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冬怪談

幽霊


一月前の私は何の変哲もないどこにでもいる女子高生。


そして、今も女子高生には変わりないのだが、変な冠言葉が付いてしまった。


霊能力者女子高生。


はい。最近見えるようになってしまったようです。


死んだ人が。


彼らは見た目の上では生きている人間と全く区別がつかないし、生前の記憶を繰り返しているのだろうか?


幽霊同士で会話をしたり、わざわざバスに乗ったりしている。


たぶん。自分が死んだことを理解していないのだと思う。


そんな霊能力者となった私の小さな楽しみは、かっこいい幽霊を探すこと。


もちろん。普段の私は彼らのことを見えていないふりをしているものだから、なかなか探すのには苦労する。


決して目を合わさぬようにこっそりこっそり盗み見してはニマニマしている。


たぶんはたから見れば気持ち悪いことこの上ないだろうが、幽霊相手に遠慮する必要もないでしょう?


最近ようやく見つけたのは、通学途中のバスの中で20代後半くらいのモデル体型の男性。


いつも同じ時間のバスに乗り合わせるものだから、わざわざ私も同じ時間を見計らって登校する。


さてさて、そろそろ意中の相手が乗ってくるはずだ。


まぁ、死んでるんだけど・・・


「あっ!キタキタキター!やっぱかっこいいなぁー!え・・・?」


目当ての男性は女性の手を引きながらバスへと乗り込んできた。


そっか。奥さんがいるのか。まぁ、あれだけかっこよければしょうがないか・・・


わたしはそう思ってバスをすり抜け宙を漂い、また新たなかっこいい男性を探す。




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― 新着の感想 ―
[一言] 「すり抜け」で、もう分かるとは思いますけど。 「宙を漂い」は蛇足かも知れませんが、分かりやすくはあると思いますよ。 万人ってのは非常に困難でしょうけど。 大人でも理解しない人がいたり、子供…
[一言] タイトルから今回は意外性ってのはちょっと弱く感じましたが、自虐的な、最初にオチが読めなかった人が読み直した場合の、読み直しに味のある部分が良かったです。
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