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3.スキル鑑定

「一つ思うんだがな、青龍」


「何でしょうか、勇人様?」


 俺はいつもの特訓が始まる前に、庭で向かい合って青龍に言葉をかける。


「アドミンが言うには、俺のオールラーニングは、スキルをそれと意識してみれば習得できると言う話だ。思うに、俺がお前の剣術を一向に習得できないのは、お前の剣筋が早すぎて俺が見ることができないためだと思うんだ」


「ふむ、道理ではありますね。ですが、それは勇人様が動体視力を鍛えて、私の剣を見切れるようになればいいのではありませんか?」


「無茶ぶりはやめてくれ。動体視力なんてオールラーニングで鍛えれる代物じゃないだろ。青龍の矜恃には反するかもしれないが、俺は手っ取り早く剣術を習得したいんだ。そこを曲げてゆっくり演武お願いできないか?」


 青龍としては、自分の完璧な剣術を伝授したい思いがあるのだろうが、俺としてはスキルのランクが落ちてでも、とっとと剣術を習得したい思いがある。

 陰陽剣をちゃんと使いこなしたいというのもあるし、鳳凰戦のように、魔法が通じにくい相手対策にも剣術を磨いて損はないだろう。

 俺の説得が功を奏したのか、青龍は一つ嘆息すると、木刀を構える。


「はぁ、仕方ありませんね。私としては不本意ですが、ゆっくりと、えぇゆっくりと剣を振るうとしましょうか。ですが、演武とはいきません。実戦形式で参りましょうか」


 言うが早いが、青龍が一足に距離を詰めてくる。

 だが、今までと違ってそれはちゃんと見える。俺の要望通りゆっくりとやってくれているのだろう。

 俺は青龍の剣筋に意識を割きながら、木刀で一撃を受け止める。

 何気にあいつの攻撃受けとめれたの初めてだな。ゆっくりやってくれてるはずなのにかなり重い一撃を食らって、木刀を握る手が少し痺れる。

 しかし、その痺れをとる暇もなく、青龍が続けて連撃を加えてくる。続けて木刀で受けるが、このまま防戦ではどうにもならない。カウンター気味に木刀を跳ね除けると、大きくバックステップする。

 お、重い。木刀とは思えない重さだ。本当にこれで手加減してるのか?

 しかし、距離を取った俺が体制を整える暇もなく、青龍が追撃を開始する。大上段からの振り下ろしを横に避けてかわすと、ようやく俺から反撃を開始する。剣道で言う胴を打ち込むが、そこは素早く体制を整えた青龍の木刀によって防がれる。

 ま、こいつに有効打を与えれるとは思ってないけどさ。それでも、男としては一矢報いたいところだ。


 そんな感じで青龍と打ち合っていると、段々と自分の動きが鮮明になっていくのを感じる。次にどう動けばいいのか、頭でなく体で理解できるような感じだ。特訓の後半になると、俺が青龍を押し込んでいる場面もあったほどだ。


「ふむ。確かに動きが格段に良くなっておりますね」


 青龍は相変わらず涼しい顔で木刀を受け止め、稽古を続けるが俺の一撃を思いっきり跳ね飛ばすと、木刀を正眼の構えで構える。


「では、最後に本気で行きます。受け止めれますか」


 言うが早いが、青龍が一気に距離を詰める。

 早い! だが、早いと言うことが理解できる! 以前は早さを実感する間も無く殴打されたことを考えると目を見張るほどの成長ぶりだ。

 俺は無我夢中で、青龍の木刀の軌跡上に木刀を滑り込ませると、青龍の攻撃をガードする。

 が、威力だけは殺し切れなかったのか、俺は木刀を取りこぼし、青龍の続け様の攻撃でダウンする。


「おや、反応できましたか。目覚ましい成長ぶりです。なるほど、これがオールラーニングの力ということですか」


「そうだな。今回は青龍の攻撃になんとか反応できた。剣術のうちに動体視力とか反射神経とかそう言う肉体的な素養も付随してたってことなんだろうな」


「こう言うことならば、もう少し早く気付きたかったですね。であれば、色々と教えて差し上げることが出来ましたのに」


「本当にな」


 俺はゆっくりと立ち上がり、土を払うと木刀を回収する。あー、メジャーヒーリングかけとくか、あいつ本気でぶち込んだから結構痛いんだよな。


「では、段階的に剣術の冴えを上げていきましょうか。これを繰り返せば、勇人様ならば私と同じ領域に到達することは容易なはずです。ところで、槍の方に興味はありませんか? 私としてはそちらの方が得意なのですが……」


「興味がなくはないが、今持ってる武器が日本刀だからな。流石にそれを使わずに槍に浮気したら、陰陽剣が拗ねる。ただでさえ、今も満足に使えてないからな」


「まぁ、そうなりますよね。では、休憩ののち再び訓練を開始いたしましょうか。できれば、今日中に私と同じ領域に至って欲しいところですが」


「今日中は無理じゃねーかな……」


 そう言いながら、俺はじっと自分の手のひらを見る。そういえば、俺自身にスキル鑑定したらどうなるんだろうか。俺が今どれくらいのスキルを身に付けてるかはちょっと気になる。


「『スキル鑑定』」


 自分の手のひらを見て、そう呟く。すると脳内にメッセージが浮かんでくる。



名前:真宮寺勇人


《汎用スキル》

剣術 Lv5

古代魔法 Lv10

汎用魔法 Lv6

└召喚魔術 Lv10

無詠唱


《固有スキル》

オールラーニング

アイテムボックス

ポータル

ネットショッピング

スキル鑑定



「あれで、レベル5なのかよ……」


 剣術スキルが生えたのは嬉しいことだが、俺的にはあれで結構動けるようになったし、青龍の本気にも反応できるようになったからもっと高いかと思ったのだが。

 第十位階までおさめてる古代魔法の習得レベルがLv10ということを考えると、剣術もMAXはLv10なのだろう。見ることはできないが青龍は剣術はLv10な可能性が高い。

 他ツッコミどころといえば、汎用魔法のレベルが中途半端なのと無詠唱にレベルがないところか。固有スキルは今までもらったやつが並んでるだけなのでノーコメントだ。ただ思うのが世界端末とかいうスキルがなかったことだ。まぁ、あれはスキルというより俺に備わっている性質と言ってもいいのでスキルではないのかもしれないが。


「たっだいまー。帰ったよご主人ー」


 俺が自分のスキルについて考えていると、玄関の方から白虎の声が響いてきた。

 おっと、白虎が玄武を連れて帰ってきたか。さて、玄武はどんな奴なのやら。


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