186 仲睦まじい双子ロリと一方的に(1)
そういう感じじゃない保健室登校少女との寝起きで授業に参加したら五限目すっぽかしたし六限目遅刻した。いい加減そろそろ本当に進学についても考えないといけない気がしたけどいくつも悩みを抱えるのは失敗の元なのでいったん気にしない。
彼女の件はそれはそれでまたひとつ悩ましいところなんだけども。
なんとかなるよねきっと。
学校に関しては頼みましたよ先生……!
そんな思いを抱きつつ。
その後はつつがなく学校も終わって、私はあっさりと帰路についていた。
本当はお話ししたい相手がまだいるけど、割とこっちの都合を度外視してきそうなタイプなのに都合が合わなかったからまた後日。
……スマホで連絡取れるのに顔さえ合わせてくれないのは何故なのか。
ちょっと一回本気でお話する必要があるかもしれない。なんとなく。
さておき。
お話といえば絶対に外せない子たちがいるので、そろそろ彼女たちとも対面してみることにする。下手したら社会的な致命傷を受けかねないけどいつまでも避けては通れないのだ。
双子ちゃんたちとも、私とのこれからのことについて話し合わないと―――
「「なにゆってるの?」」
と、声をそろえる双子ちゃん。
できる限り伝わりやすく私の思いを吐露してみたんだけど、どうやら伝わってはくれなかったようだ。
なんて思っていたら。
「ゆみかちゃんはわたしたちをなんだとおもってるんですかぁ?」
「わたしたちゆみのものだよ」
左右から染み込むロリっ子ボイス。
危機感知センサーがジリリリリと鳴り響いている気がする。
いつものようにベンチで左右にロリっ子を侍らせる体勢の私だけど、その膝の上におねえちゃんの片足といもうとちゃんの手が乗っかってきていて逃れられない。
「ゆみかちゃんがなにをきめてもかんけいないです♪」
「ゆみはぜったいわたしたちをすてられないよね?」
ぐいぐい。
思いがけず積極的というか、理解したうえでなおどうでもいいと彼女たちとはそう言っているらしい。それもずいぶんと過激な言葉で。
お、幼いって罪だね……
「そんなことより♡」
「ゆみ、きょうもあそぼ?」
もぞもぞと左右からうごめく手が、私の懐から二枚のカードをとっていく。
いもうとちゃんは黒で目を隠して、おねえちゃんは白を小さく咥えて。
「きょおはどっちであそぶんですか……♡」
「えっと」
なんだこの、得も言われぬいかがわしさ。
なにせそもそも援助交際をしようっていうんだからいかがわしいもなにもないんだけど……
「じゃ、じゃあこっち」
私はおねえちゃんの手を取って、それを彼女のポーチに押し付ける。
ポーチ越しにぴぴっと私のものになったおねえちゃんはもじもじと恥ずかしそうに足をすり合わせて、そんな彼女がささやかな口づけを頬にくれるさなかにいもうとちゃんも私のものになる。
もうすでに相談の体裁が崩れ去っているという圧倒的事実。
なにせ『そんなこと』とか言われちゃったもんなぁ……
思えば彼女たちは、びっくりするほどに嫉妬とかそういう感情がない。
いもうとちゃんから私への嫉妬は感じたことがあるけど、ほかの人へのそれがあるのかないのか。そもそも私抜きの二人で世界がすでに出来上がっているから、私がいつもそこにいることを必要としていないような感じもあるし。
そういう意味では、彼女たちは、『彼女たち』という複数を選ぶことに成功した特殊な例と言えるのかもしれない。もちろん、まさかみんなに彼女たちのような関係を強いることなんてできるわけもないんだけど。
……ふーむ。
どうしてこう、私はクズなことを思いついてしまうのか。
「―――いもうとちゃんはちょっと退いててよ」
「……ゆみかちゃん?」
「ぁう、」
私に買われるなり口づけをくれようとしてくる真似っこないもうとちゃんを拒んで、おねえちゃんの首筋にお返しをする。
そのままベンチに押し倒して、耳元で『好き』だとか『可愛いよ』だとか口にするのが気恥ずかしいような本心をささやいてみる。
するとおねえちゃんは簡単にとろとろになって、自然とほおが緩んでしまうのを自覚できた。
もっと可愛がってあげたいと、そう胸の内から自然に湧き上がる感情のままにまた顔を近づけると、後ろから少し痛いくらいの力で爪が突き立つ。
「ゆみかちゃん♪ わたしもなかまはずれにしないでほしいです♪」
「言ったじゃん。こっちって」
「―――は?」
「私、今はおねえちゃんと遊んでるんだよ」
いもうとちゃんを振り払い、困惑するおねえちゃんに笑みを向ける。
「大丈夫だから、受け入れて?」
「……うん。ゆみ、もっとあそんで?」
手を広げて私を受け入れるおねえちゃんに、背後でいもうとちゃんが息をのむのが分かった。
だけど気にせず、私は私の一番熱くて柔らかい場所で彼女の柔肌に触れた。
ほんのりと汗ばんで、そして果物のような酸味がある彼女の肌は香り触れるだけでどこまでも心地がいい。
世の中にロリコンとかいうアブない人がいるのもうなずける。
私は全然そういうことはしないけど、したくなってしまうような気持ちも分からないではない。
「ゆみかちゃん、じょうだんですよね……? おもしろくないです」
いもうとちゃんの強張り震える声音に心臓が痛む。
だけどまだ、私は彼女に応えない。
そしてそんな私を彼女は本気で妨害したりはできないのだ。
それがリルカの効果。
彼女はもう私のもの。
触れ合うも触れ合わないも私の思うままなのだ。
「どうしておねえちゃんもそれでいいんですか。なんで、」
「……ゆみ、もっとちゅってして?」
「どこに欲しいの?」
「おくち、おくちでしたい……♡」
「ふふ。欲張りさんだね」
れぉ、と差し出される、赤くみずみずしい肉の果実。
その先端に小さく口づけ、うねるのをとらえ、ちゅると吸う。
こういうことしているからにっちもさっちもいかなくなるんだよなぁ。
とか、何度目かも分からないようなことをぼんやりと考えて。
だけどだからといってやめるでもなく、私は、ひたすらにおねえちゃんだけを可愛がるのだった。




