国家機密となっており、御伽噺としてはここまでしかわからない。
まあ、交流を行い始めたとしても多種族を招くことが少ないエルフにとって、多種族の声はすぐに分かるものだった。
「誰だ。」
クルルは素早く警戒して後ろを振り返り、剣の峰を掴んだ。護衛として背後を取られたことに屈辱を覚えると共に、初めて対面する多種族に好奇心を抱いていた。
「おっと!エルフの皆様は多種族とこ交流が少ないのでしたね。失礼。私はヴァンパイアのオルキデと申します。お嬢様方が見ていらっしゃるガラス細工は私がお作りした物です。」
赤い瞳は燦々と妖しげな光を宿し、艶やかな漆黒の髪は湿気を孕んだように萎れていた。整った顔立ちは甘く、優しげな雰囲気を醸し出しており、それが一層白々しく思えた。
「ヴァンパイア…。これは失礼致した。私はナートゥーラ王国第六王女、ザラ様の護衛を務めているクルル・リスノッテです。」
「私が主人で第六王女ザラ・スノールドです。先程が我が護衛が失礼致しました。」
「いえいえ。こちらこそ配慮が足りず、申し訳ございません。」
丁寧な口調に柔らかい物腰。ヴァンパイアでありながら、陰鬱さは微塵も感じなかった。
「オルキデ!急にどうしたんだ。すみませんザラ王女…」
「いいわカンベル卿。オルキデ様とお話ししていらして。私達はこの展示品を見て回っていますわ。」
「ご配慮痛み入ります。オルキデ、中で話そう。」
「えー。わかったよディール。ではご機嫌よう。」
カンベルが薔薇の茂みの方へ一瞬視線をずらしたため、クルルはその視線を追ったがただの庭師がいた為気に留めなかった。
それが庭師ではないとは知らずに。
「クルル確かにヴァンパイアのガラス細工は素晴らしいわ。だけれども私は人間の細かく、独創的な機具の方が好きだわ。」
「人間のですか…人間反対派がいる手前、素直に喜ぶことが叶わず申し訳ございません。」
「いいのですよ。人間のよさもいずれ、広めてゆけば良いのです。」
その時だった。
茂みが激しく揺れ、多くの足音が雪崩の様に耳に入り込んできた。葉が舞い、銀や銅が光を反射し輝く。
「ザラ王女!ご覚悟っ!!!」
軍服に鎧を纏った男性四人が鋭利な武器を持って迫ってきた。鋭くザラを睨み、一心不乱に駆けつけてくる。右腕に巻かれている腕章は、
ーーー人間反対派のエンブレム
「ザラ様。私の後ろに。」
ザラを後ろに庇ったクルルは素早く抜刀すると、襲いかかってくる男性達に素早く斬りかかった。
魔法を使いクルルとザラの姿を認識妨害させ、剣先を男性に狙いを定めて突き刺す。
鮮血と金属の光沢が翻る光線が当たりを占めていた時だった
「ねー!こっちだよっ!」
「まって、早いよー。」
五人くらいの子供が走りながら近づいてきた。
この屋敷では人間とエルフやヴァンパイアなど多種族の孤児を集めている施設があったので、そこの子供であることは容易に予想がついた。
そこまではよかった。
その子供達が向かった先がまだ潜んでいた男性の所でなければ。
「ちっ。邪魔だガキっ!!!」
案の定男性は忌々しそうに舌打ちをすると斧を大きく子供達に向けて振り投げた。
「やっ。なんか来るっ?」
「こ、わい。怖いよ、。」
男性の姿を見て怯え、動くことができなくなっている子供達に剣が当たるのは目に見えていた。
「くそっ。」
男性と交戦していたクルルが間に合う距離ではなく、半端諦めていた時だった。
「?!ザラ様っ!!?」
背後に控えていたザラが勢いよく走り出していた。
「ザラ様!」
目の前の男を慌てて斬り捨てるとクルルは魔法で加速しながらザラの元へ向かった。
バシュッッ!!
鮮血が飛び散るとともにザラの身体が宙を舞った。
スローモーションのようにザラが飛んでゆく姿を見つめているとザラがクルルに気付き、優しげに微笑む。
ーーーごめん、ね だいすき
唇が震えながら動くとそのままザラはゆったりと瞳を閉じた。艶やかな赤とともに透明な涙が流れ落ちていた。
「ざ、ザラ様っ!!!!」
剣を振り捨て一目散にクルルはザラへ駆け寄った。
子供達は返り血を浴びながら呆然と立っていた。
ザラの身体には深々と鈍銀の剣が突き刺さり、勢いよく抜かれた跡があった。白いふわふわとしたドレスは朱に染め上がり、濡れてテカテカと輝く。
「く、クルル。ごめん、ね、お菓子いっしょにつく、るやくそくまもれなくて…大好き。ずっと、だから責めないでね、一生を生き、てそして、安らかに死を。貴方は、とても、美しいのだから。ね。大好き。」
震える血塗れの手でクルルの頬を撫でると弱々しく微笑み、ザラはゆったりと口を閉じた。
「そんなのはいいのです!!だれか、治癒能力のある術者を呼んでください!!」
「無駄ですよ!その方はもう、生き絶えてる。」
後ろから場違いなほど高く弾んだ声が響く。
先程のヴァンパイア、オルキデ。
其方を睨みつけながらクルルはザラの顔を撫でる。冷たく、赤みのない青白い顔。一目見て分かる。
もう、死体となっている。
「なんでっ、なんでよ!ザラ様っ!!!貴方はいつも、私よりっ、早く死なないから、護衛はいらないだなんて笑っていたじゃないですかっ!!!」
クルルは泣きながらザラの死体を抱きしめ号哭を吐き出す。
「死は突然を好み、悲劇を奏でる。しかしザラ様は悲劇には見えませんでしたよ。美しいほどの茶番でしたね。あーあ、お可哀想に。」
オルキデはふざけた様に肩をすくめながら、ザラとクルルに近づいてゆく。
「貴方は、生きていてよかったんですよ。ちゃんと理由があって生かした。死なれては困りますね。」
「つっ!…貴様っ、オルキデっ!貴様の企みかっ!」
「企み?いえいえ、そんなわけないじゃないですか。私のメリットは人間を懇意にする王族が消えたってことぐらいでしょう?」
後ろで手を組みながら優雅に笑うオルキデにクルルは心底嫌悪感が湧いてきた。
「最低…。お前は、許されない罪を犯した。」
クルルはゆったりと立ち上がるとオルキデを見据え、淡々と言葉を紡ぐ。
「グハッ!」
「うっ、いっ!がぁっ、」
まだ生き残っていた男性二人を目に見えぬ速さで斬り捨てるとオルキデとの間合いを素早く縮めた。
人を殺めたのになんの感情もクルルに湧いてこない。
弓なりの銀光がオルキデに降りかかったときだった
「止まれ。」
冷たい平坦な声が響くとともにクルルの体が金縛りにあったかのように動かなくなる。
「なっ、うご、かない…」
「少し、大人しくして下さいねクルル様。私はその侵入者を処理してしまいますので。」
ディールが無表情をザラの死体に向けると面倒臭そうに顔を顰め、クルルが殺した男性達を風の魔法で集めると土の魔法で埋め尽くした。
「はあ、面倒方を…」
ディールはクルルを見つめると指を鳴らし拘束を解いた。
「クルル様。これは私の落ち度でもありますが、ザラ様の護衛が少ないのも原因であります。そこは踏まえて対処をお願いします。」
淡々とそこに確かに存在する『死』に興味などないように自分の利益を述べる。 王族、ザラの死など、まるで、
予め知っていたかのように。
「貴様らっ、グルかっ!!」
「なんのことです?この方々は人間反対派ですよね?私、カンベル家は中立派と交易推奨を掲げる革新派ですよ。なぜ、ザラ様を殺さなければならないのですか。」
「くっ、。」
ディールの発言はとても論理的で、ザラの死に関わっているとは思えなかったし、証拠も存在しない。
けれど、人間反対派が持っていた武器はヴァンパイアの国で製造されたガラスが嵌め込まれていたのはどうなるのだろうか?ヴァンパイアとの窓口は王族を除くとカンベル家のみ。しかし人間反対派にカンベル家は接触できない。そうなるとこの騒動を起こした人物は
(ザラ様以外の王族の誰かとヴァンパイアの共闘)
そしてここに運良く出合わせたヴァンパイア、オルキデ。
(絶対に何かある。絶対に仕組まれた。ザラ様の死は、故意的に行われたっ!!絶対に探し出して許さない。復讐は必ず成し遂げる。)
手をキツく握り、クルルから血が滴り落ちる。血は地面に波紋を描き、ゆっくりと浸透しては消えて行った。
「クルル様。少なくとも、同族が仲良しこよしな訳ではないのですよ。利害が一致したら、牽制し合っている公爵家だって…ねぇ。」
オルキデがクルルを見据えながら、さも愉快そうに口元を歪め意味深な言葉を呟く。
(つっ!私の家はザラ様との関わりを良く思っていなかった…もしかして、私のせいで…)
どんどん思考が深まり疑心暗鬼に成り果てたクルルを見つめながらオルキデは別れの一言を突きつける。
「それではクルル様、お元気で。ガラス製の武器が欲しければいつでも…」
決定的だった。
オルキデは侵入者の武器や服装を間近で見ていない。しかし、証拠も存在しない。派閥という壁もある。クルルに太刀打ちできる環境ではなかった…
この憎悪と人を殺めた感覚がクルルのなかに長年蓄積されてゆき、段々とクルルはヴァンパイアを追うことが生きる全てへと変化していった。そして、ミスを犯し、ヴァンパイアの血を摂取した。
生きる気力が失われつつあった瞳に鮮血が写り、縛りつけていった。
***
青い花が煌めき、空一面を染め上げた。
ノアの血は花に吸収され、爛々と咲き誇る。
精霊王との直接的な契約が大の大人も気絶するほど壮大なものだということをエルフである私は嫌というほど知っている。
「…!ノア様っ!!!!」
ノアが腕に鋭く光るナイフを突き刺す様を見て、私はどうしようもなく胸が締め付けられた。感服と庇護と畏怖だ。か弱く儚い貴方を守りたい。壊されたくない。なんて美しい。ザラ様、ごめんなさい。こんな浅ましい感情を抱いてしまう私をどうか赦して下さい。私は、あの人について行きたい。あの人が見る景色を一緒に隣で見てみたい。
私は、私はっ…!
ノア様に忠誠を誓いたい…!
カチリ、と身体の奥底で何かが嵌るような、動くような感覚が過ぎった。血液に力強い何かが押し寄せ、拘束し、力を与えているような感覚。視界が途端に鮮やかになり、色という色を映し出す。目の前の甘美な笑みを浮かべたノアが私に微笑む。
「クルル。ありがとう。俺はだいじょーぶ。」
ドクリ、と心の臓が波打った。顔が紅潮し、涙が溢れ出る。視界が尊いくらい透明感のある色に変わり、私はそっと息をつく。
ノア様の結びが完成したのだ。破った時の見返りを手放す代わりに、相手が絶対的な忠誠を誓った時のみ永劫の眷属とすることができる。眷属は自身と最も結びつきを強くするものであり、力の供給や能力の貸し借りが可能となる。絶対的忠誠で成り立つ絆の契約。
ああ、なんて残酷で愉快なのだろうか。
「ノア様。私は貴方様に×××××の忠誠を…」
私は、私の加護である精霊の名を使った真名の誓いを贈った。精霊の名が入る真名は命を預ける伴侶や相棒にのみ伝えるもの。人それぞれ、どの属性の精霊に加護を与えられているか知られるわけにはいかないのだ。エルフの核である属性加護を知られてしまったら自身の命綱を相手に知られたのと同義。つまり、真名を知られては幾らでも殺せるという訳だ。私はノア様になら殺されてもいいと思った。捨てる命だったのだ。ノア様に捧げるくらい、造作もない。
でも、ザラ様は赦してくれるだろうか?主人をみすみす死なせ、挙げ句の果てに主人を変えるなど。しかし、後悔はない。もう、私はノア様の道を彩る剣となる。
ねえ、ザラ様、私を赦さないでいいです。それでも、否定はしないでほしいのです。私の、私の道はザラ様から始まったのですから…
祈るように空を見上げた。白い花弁がひらひらと精霊界に舞っている。暖かく、爽やかな風が私の髪を弄んだ。
ーーー赦します。貴方のことを何時でも見守っていますよクルル。ねえ、大好き。ありがとう…
優しく、甘くしゅわりと溶けてしまいそうな声が耳の奥で弾けた。私は目を見開くと素早く周囲を見渡した。けれど返ってくるのは心地よい風のベールのみ。
足元の白い薔薇に、透明な雫がパタリと垂れた。
遅くなってしまい、申し訳ございません!
まだまだ続くので、楽しんで読んで欲しいです。
よければ高評価お願いします。
また、こんなキャラが欲しいとかがあったら是非教えて下さい!




