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思いつきの短編

理解できないもの Part3

作者: 空音

途中まで Part1 と同じです。

オチがちょっと違います。

 空から巨大な丸い物体が落ちてきた。

「なんだなんだ?」

 人々は遠巻きにその物体を眺めている。

 しかししばらくたっても何も起きない。

 ふとしたタイミングで勇気ある少年が近づくと物体に穴が開き入り口のようなものができた。


 みんなが止めるのも聞かずに少年は中へ入っていった。

 周りの人は入っていった少年を固唾をのんで見守っていた。

 時間が経過してく。

「あの少年は大丈夫なのだろうか?」

「そんなの知るかよ、あんなもの見たこと無いんだから」

「お前も行けよ」

「お前が行けよ」

「こんな時に政府は何やってるんだ」

「そうだそうだ!」

 人々は自分が行くのが嫌でお互いに押し付け合っていた。


 しばらくして少年が出てきた。

 少年はとても満足そうな顔をしていた。


「いったいあの顔つきはなんなのだろうか?」

「どうしたのだろう?」

「しかし無事に出てきたな」

「本当に無事なのか?」

「おいこっちに戻ってくるぞ」

「大丈夫なのか?」

「おい、お前話しかけろよ」

「お前が言い出しっぺだろ、そっちがいけよ」


 周りの人に後ろから押し出されてA氏は少年の前に立った。


「どうだった?」

「とても良かったです。ご飯も出てきたし、遊園地みたいで。なんか夢が叶ったようでした」

「何もされたりしなかったのか?」

「何も?おじさんも入ってみたらいいと思うよ」


 A氏は恐る恐る物体に近づいてく。

 すると目の前に大きな穴が開いて中に入る入り口ができた。

 後ろを振り返ると周りの人が固唾をのんで見守っている。

 A氏は「えいっ!」っと勇気を振り絞って中に入っていった。


 外では周りの人が固唾をのんでA氏の帰りを待っていた。

 A氏が戻るとまた一人、前に押し出されたB氏が「どうでした?」と聞いてきた。


「最高だった。そして特に危険なことも無かった」

「本当か、それはすごいな。よし俺も行ってみよう」


 しばらくするとB氏もまた満足そうな表情で返ってきた。


「これはすごいな」


 次は俺だ、と言ってD氏が中へ入っていく。

 しかし戻ってくるとD氏の顔は曇っていた。


「いったいこれのどこがいいのかわからん。感覚おかしいんじゃないか」


 ブツブツ言いながら去って行った。


「いったいこれはどういうことなのだろうか?」


 次にE氏が入ると「やっぱり素晴らしいじゃないか」と言って出てくる。

 次々と人が入っていったが人によって評価はバラバラだった。


 宇宙では物体を送った宇宙人がその様子を見ていた。

「いやはや、どれだけ万能なものを作っても全員が喜ぶものはなかなかできないものですな」

「まったく、地球に十人十色、百人百様、千差万別といった言葉があるらしい」

「しかしまぁ、多数決で決めた娯楽だったが、やはり万人を喜ばせるのは無理だったようだな」

「あの物体はどうする?」

「さぁ、ほおっておけばみんな飽きて朽ちてゆくさ、もう十分だろ行こう」

「そうだな、月日変われば気も変わるとはよく言ったものだ」


 宇宙人の言った通り、年月が経つうちに人々は飽きてその物体の事を忘れていった。

 相手を理解するという事はどれだけ文明が進んでも難しいものだ。

始めに考えていたのはこんなオチだったような。

でもPart1が一番しっくりくるかもしれません。

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