表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/143

第47話 ガーディアン(1)

 開かずの扉が開いた時から、予感はあった。広い地下空間の中央に鎮座する、人型の機械兵『ガーディアン』。それでも、全員がためらうことなく、扉の先へと進んでいった。『ガーディアン』もオレ達の接近に反応し、目に赤い光を点灯させた。


 同時に、開かずの扉が紋様の魔法の力で再び閉ざされた。そして、『ガーディアン』が剣を振り上げつつ、こちらに向かって突進してきた。オレを含めた前衛組は慌てることなく前に出て、それ以外の者達も後ろに下がったり、左右に広がったりして『ガーディアン』を迎え撃った。


 迫る『ガーディアン』の剣を盾で受けたのはオレだった。盾越しに強烈な衝撃が伝わってきて、派手にぶっ飛ばされて仰向けに倒れてしまった。急いで起き上がると、『ガーディアン』に追撃されそうになっていた。


 やられると思って目を閉じそうになったが、他の前衛組の男がそれを阻止せんと、ハンマーで『ガーディアン』の胴体を殴った。しかし、逆に盾で殴り返されてしまった。ハンマーによる攻撃も効いていないように見えた。それでも『ガーディアン』の足は止まった。


 前衛組以外の開拓者達も攻撃を開始した。まずは矢の雨を浴びせた。だが、大半の矢が剣と盾に防がれ、残りの矢も装甲に弾かれた。次に魔法使い達が、炎の弾丸、冷気の矢、風の刃などの魔法を発動し、その全てが『ガーディアン』に直撃した。それらの魔法も効果があった様子はなかった。


「ふむ、なるほど。どうやらあの機械兵には、ドワーフ鉄が使われているようですね。もしそうなら、あの『ガーディアン』とやらは、相当厄介な機械兵ですね。ドワーフ鉄は通常の鉄より強度が高く、魔法攻撃に対する耐性も優れていますからね」


 カネキは自分の部下達と共に状況を静観しつつ、オレの近くでまるで他人事のようにそう口にした。オレはその言葉を耳にして、頭に血が上るのを感じながら、素早く立ち上がってカネキに詰め寄った。カネキの部下達がオレを止めようとしたが、カネキはそれを手で制した。


「お前、ふざけるな。何で何もしていないんだ。あれだけ強くて、それだけ色々と知っているなら、今すぐ一緒に戦えよ。どうしてただ見ているだけなんだ。この部屋に閉じ込められている以上、あの機械兵を倒さないと、全員ここで死ぬんだぞ!」


 オレが怒鳴っている間も、『ガーディアン』との死闘は続いている。時々聞こえてくる叫び声によると、戦況はこちらが不利なようだ。それでもカネキ達は何もしない。面白そうに笑ってすらいた。


 もう我慢の限界だ。オレはカネキ達の説得を諦め、怒りに身を任せて『疾風突き』を何度も発動し、その度に強固な装甲に弾き返された。しかし、徐々に冷静さを取り戻していったオレは、頭の中で何かが引っかかっているのを感じていた。


次回は3月10日に公開予定です。

ツイッターもよろしくお願いします!

https://twitter.com/nakamurayuta26


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ