僕
あぁ…そうでした。あの時僕はあの場所であのように死んでしまったのです。
わかりました。僕はあなたにお話しをします。短く簡潔に。
僕のただつまらなく短い回想です。
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寓話の『蟻とキリギリス』というお話しがありますよね。あれは不完全な世の中であれば正しい事を言っているんですよ。先人の教えを簡単な物語にする。そのお話しは素晴らしいと僕も思うのです。
簡単に四字熟語で『因果応報』『悪因悪化』『自業自得』そして『自縄自縛』と表す事ができます。
しかしもう一度言います。あれは不完全な世の中においてのお話しです。
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僕には双子の妹が一人いました。どんな妹かというと、ザックリ言ってしまえば、僕と対極的な人です。
努力家な僕に怠け者の妹。天才な妹に能無しで愚鈍な僕。
僕は当然劣等感を感じていました。天才で何でもできる妹に嫉妬していました。しかし、僕は密かに楽しみにしている事がありました。
高校受験。
僕は高校受験が凄く楽しみでした。僕は毎日勉強していたからです。それに対し、妹は勉強を全くしていないからです。
しかし、その楽しみは絶望に変わります。なんと、毎日勉強していた僕が落ちてしまい、毎日遊んでいた妹が合格してしまいました。
この世の中はあまりに不公平です。そしてその後なんやかんやで
高二の冬、僕は自殺しました。
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ね、簡潔でしょ。僕は簡潔に話すのが好きです。しかし、すこし、はしょり過ぎましたね。まぁ、僕は完全なこの世の中を憎んで死んだと言うことです。
おしまいです。
あ、一つある事を忘れていました。僕が自殺をしようとした時、確かに自殺をしたんですが、自殺する寸前に何かよくわからない暗い何かに触られました。一体あれはなんだったのでしよう……