死
「なるほど」
この女の子も残念だ。そうだな……
「私は君に一つ、いいことを教えてやろう」
「えっと、なんですか」
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死は生の対極である。
果たして、本当にそうだろうか。いずれも自殺をしてしまった二人は、暗い何かに殺されたと、言い方を変える事ができるのかもしれない。まぁ、最初の男の子に関して言えば少し違うが。
別に人生がとうのこうのとか言うつもりはない。しかし、一つだけ私から忠告がある。
死は、生との対極ではない。生がコインの表で死がコインの裏。
それは違う。答えは、生の中に死が含まれており、死の中に生が含まれているのだ。
何かに悩み困っているなら、その問題に対して、悩み過ぎない事をお勧めする。死を少しでも意識すればほら、貴方の後ろにも『し』が笑っているぞ。
▲▲▲
「忠告とは何ですか?」
おっと……私とした事が。勝手に想像してしまった。しかし、これは生きている人に対する忠告だったな。
「いや……そうだな君も暗闇になれ」
「え?」
女の子はきょとんとしている。何を言っているんだと顔で言っている。
「私のようにな」