EXP.105 チームプレイ
上腕を切られ両腕が使用不能な状態で突っ込んで来る人狼の牙を避け首筋を斬る。
七体目の人狼を無力化し前方を見ると三、四体出て来ている。
押され始めて戦線が下がってる……。
内心の焦りをどうにか振り払おうと頭を振っていると隣から声を掛けられる。
「すいませんユウキさん。お待たせしました」
「援護するぞ」
林が大盾を手に突進し怯んだ隙に背後の僕が目または首を、カレンが足首を。僕と林が囲まれそうになればカレンの遠距離から牽制が入り人狼達も攻めあぐねている。
林とカレンが戦線に復帰してくれたおかげで人狼達は後退し通路まで押し戻すことが出来た。
「よし、カレンっ」
「はいよ、光矢+起爆_『蒼星矢』と増幅」
林が盾を構え僕の前に入る、カレンはそれを確認すると弓を引き絞る。一本の矢が通路に放たれ炎の渦が人狼達を焼き断末魔と共に火の粉を上げる。
通路内を焼き払い、直ぐさま駆ける僕ら。
敵がいるかもしれないので林が先行しその後を僕とカレンが走っている。不意に瞳に映った笑顔のカレンに声を掛ける。
「楽しそうだね」
「ん、まあ。ドキドキハラハラで絶叫アトラクションみたいで楽しいな」
「それは良かった」
確かに……これまでの冒険や出会い、それはまるで何かの物語の様でまるで現実の様に。
「あと、私レベル上がった気がする」
_カレンの一言が僕の妄想を全てぶち壊す。
「良かったね……」
「どうした、ユウキ? そんな悲しそうな顔をして」
僕は何とも言えない気持ちを飲み込み大きく溜息を吐いた。
…
閃光玉なるアイテムを駆使して逃走を繰り返す事数十分……。
何とか人狼の群れを撒き一本の通路を進む、すると抜けた先にまたフロアが広がっていた。
「また、此処かよ……」
「いえ、少し違うようです」
そんな林の台詞を耳にし辺りを見回す。だが、先程のフロアより微妙に天井が低く感じる。通路も見当たる範囲でも幾つかある様だ。
「なあ、逃げ切ったのは良いんだが……帰れるのか?」
「今マップを見ますね……あれ?」
林がメニューからマップを操作し目を見開く。
「どうしたの林?」
僕の問いに笑顔で林は答える。
「ここが目的地です」
それは嬉しい誤算だった。
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