〜二章 ライカVSイリス〜
ライカVSイリス
ライカとイリスの模擬戦が始まった。
先に仕掛けたのはライカ。持ち前の脚力で一気に間合いを詰める
魔術士の弱点、それは詠唱までの時間だ。
本来魔術士はパーティを組み後衛でのサポート的な役割が強い
時間がかかる分、高火力で敵を殲滅するのがセオリーだ。
ライカもそれがわかっているため間合いを詰め魔法を発動させないつもりだ。
「はあっ!」
イリスに向けて剣を振り下ろす。訓練用といえど当たれば怪我は免れないライカの攻撃が当たる瞬間イリスはその場から消えた
「光魔法ラスターエフェクトか。いつの間に詠唱を?いや詠唱破棄か?」
冷静に分析するライカだがイリスを完全に見失ってしまった。
《ラスターエフェクト》
光属性の中級魔法。
自分の姿を消して魔力探知を遮断する魔法。
ただし声や音は漏れるので多少の注意が必要。
ライカは姿を消したイリスを探す為に集中する。いくら姿を消しても攻撃時には魔法の周辺にイリスがいると言う事になる
その瞬間を狙い範囲攻撃を仕掛ける。現状でライカの取れる手はこれくらいだ
「さてイリス、初撃を回避出来たのは誉めてあげるけどラスターエフェクトは効果時間が短い。効力が切れる前に攻めないと不利になるのはそっちだよ?」
ライカはわざと挑発的にイリスを煽るがイリスは反応しない。
口を開けば居場所がばれる可能性がある。もちろん詠唱などはもっての他のはずだ。ライカも流石に魔法を発動させるためにラスターエフェクト中に距離をとり詠唱をすると考えていたがイリスの次の手は思いもよらないものだった
「我が意志に従い···」
詠唱。集中していたライカはその声を聞き逃さず声の聞こえた方向に詰め寄り剣で凪ぎ払おうとした。
だが次の瞬間ライカは左肩に衝撃を受け吹き飛ばされる
「!?これは風魔法···」
驚きながらもライカは体制を立て直す。この間もイリスの詠唱は聞こえるが場所が一節一節違うところから聞こえてくる
「白き光の槍よ···」
「紅き紅蓮の炎よ···」
「集え···」
「焼き尽くせ··」
ライカはこの時点で完全にイリスの策に嵌まったことを自覚した
《二重詠唱魔法》デュアルスペルマジックと言われる2つの魔法を同時に詠唱する高等魔法だ。詠唱している魔法は炎と光のようだが問題はそこではない。
イリスは《ラスターエフェクト》をかけつつ《二重詠唱魔法》を詠唱し、更に風魔法を無詠唱で牽制してくる。更には《反響魔法》で詠唱がいたる場所から聞こえる為完全に居所を特定出来ない
「一度に5種類の魔法だって!?いったいどうゆう頭してるんだか··天才め!」
ライカは悪態をつきながら周りに気を配るが既に対抗する手段が少なく手詰まりだ
「その輝きをもって····」
「我が前に立ちはだかる···」
「撃ち貫け···」
「敵を打て···」
詠唱が終わり魔法が具現化する。それと同時にラスターエフェクトの効果も消えイリスの姿が確認出来た
「見つけた!」
すぐに駆け出し間合いを詰めるライカだが既に遅い
「ラスタージャベリン!」
「フレア・バースト!」
無数の光の槍がライカを中心に範囲的に包囲し降り注ぐ
接近できないようにイリスの直線上には炎の熱線が走る
「私の勝ちだよ!ライカ」
イリスは完全にライカの退路を絶っていた直撃は確実。今のライカでは確実に命中するだろう。
「くそ!霊そ······」
ドオォォォォォォォォォォォン
直撃の爆発がライカを中心に巻き起こる