157 双子ロリと虜で
保健室登校な彼女にウザがられながらも保健室というセーフエリアを活用して、とりあえず月曜日を乗り切った。
真っ先に話したかったサクラちゃんは明らかに私を避けていて、無理やり話しかけてもただ小さく謝るだけで去ってしまう。
どうにかしないといけないけど、これに関しては下手にリルカするのはむしろ悪手という気がするからなかなか動きにくい。
それともいったん時間をおいてみるか……
こうして悩むことも、彼女とのこれからを思えば必要なことなのかもしれない。
ともあれ、そういうこともあって私はよりいっそう自重するようになっていた。
まあ学校の危険人物はほぼ先輩だけだし、私がなにかをしでかさなければ比較的温厚でいてくれる。絞め殺すか毒でじわじわやるかの違いといえばそうなんだけど、少なくとも生徒会選挙に影響がないのならまあ……うん……
その自重は学校のみに限らず。
帰り道、サクラちゃんのことを考えていたら無意識に足を運びそうになった公園への途中、慌てて進路を切り替える。
今の双子ちゃんは、ちょっといろいろまずい。
寂しく思ってしまうのも悲しいし週一の約束があるからまた明日か明後日にでも顔を出したいけど、謹慎明け初日っていうくらいだし一応、ね。
けれど。
そんな考えは、あまりにも甘かったんだ。
「―――なんでにげるんですかぁ?」
「ぴぇっ」
振り向けばそこに彼女たちがいた。
にこにこと首をかしげるいもうとちゃんに、真顔でじぃぃぃと見つめてくるおねえちゃん。
なんだか最近、いもうとちゃんの悪影響が顕著におねえちゃんを変えている気がして気が気でない。それとも血に秘められた彼女の本性なのか……
「ゆみかちゃん、いま、わたしたちからにげようとしましたよね?」
「い、やそんなことはないよ?」
「ゆみ、わたしたちのこと―――キライになったの?」
こてん、と表情を変えずに首をかしげるおねえちゃん。
いつの間にだろう、その手にはスマホが握られていて、まるでチャットの『送信』ボタンでもタップしようとしているみたいに親指が画面に向けられていた。
下手なことを口走ったら社会的に死ぬ……ッ!
私はこほんと咳払いをして、言い訳をしようという気持ちを追い払う。
「そんなわけないよ。私はふたりのこと、大好きだから」
心からの言葉とともに、ふたりの元に歩み寄る。
真意を探るようにまだじぃぃぃと見つめてくるおねえちゃんといもうとちゃんをまとめてぎゅっと抱きしめると、耳元にささやき。
「じゃあなんでにげたんですかぁ♪」
「それはそのぅ……前回ちょっとやりすぎちゃったから合わせる顔がないかもなぁ、って」
その言葉は嘘じゃない。
前回やりすぎたから多分今回普通に遊んで終わりっていうことにはならないだろうって、そういう確信がある。
思えばだから逃げ出すっていうのも最低な話だ。
自己中心的にもほどがあるし、そもそも年上としてちゃんとふたりを導こうという意思がなさすぎる。
いまさらそんなことに気が付いた私は、ふたりの顔を見て頭を下げる。
「ごめんなさい」
素直な謝罪の言葉は、ふたりの怒りを少しは解消してくれたらしい。
おねえちゃんはスマホをしまって、いもうとちゃんははむっと耳を食んでくる。
ほっと一安心。
していると、ふたりはするりと腕の中からすり抜ける。
おや、と思う私に見せびらかすように、いもうとちゃんは手の中で黒色のカードを回した。
……おやぁ?
「うふふ♡」
いもうとちゃんはにこにこ笑いながらそれにスマホを触れる。
そしておねえちゃんも同じくぴぴ。
基本的に私の任意によってしか契約は交わせないけど、ふたりを受け入れないという選択肢は根本的にないからそういうことができる。
……けど、こと今回に関しては跳ね除けておくべきだったんじゃ……?
「ユミカちゃん―――はんこうしちゃダメです♡」
いもうとちゃんの言葉に、すべての行動が縛られる。
かと思えば今度はおねえちゃんが唇をふにふにと触る。
「ゆみ……ちゅ、して?」
乞われるままに、彼女の鼻先にちゅっとする。
くすぐったそうに笑うおねえちゃんの隣からいもうとちゃんが割り込んで、んー、と唇を突き出してくる。
かわいい。
当然にちゅっと触れると、おねえちゃんもおねだりしてくれたからもひとつちゅっ。
なんとも穏やかな空気だ。
このくらいの触れ合いならまだ仲良しなお姉さんくらいで済むだろう。たぶん。
そんなことを思っていると、いもうとちゃんはそっとおなかをまくり上げる。
かわいらしいおへその形に、目が惹かれる。
「ゆみかちゃん……♡」
視線で請われるままに、彼女のおへそに唇で触れる。
舌先でくすぐると彼女は「ぁん♡」と楽しげに鳴いて、頭をキュッと抱きしめる。
「ゆみかちゃん、ゆみかちゃん、ちゅうちゅうしてください」
「ん、ちゅ、」
彼女のおへそをちゅるちゅると吸う。
ミルクみたいに優しく甘くて、ちょっと酸味がある。
ぢゅ、と跡をつけてから顔を離すと、いもうとちゃんは恍惚とした顔でおなかをなでる。
唾液を塗り広げるように、指先で。
そしたら顔をきゅっと引き寄せられて、おねえちゃんが私を見上げる。
「わたしも、して?」
おねえちゃんはくいっと胸元をさらして、ほんのわずかな膨らみの上側をさらす。
脳内で鳴り響く警笛をねじ伏せ、彼女の胸骨に舌を触れる。
唇を張り付かせて、肌を吸う。
いもうとちゃんと同じ匂いがする。
だから同じように、彼女に私の痕を残す。
「ゆみかちゃん♡」
「ゆみ」
彼女たちはなんども私の名を呼んで、そして痕を求めてくる。
私は当たり前にそれに応えた。
てっきり彼女たちに好き放題やられることになるんじゃないかって、そんな風に考えたりしていたんだけど、彼女たちはむしろ逆を求めてくる。
……これ、ふたりともなんか変にハマっちゃってたりしないだろうか。
とか。
思ったけど、だからといってなにをする気も起きなくて。
私はただ、請われるままにふたりを愛した。




