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第1話 龍ヶ峰出会う

その妙ちくりんな生き物と出会ったのは1週間前、駅のホームでのことだった。

人の身体の倍ほどの体躯の四足歩行の獣とその口に咥えられた物。

ぐるぐるとふりまわされたボロ雑巾のようなぬいぐるみが唾液まみれで老人の顔に飛んできた。


龍ヶ峰「もごもごもごも?(大丈夫け?)」


?「もごもご……(助けてメル……)」


龍ヶ峰「もごごご(ええぞ)」


男は拳を握り、獣の額にげんこつをお見舞いしたが、一瞬よろめいた後反撃に爪を食らった。

咄嗟に杖で受けたがそのまま駅ホームの反対側まで弾丸のようにふっ飛ばされた。


右肩から腕にかけて抉るような傷と鮮血が溢れた。


そして血は発火し、男は火に巻かれた。


さらにみるみるうち傷は治り、血は煤となって消えた。


龍ヶ峰「一撃で沈められんとは……歳はとりたくないのぅ……。」


スプリンクラーが発破する。

それでも男の火は消えることは無い。

それは獣もぬいぐるみも見ていた。


ぬいぐるみ?「(なんで火が!?しかも燃えているのに傷が治っていく?まさかその力は祝福の類メポ?)」


獣「その炎は改造かそれとも能力か?」


巨躯の獣がおもむろに喋る。

老人は一瞬驚いて口を開いた。


龍ヶ峰「改造…といえばそうかもしれんが、まさかあんたもよもや人の言葉を話すとは。」


獣「気になるのだ。教えてくれよ。」


龍ヶ峰「これは祝福や能力なんて生優しいものじゃぁないよ」


龍ヶ峰「これは呪いの類じゃよ」


男は血の煤を払い軽く伸びをして再び獣の方に歩をすすめた。


そして獣の前で止まった。


龍ヶ峰「あんたのお陰で久しく忘れていた血の滾りを思い出したぞ。」


右拳強く握り顔前に構え、

左拳軽く握り腹前に下げる。

背を伸ばし痛む腰を無理やり上げて、

右足前左足後ろのスタンスをとり男は放った。

シワだらけの顔がくしゃりと口角が上がり狂気じみた笑みの浮かべる。


龍ヶ峰「第2ラウンドじゃ…構えい。」








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