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6.変わり者到来

 翌日は普通に学校に行き、普通に授業を受け、普通に帰った。帰り際の恒例の青葉の攻撃を受けたりと確実にいつも通りであったことを記しておこう。

 しかし、青葉のやつ俺の腕が上がったのがわかったのか、いつもよりキレと鋭さが増していたように思う。つーかあいつ今まで手加減してたんだな。青葉の攻撃を楽々避けれれたと思ってたが俺の思い違いだったのか。まぁ、それでも剣術Lv8は伊達ではなく余裕で回避ができたが。

 ていうか、剣持ってなくても剣術Lv8に相当する身体能力は使えるんだな。こういう時は体術とかのレベルを参照するもんでは?

 まぁ、アドミン謹製のスキル鑑定だ。なんか他とは微妙に違うんだろうと勝手に納得させることにする。


「じゃ、家具を買いに行こうか」


 家に帰るなり、家でゴロゴロと映画を見ていたアーミンに声をかける。


「わかったわ。お金は任せていいのよね?」


「あぁ、金に糸目はつけない、とまでは言わないが、常識的な範囲なら全く問題ないぞ」


「じゃあ、早速行きましょ」


 そう言ってアーミンと二人で連れ立って家具屋に向かう。俺個人としては青龍に車出してもらって、車で向かいたかったのだが、アーミンが街を歩くのを楽しみにしているのでご破産となった。

 まぁ、一応歩いていける距離ではあるし買った家具は家まで届けて貰えばいいいから問題ないだろう。大量に買う予定だからそのぐらいの融通は利かせてくれるはずだ。


「ていうか、今更ながら思ったがこれってデートなのでは? また桜がうるさそうなんだが」


「デート? 新居の家具を買い揃えるんだから、むしろデートというより新婚カップルの買い物ではなくて?」


 歩きながら暇なのでふと世間話をすると、アーミンが爆弾発言をする。


「ぶっ! し、新婚カップルって」


「ま、私は気にしないけど周りはそう見るでしょうね。それが嫌なら他の使い魔たちも連れてくるべきだったわね」


「まぁ、連れてきたら連れてきたで、また別の問題が発生したと思うけどな。言うのもなんだが全員美人だし」


「あら? 私も美人に含めてくれるのかしら。光栄ね」


 からかうような口調でアーミンが笑いかけてくるが──、


「いや、アーミンは美人だろ」


「そ、そう……。面と向かって言われると案外照れるものね」


 俺としては思ったことをそのまま言っただけなのだが、顔を赤くしてうつむくアーミン。

 そんな感じで雑談しながら、街を見物しながら近所の家具屋にたどり着く。

 そこで、色々な買い物をしたのだが、正直買い物の様子を長々語ったところで面白くもないので割愛させていただく。

 なお、家具屋の店員から微笑ましい感じで俺たち二人を見られていたのが印象的だった、とだけは言っておく。

 くそ、やっぱり新婚カップルと思われてるな、これ。

 終わった買い物は全て俺の自宅に送ってもらう手続きをした後、家路に付く。


「全部送ってもらえるのは、2日後か。結構かかるもんなんだな」


「ほんとこういうところは不便な世界よね。転送装置使えば一瞬でしょうに」


「無茶言うな、転送装置なんて未来器具、うちの世界にはないっての」


「わかってるわよ、言ってみただけ」


「おっと、失礼」


 アーミンと話をしてると前方不注意で人とぶつかりそうになってしまう。一言声をかけて道を譲る。そのまま、目の前の人とすれ違う──はずだったのだが、目の前の女性は目をカッと見開きこちらを凝視してくる。

 な、なんだ? 俺何かしたか?


「見つけた……!」


「え?」


「貴方、真宮寺勇人さんですよね!」


「そ、そうだが」


 何か嫌な予感がしたのだが、相手の剣幕に押し切られて思わず返事してしまった。なんだ、俺の顔と名前を知ってるとかどこの誰だ?


「よし! よし! よし! やっと見つけた! こんな所ではなんですので、落ち着いた所で話をしましょう! そうしましょう!」


 そう言って目の前の女性は、俺の腕を引っ張りどこかへ連れ出そうとする。


「ちょ、待てよ。いきなり何をするんだ。 こっちは了承も何もしてねーぞ!」


「そうよ。いきなり誘拐とは穏やかじゃないわね。こちとら私の現在の金づるなんだから勝手に連れて行ってもらっちゃ困るわ」


 おいそこ。金づるとか外聞の悪いことを堂々と言うんじゃない。確かに、今は経済的に俺が世話してる立場だが、言い方ってもんがあるでしょうが。


「お金が必要なんですか!? なら言い値で払いますからこの人を連れて行くことを許可してください」


「そういう問題じゃないだろうが、貴様」


 思わず素を出して怒るアーミン。ていうか、金づるとか言ってたけど一応は怒ってくれるんだな。ちょっと嬉しい。


「あー、ともかく落ち着けお嬢さん。まず貴方は誰でどういう人だ。そっちは俺を知ってるようだが俺はそもそもお嬢さんのことを知らない。まずこういう時は自己紹介から、だろ」


「おっと、興奮のあまり礼を逸してましたね。では、失礼して自己紹介を」


 そう言ってその女性は一歩下がると、優雅な礼と同時に口上を述べる。


「私の名前はレン・クロムウェル。魔導協会においてトパーズの階位を頂いている古代魔法の研究者です」


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