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Episode 3-2

 ふたりと別れたミシェルは、自室で物思いにふけっていた。

「私……何かしちゃったのかな……」

 ぽつりと呟く。その声音には弱々しさが滲んでいた。

 なぜ彼があんな風に言い出したのか、どことなく冷酷さを感じたのはどうしてなのか……いくら考えてもわからなかった。

 ベッドに腰掛けながらミシェルは俯いた。癖のない長い髪が頬に落ち、彼女の顔を隠す。俯いたまま微動だにしない。

 その様子を心配そうに見つめている物がいた。鏡の前に起立していたブラシだ。体を左右に揺すり、うろたえているようにも見える。

 ミシェルはしばし動かずにいたが、やがて頭を振りだした。髪がバサバサと音をたてて乱れる。

「あ……ごめんなさい」

 バツが悪そうにミシェルが呟いた。

 突然の行動にブラシは驚いたのだろう。先ほどいた場所よりも後に下がったところで、今度は硬直している。

「悩みすぎて、悪い方へ悪い方へ考えちゃったのよ」

 言いながらミシェルは立ち上がった。ブラシを手に取り、乱れた髪を丁寧に梳いていく。

「一度思っちゃうと、逆の考えって出てこないのね」

 当然ながら返事はない。いくらひとりでに動くとはいえ、ブラシや他の道具たちは話すことができないから。それでも自身の考えを纏める意味合いもあり、ミシェルは喋り続けた。

「消極的な考えばかりじゃ駄目ね。間違ってたら反省して、やり直せばいいんだし」

 話せないとはいうものの、できるだけ答えようとしてくれているのだろう。ブラシは僅かに身を震わせた。それを感じて彼女は強張っていた表情をほぐす。

 絡みついていた髪は綺麗にほどけた。

 ミシェルはブラシを置くとベッドに腰を下ろした。

 これからどうするのか行動を決めるためにふたたび考える。

 アドルファスは「各自調査」と言ったのだが、解散前に「ミシェルは無理しないで調べるなら室内ね」と言われてしまったので外には出られない。もっとも、出ようと思っても雪壁が屋敷を囲っているので不可能なのだが。

 次に屋敷内を調べようとしたところ、クリストフに「部屋で休んでいてください」と言われてしまったのだ。先ほどの件があり、何となくクリストフとそれ以上話をする気分にもなれずに自室へと足を向けた。

 だからといって大人しく過ごすのも性に合わない。

 さて、どうするか。

「……そうだ」

 あれこれと考えて、ミシェルはひとつ思いついた。クリストフとの約束を思い出したのだ。



 屋敷から一歩も出ていないらしいクリストフは、ミシェルがここで暮らすようになってから一度だけ外へ出かけていった。

 クリストフいわくお祭だそうなのだ。

 彼が出かけた後、どこへ出かけたのか気になっていたミシェルを、アドルファスがその会場らしき場所へと連れていった。移動の間は目隠しをすることになり、そこがどこなのか、ミシェルにはわからなかったのだが。

 そこに、何人か――いわゆる異形のモノと呼ばれるモノたちが集まっていた。クリストフをはじめ、みな人の姿をしていたが、神々しさがあったり逆に不気味な気配を感じたり――とにかく人間ではないと悟った。

 一体何が始まるのか。期待と少しの不安を感じながら事の次第を見守っていると、どうやら一対一で決闘をしているようだった。

 ミシェルは毎年秋に村で行っている大会に似ていると思った。力自慢の村人たちが、大きなかぼちゃや樽を放り投げて力自慢を競う祭りだ。決闘の方法は村の祭りと違っているが、意味合いは同じだろう。

 しかし、クリストフの参加したあの催しが実際のところ何だったのか、ミシェルは今もよくわかっていない。だが、クリストフにとって満足のいく結果が出たのだろうと、屋敷へ戻ってからの彼の態度から推測できた。楽しく参加したのなら自分が詳しく知る必要もないだろうと、ミシェルはそれ以上訊ねることはなかった。



 その後の話の流れから、主人であるミシェルからご褒美を――となり、クリストフは彼女の手料理を所望した。その約束はまだ果たしていない。

 自身の気分転換にもなるし、少々ぎくしゃくとした関係も治まるかもしれない。

 ミシェルは良いアイディアを思いついたと顔を綻ばせた。

 そうと決まればあとの行動は早い。

 何を作ろうかとあれやこれと考えながら、ミシェルは部屋を出た。

 まず向かうのは図書室だ。屋敷の図書室には絵本から専門書まで様々な本が揃っている。そこに、料理本もあったのだ。

 実家で母親を手伝うことはあったのだが、ひとりで最初から最後まで作る自信がミシェルにはなかった。だからまずは記憶を辿ることにしたのだ。

 レシピを確認すればその不安が少しは解消されるだろう。

 図書室に近づくと、扉は小さな音をたてて開いた。もう慣れてしまっているので、ミシェルは特に驚く様子もなく、部屋へと入っていく。

「この辺……だったと思うんだけど」

 ミシェルは眉間に皺をよせた。

 本棚に並ぶ背表紙を順に目で追い、とある棚の前で立ち止まる。そこには食に関する本が整列していた。

 指でなぞるようにしながら背表紙の文字を読み、やがて日に焼けた紙の束を発見した。興味が湧いたミシェルは破れぬようにそっと手に取り、何が書かれているのか確認する。

 少しボロボロな紙に文字が踊っていた。癖のある文字を読み進めていたミシェルの瞳に光が宿った。

 書きなぐったようなそれは、たしかにレシピだった。

 貴族向けの料理を記載したものではなく、旅をしていた誰かが立ち寄った村で味わった食事の詳細を聞いて記録に残した……そんな印象を受けた。

 クリストフの筆跡とは違う。前の主人が誰からか譲り受けたのかもしれない、とミシェルは思う。

 丁寧にページを捲っていた指が止まる。

 指と目でレシピを追い、これがいいかなと思いつつも他にも目を通す。だが、これといって良い物はなく、最初に心惹かれたレシピに戻った。

 目に留まったのは〝プディング〟の作り方だった。

 余ったパン屑と干した果物や木の実、そしてスパイスなどで味付け。そのとき台所にある有り合わせの材料を混ぜて蒸せば、簡単に作れる。

 母親が作ってくれたプディングは素朴な味だけれども、優しさが詰まっていた。

 懐かしく思いながら、ミシェルはしばし目を閉じた。

 クリストフの親切で家族と文通めいたことはしているが、会いたい気持ちは消えない。

 いつかまた、家へ帰ることはできるのだろうか――。

 ミシェルはそっと目を開けると、手にしているレシピの束から紙を一枚抜いた。

 纏めてあるものをバラバラにしてしまうのは少々憚れたのだが、必要なレシピ以外を破ってしまうことになっては大変だ。

 残りの束を元に戻して図書室を後にする。

 信じていれば願いは必ず叶う。その可能性の芽を無駄にしてしまうわけにはいかない。

 思い付きがその一歩に繋がればいいなと淡い期待を抱きながら、ミシェルは歩みを進める。

「おやミシェル」

 一階へと降りたところでクリストフに声をかけられた。

「どうしました? なんだか楽しそうですが」

 普段と変わらぬクリストフの態度にほっとしつつ、ミシェルは同じように笑顔をみせた。

「うん……そうね。楽しいことかな」

 クリストフへと近づき小首を傾げるようにして訊ねる。

「ねぇ、キッチンって私が使っても大丈夫かしら?」

 大丈夫かと聞いたのは、一応この屋敷の主である自分が使用して「仕事を取られてしまった」と、魔法のかかった食器具が勘違いをしないか、機嫌を損ねないか……と思ったからだ。

「えぇ。キッチンの食器具たちは使われることに意義を持っていますから、主人自らと知ったらとても喜ぶでしょう。前主人も紅茶は淹れていましたし」

 クリストフはその意を汲み取ってくれたようだ。

「どの部屋もお好きなように使ってかまいませんが……お腹が空いたのでしたら、何かご用意しましょうか?」

「ううん。そうじゃないの」

 ミシェルは慌てて首を振る。

「このあいだ、手料理を食べさせるって約束したでしょう? 外には出られないし、丁度いい機会かなって思ったの」

「手料理……ですか……?」

 クリストフのまん丸い黒目が不思議そうにミシェルを見つめる。

「えぇ。約束したでしょう? お祭りのご褒美は私の手料理がいいって」

 言いながらミシェルは頬を少しだけ赤くする。彼がそう望んだとはいえ、自分で言って恥ずかしい気分になってしまったのだった。

 しばし不思議そうな顔をしていたクリストフは、やがて「あぁ」と呟いて目元を和ませた。

「約束しましたね。作ってくださるのですか?」

 さらに笑顔を見せるクリストフにどぎまぎとして、ミシェルは照れくさそうに視線を逸らす。赤く染まった頬を人差し指でぽりぽりと掻く。

 視線は逸らしたまま言葉を続けた。

「えぇもちろん。――最近ご無沙汰していたから、自信はないんだけどね。おいしくないかもしれないけど」

「いいえ嬉しいです」

 嬉しそうな声音に視線を戻すと、くりくりとしたつぶらな瞳がこちらを見つめていた。

 なんとなく心の奥底に固まっていた蟠りは、それで綺麗に消え去った。

「材料って好きに使ってもいい?」

「問題ありません。……何を作ってくださるのですか?」

 首を傾げるような可愛らしい身振りで訊ねてくるクリストフにミシェルは軽く吹き出して、同じような仕草で返す。

「ん……まだ、ヒミツ。材料を見て変更するかもしれないし」

 半分は嘘で半分は本当だ。直前まで内緒にしておきたい気持ちもあるし、中身の具材をどうするかはまだ考えていない。初めてキッチンに立つので、どんな材料があるのかわからないのだ。

「楽しみにしています」

 心底嬉しそうに微笑んで仕事に戻るクリストフを見送って、ミシェルは誰にも気づかれぬよう小さく唸った。

 彼はいつもと変わらない様子だった。

 ならば先ほどの重い空気は一体何だったのか。聞いてみたいがせっかくいつもの雰囲気に戻ったのだ。話を蒸し返してギスギスするのは避けたい。

 あとでそれとなくアドルファスの助言を受けようと思い、ミシェルはキッチンへと足を向ける――が、すぐにその歩みを止めた。

 ミシェルたちは階段を降りたエントランスで立ち話をしていた。屋敷の中央に据えられたここは、玄関や他の部屋と繋がっているホールなので、移動する際には必ず通る。アドルファスはおろか魔法のかかった家具も見かけていない。

 だというのに。

「……なに?」

 思わず呟いた。視界の端に何か映ったのだ。

 階段に身を隠すようにして何かがそこにいる。こっそりとこちらの様子を伺っているように見えた。

 屋敷を覆う雪のためか屋敷の中は暗い。明かりは灯っているのだが、影ができてしまうので視界が良いとは言えない。

 小さい何かが影と同化しているので、近づかなければ正体がわからない。ミシェルは驚かせないようにそれに近づいた。

 そこにいたのは箒だった。支えもなしに真っ直ぐに立つ姿は、スカートを履いた細身の女性を思わせた。

「何か用かな?」

 問うと、箒は頷くように柄を動かした。それからくるりと身を翻し、少し進んだかと思うと立ち止まり、またミシェルに向かって頷いた。

 ついてこい、と主張しているらしい。

 ミシェルが一歩二歩と踏み出すと、箒は少し進み、また止まって振り返るような動作を繰り返した。

「わかった。ついて行くわ」

 一緒に行くと意思表示をすると、箒はくるっと一回転して小走りに階段裏へと行ってしまった。

「あっ、待って!」

 慌てて後を追っていたミシェルの足がぴたりと止まる。

 エントランスホールの中央にある主階段。その奥には地下へと続く階段がある。

 恐る恐るその階段へと近づき下の様子をうかがうと、下で箒がミシェルのことを見上げるように立っていた。明かり取り用の窓があるのか、それとも魔法がかかっているのか。地下は思いのほか明るかった。

 箒はミシェルの到着を待っている。

『地下室には、女性には厳しい物がありますよ』

 唐突にクリストフの言葉が脳裏に浮かんだ。屋敷へ来たばかりの頃、地下には何があるのか訊ねたときにそう言われたのだ。前主人の研究室があるのだそうだが、干からびたヤモリや得体の知れない物には、正直お目にかかりたくない。

 ないのだが――。

 ミシェルは顔を僅かに歪め、髪が乱れるのも構わずに頭を掻いた。

 箒との約束を破るのはよくない。

 口元を硬く引き締めたミシェルは、一度深呼吸すると地下への階段を降りていった。

 ミシェルが慎重に降りていくと、箒はひとりでに開いた扉の奥へと消えてしまった。驚きの声をあげる間もなく、扉は静かに閉まった。

「ど、どうすればいいの?」

 呟きに答える者はいない。

 おどろおどろしい雰囲気の扉の前でミシェルは右往左往する。地下はしんと静まり返っていて、悪意らしいものは感じられなかった。箒の他にひとりで動く道具や家具が存在しているのかわからない。

 ――ちょっと怖いけど、現主人である自分に何か悪さをするはずがない。

 心に少し余裕を持ったミシェルは辺りを見回した。

 扉は目の前のひとつしかなく廊下も狭い。大人が四人ほど横に並べば一杯になってしまう。

 ミシェルは以前父親に連れられて訪問した屋敷のことを思い出した。

 そのとき主人の好意で屋敷内を案内してもらったのだが、この屋敷とは構造が大きく違っていた。一般的には地下に使用人たちの部屋が設けられているのだ。

 ちなみにクリストフは屋根裏に自身の部屋を持っていて、アドルファスは前主人の友人なので客間を使用している。

 使用人は執事のクリストフしかいないので、ここはこれで良いのかもしれない。

 そんなことを考えていると、目の前の扉が少しだけ開いた。ミシェルに入れと促しているようだ。

「……」

 一歩近づいてみたがミシェルは気が進まない。どうしても足が止まってしまう。

 そうこうしていると、扉はさらに開いた。外から中の様子はまったくわからない。

 ――行くしか、ない。

 ミシェルは扉にそっと手をかけ部屋の中へ入った。

 中は真っ暗だ。視界が悪く困っていると、備えられていたランプのひとつに火が灯った。それを合図に次々と火が灯る。

 ミシェルの視界が一瞬白く染まった。

 突然明るくなり、咄嗟に目を瞑ってやり過ごす。しばらくしてからミシェルは薄目を開けた。二、三度瞬きを繰り返してから視線を巡らせる。

「……っ」

 壁にかけられた干したヤモリを見つけて、ミシェルは喉をひきつらせた。早鐘を打つ心臓をなだめて少しだけ後にさがる。

 大声をあげなくて良かった、と心の底から思う。

 異変に気づき、クリストフかアドルファスがここへやってくるだろう。怖いから入りたくないと言っていた部屋で大声をあげた自分に、何をしているのかと訊ねるはずだ。咎めるわけではなく単純な疑問として。それはいささか恥ずかしい。

 ミシェルは息を殺し、極力音を立てないように細心の注意を払いながら部屋を観察することにした。

 長い時間使用していないようなのだが、思っていた以上に綺麗だ。きちんと整頓されているし、埃ひとつ見当たらない。おそらくクリストフか、箒たち掃除器具が定期的に掃除しているのだろう。

 じっくり部屋を見回していると、見慣れない食器のような物や壁に貼られた古い地図のようなものが目についた。

「なんだろう?」

 近づき、ミシェルはそれに手を伸ばしかけて、止めた。

 うっかり壊してしまったら大変だ。前主人の部屋ならば、ここには数え切れないほどの思い出が詰まっている。

 身体がぶつからない程度に離れて、ミシェルは部屋の中の物を観察することにした。

 細長い首部とぷっくりと膨らんだ胴部を持つこの容器は、ガラス製だろうか?

 ミシェルは見慣れないそれらを凝視した。

 研究室だということだが、具体的には何をしていたのだろう。

 図書室には研究内容がわかるような本はなかった。絵本から料理の本まで実に色々な書物が並んでいて、そこから相手の人となりを掴むことはできなかった。

 しかし様々なことに興味を持つ性格の人なのだろうと考えていた。ならばすべてのことが研究内容、研究材料なのかもしれない。第三者が気づかないだけで、どこかに共通点があるのかもしれない。

 前主人のユリウスという男性はどのような人だったのだろうか。

 興味を覚えたミシェルは、部屋の中をじっくり観察してみることにした。すでに亡くなった彼と話をするのは無理だ。だからせめてこの部屋から得られることはないかと考えたのだった。

 新しい発見に期待し、心を躍らせていたミシェルは、ぴたりと動きを止めた。

 何かの気配を感じたと同時に、部屋中の温度が下がった気がした。誰からか向けられている視線のようなものも感じた。

 クリストフやアドルファスではないだろう。彼らはこんなことをしない。もっとも、悪戯のつもりならありえるかもしれないが。

 ミシェルは喉を鳴らした。

 意を決して後ろを振り返る――が、誰もいない。

 やっぱり、気のせいだったのかな? 気配は魔法のかかった家具たちだったのかな?

 首をかしげてミシェルは不思議そうな顔をした。

「……誰かいるの?」

 念のためと思い声をかけてみるが返事はない。

 きっとそうなのだろうと結論づけて、ミシェルは部屋の探索を再開する。正直見たくない物も並んでいたのだが、未知の世界への興味が勝ったのだった。

 そうこうしていると、突然大きな音が響いた。

「な、なに?!」

 慌てて音のした方を振り返ると、扉が閉まっていた。

 この部屋の唯一の出入り口だ。少々怖くて開けたままにしておいたのだが、今はぴたりと閉ざされている。

「誰かいるの?」

 震えそうになる声をどうにか抑えて気丈に訊ねる。『わたしです』もしくは『俺だよ』と。慣れ親しんだ声が聞こえてくると信じて。

 だが、一向に返事はなかった。

「悪戯なら、やめてよ」

 姿の見えない者へもう一度声をかける。

 ――ふっ、と頭上から笑い声のようなものが聞こえた。

「……?」

 嫌な予感しかしない。

 本当は気づかないふりをして早々に部屋から出たかったが、そうもいかないだろう。僅かに身体を震わせながら、目線を上へと向ける。

「はじめましてお嬢さん」

 かけられた言葉には優しさが滲んでいた。悪意は一切感じられない声だ。しかしミシェルは声にならない悲鳴をあげた。

 最初に目についたのは男の足先だった。

 男が宙に浮いている。

 半透明の男がこちらを見下ろして、にっこりと笑っていた。

※補足※

〝お祭り〟は自サイトの2012エイプリルフール企画のことです。

よろしければそちらもどうぞ~

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