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日常からの

朝、仕事に向かう途中、


考え事をしながら車を運転していたら

ふと気がつくと いつもの道を大分進み仕事場まであと数分のところまできていた。


(あー、またやっちゃったかぁ)


そう思いながらウィンカーを出し、左に曲がった瞬間ー。


ーグワンッー


視界がゆれた。


ような気がしたが、あわててブレーキを踏み目頭を抑え

辺りを見回したが特に変化はないようだった。


(なんだったんだ?気のせいか…)


駐車場に車を停めて仕事場であるスーパーに出勤する。


「おはよーごさいまーす!」


・・・・・


(ん?おかしい。)


いつもなら誰かいるはずの店内から返事はなく誰一人いないようだった。


(早く来すぎたのか?)

スマホで時間を確認する…


【7:20】


いつも通りの時間だった。


(駐車場に他の車もあったし…

たまたま店内にいないだけかも…)


そう思い、2階の事務所に向かって歩きだした。


ータンタンタンタンーーガチャ


階段を登ってすぐの事務所のドアをあける。


「おはよーございまーす。」

先ほどより声を抑えぎみで挨拶をする。


・・・・・


やはり誰もいないのかと振り返りドアに手をかけようとしたその時ー。


『おはようございます』


頭に不思議な声が響いた。


(ん?誰かいるのか?)


事務所の中をぐるりと見渡し、机の下や乱雑に置いてある段ボールの隙間を覗いたりしてみる。


(誰もいないよなぁ。声が聞こえた気がしたんだけど…)


んー。


ふと何日か分の売り上げが詰まっている金庫の方をみた。


ん?


(なんか光ってる。)


近づいて見てみる。


金庫自体が薄く発光していた。


(なんだこれ?)


みたこともない現象に戸惑いつつも金庫に手をかける。


ガッチャンッーーギィー


普段は鍵がかかっていて開くはずのないトビラが開いた。


(なんでっ!?鍵はっ?)


そう思ったのも束の間、私の目は金庫の中の羽の生えた小さな人形に釘付けだった…


・・・


(な、ナニコレ… 売り上げは? てかコレ昨日落とし物で届いた宝石の着いた人形だ…)


金庫の中には数日分の売り上げは入っておらず、落とし物の人形が入っていただけだった。


その人形を手に取り見つめていると


パチッと人形の目が瞬きをした。


うぉっ!


驚いて咄嗟に人形?を放り出してしまった。


落として壊したら大変!と手を伸ばすが届かず

しまった!と思って目を瞑り、再び開けたときには

人形は宙に浮いていた…


いや。正しくは飛んでいたのだ。


白地に裾の長いゆるやかな長袖のワンピース

キラキラと輝く艶やかな濃い銀色のストレートの髪

澄んだアメジスト色の瞳に少し先の尖った耳

背中から生えている天使のような羽


(綺麗ー…)


全身から出ているキラキラとした金色っぽい淡い光の綺麗さに呆けていると再び頭に声が響いた。


『おはようございます。私は昨日助けていただいた神の御遣いでございます。違う世界からこの世界の様子見にきていたのですが真っ黒な大きな鳥に襲われてしまって。あの時は助けていただいて、ありがとうございました。』


・・・・


『あのっ。』


(はっ!またやっちゃった。)

考え事をすると回りが見えなくなってボーッとしてしまう

私の悪い癖だ。

あたふたしていると、アメジスト色の瞳と目が合う


『ふふっ。混乱させてしまってすみません。』


そう言って微笑む様子は正に天使だった。


(昨日カラスから助けたときは瞳にアメジストが埋め込んであるただの人形だったのに…)


『それで、昨日助けていただいたお礼がしたくて、あなたがこのお店にくるのを待ってました。』


「お礼?というか、ここのお店の人達は?」


『このお店の周辺に結界をはって空間ごと時間を止めておりますので、あなた意外入れないようになってます。』


ご都合主義というやつであろうか…


「ふーん。それで?お礼って何してくれるの?流行りの転生とか?転移?それでチートでもさせてくれるのかな?」


ただ人形をカラスから助けただけなのだからお礼なんていらないので、根っからのオタクの私は冗談でそう聞いてみた。


・・・・


少し考えるようにして小さな天使は口を開く

『わかりました。あなたがそう望むのならば私の主の管理する世界に転移させてあげましょう。本当は私の力で宝石や金など贈る予定でしたが…』


(えっ!まぢで?)


「ちょっ!待って!」


『それでは、この度は本当にありがとうございました。

あちらの世界でも、あなたらしく不自由なく過ごせるように色々プレゼントさせていただきますね。では。』


天使はそう言って瞬く間に私を転移させた。



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