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8 月姫と狩り

月姫:こんー

☆乙女☆:こん^^

月姫:一人か

☆乙女☆:さっきまでミストさんいたけどね

月姫:そうか

月姫:ちょっと俺少しイン率下がるかも

☆乙女☆:えーミストさんもそんあこといってた

月姫:ああミストはなんか転職するとか言ってたな

☆乙女☆:そうなんだ

月姫:俺は受験w

☆乙女☆:姫勉強するんだw

月姫:いちおw

☆乙女☆:あたしは来年だ

月姫:じゃいち早く厨房おさらばw

☆乙女☆:w


ペアで狩りをする。

白い雪山がそびえる谷間で怪鳥ハーピー十沸きを範囲狩りするのだ。

月姫はばらばらとあちこちに飛び回るハーピーを一か所にまとめるべく、弱いが動きが鈍くなる持続魔法をかける。

五匹ずつまとめあげ、その二組を一組にし、強力な全体魔法を落とす。

 始めたころはタイミングと距離を測ることが難しく、攻撃を受け瀕死になることもあり、☆乙女☆は死なせまいと必死に回復魔法をかけていた。

 今ではかすり傷一つ追うことなくテンポの良い、レベリング的にも美味しい狩りができるようになっている。

☆乙女☆は、宝箱を拾うくらいしか作業がない。


☆乙女☆:うまいねえ

月姫:だろw

☆乙女☆:ミストさんもだけどみんなps高いね

月姫:乙女もなかなかだよw

☆乙女☆:かなあ

月姫:おうw真面目だしさw

☆乙女☆:死なせると気まずいからねw

月姫:この前ギルド入ったプリのアーシェなんか座ってるだけでしかもそのまま風呂行ってきますとか言い出したんだぞw

☆乙女☆:www

月姫:ムカついて城に戻してpt解除しといた

☆乙女☆:お疲れさまww


 オンラインゲームは、不特定多数の人といきなり話をしたり、仲間になったり協力したりする不思議な世界だ。顔が見えない相手なのに、言葉と行動で好き嫌いがはっきり分かれる。

 ☆乙女☆は社交的ではないが、誘われたら一緒に遊ぶし、ギルドメンバー以外で行われる寄せ集めのメンバーによる野良パーティーと呼ばれるものに参加することもある。

 職業的にヒーラーはパーティにとって必要不可欠なので、誘われることが多いし頼りにされる。

レベリングでは、モンスターと接近戦を行う戦士や格闘家と組むことが多く、遠隔射撃を行う魔法使いやアーチャーとはあまり関わらなかった。

 月姫の様な強くて上手な魔法使いが、狩りでヒーラーを必要とすることはほぼなかった。それでも☆乙女☆が一人でいると経験値もドロップも良い、『美味しい狩り』に誘い出す。

 一人ではレベリングできない職業についてしまったが、月姫のおかげで相当高いレベルになっていた。

 月姫がいなかったら、こんなに継続的にゲームをすることなどなかっただろう。現実でもいろいろ出会いはあるが彼との出会いは、その中でもとても影響力のあるもののように感じる。


 毛並みの良い銀白色のウサギは神秘的だ。(異世界だけど自分の世界だ)月姫の隣に並んだ、少しばかり装備の整った☆乙女☆を眺めて人心地ついた。

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