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私の人生が終わる日

私は高橋茜

25歳の独身OL。


先日アラサーへ仲間入りし、若干の焦りを感じ始めた。

仕事は事務職で高校卒業後に入社し、今年で6年目となる。事務所は女性職員が数名働いていて私はまだ下っ端だ。後輩も1人しかいないので威厳も何もない。毎日会社行けばこき使われるし通勤だって2時間もかかっている。

SNSでよく見る輝かしい人生とは程遠い。

今日もこれから出勤をしなければならない。


時刻は5時16分。


実家暮らしの為、朝の準備は特にない

急いで2階の自分の部屋からメイクをし、着替えて1階へ降りると母が起きていた。


「おはよう、ママ」


声をかけるとソファに座っていた母が振り向いた。


「おはよう茜、今日は自分で起きれたのね」


私もソファの前へ座り準備を進めた。

母はパートで働いている。我が家には父がいない、私が物心ついたころには既に離婚していたのだ。この家には私と母と兄の3人で暮らしている。家族全員働きに出ているし休みもバラバラでこの空間に家族全員が揃うことはほぼ無い。


「今日残業で遅くなるかも、お兄よりは早いと思うけど」


ここ最近は繁忙期で残業続きだった。それでも出勤時間が早いので母と兄よりは若干早く帰れるのだが今日は金曜日なのでそれも難しいだろう。


「そう、」


これが1日の家族の会話だ。帰ってきてからもほぼ無い。いつもは挨拶だけだから会話をした方だろう。

ふと時間を見ると6時を回っていた。

電車の時間が迫っていたので急いで準備を終わらせた。


「行ってきます」


パンプスを履きながら玄関から母に伝えるが、私の声量ではリビングまで届くことはない。もちろん返事も返ってこない。

扉を閉めて駅まで走る。


何も変わらない地獄のような今日がまた始まるのだ。

何が地獄だと言う人もいるだろう。

だが私にはこの日常がまるで監獄のようで終りのない地獄なのだ。




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