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3、新入生組集合

リアルの都合で投稿日時がかなりルーズになります( ´ ▽ ` )

それでも、投稿はして行きますのでよろしくお願い申し上げます。m(_ _)m


「それで華耶、一眞君が何かしたの」

床に転がっている状態では何もできずそのままでいると紗耶が起こしてくれた。

「私が聞きたいくらいよ。この部屋の結界に干渉して、なにをしようとしたの」

藤波先輩はこちらを向いたのでどう言う表情を見せればいいか迷い苦笑いを返した。

「そう言うことね。でもそんな簡単に壊れる結界じゃ無いでしょ」

確かに結界には多くの防御壁があり、壊そうと思っても並みの霊能力者じゃ手も足も出ないだろう。解除の方も同様に。

「壊れる心配はしてないわ。それに、干渉しにくいように細工してあったのにそれを掻い潜って結界に干渉して来たことが問題なの」

そんな仕掛けがしてあったのか、霊力を微量だけしか使わなかったから引っかからなかったのかもしれないな。

「ごめんなさい一眞君。この場を収めるのに協力してもらえないかしら」

要は結界に干渉した理由を言えと、言われているのだ。

「いえ、ただこの部屋に結界が張られているのが分かったので好奇心が抑えられなくてつい。お騒がせしてすいません」

藤波先輩はその話を聞いて少し考えるそぶりを見せた。

「一眞くんはこう言ってるけど」

真意を探ろうとしているのかじっとこっちを見ていたが、思考を読ませないような表情で答えた俺の顔を見て生徒会長は溜息をついた。

「いいわ、そう言うことにしといてあげる」

嘘か真かこれ以上わからないと結論付けたのか生徒会長からの許しも得て、話も終わりに向いていくと縄に火が付き綺麗に縄だけが燃えた。

「大丈夫ですか兄さん」

流石、得意分野だけあって霊力の扱いが巧い。

「ありがとな、紗弥」

縄が縛られていた腕をさすりながら感謝するが、紗弥は不満そうな顔で答えた。

「兄さんはもう少し自重してください」

「悪かった、心配かけたな」

「いえ、そうではなく。もちろん心配もしましたが…」

どこか言いにくそうに言葉お詰まらせた紗弥。

それ以上、この話は引きずりたくなかったため俺は明るく返した。

「昔みたいにはならないから、大丈夫だ心配するな」

少し強めに紗弥の頭をくしゃくしゃと撫でた。

「はい」

顔からは不安の色が抜けきっていないが返事を返してくれた。

「何二人だけの空間作ってるの」

生徒会長は不機嫌な様子をありありと出した顔で言ってきた。


…コン…コン。

騒ぎが収まり暫くすると、何処か遠慮するようなそんな弱々しいノックの音が聞こえた。

「し、失礼します」

戸惑いの混じった声が、部屋へと投げかけられ扉が開いた。

「えっと、北御 由梨架さんね」

生徒会長はどこからともなく、4つの束になった書類を取り出して名前を確認し声をかける。

確認の声に扉から入って来た女生徒は、緊張しているようで頓珍漢な挨拶を返した。

「は、はい、北御 由梨架です。不束者ですがよろしくお願いします」

「そんなに畏まらなくても大丈夫よ」

「は、はい」

気を使い優しく声を掛けたつもりらしいが、生徒会長に話しかけられたことで余計に縮こまってしまった。

そんな状態の北御さんへ藤波先輩が近づき微笑みながら手を取っり優しく声を掛ける。

「落ち着いて。ほら、深呼吸」

最初手を掴まれた時、肩が1度跳ね上がったが、其の後ゆっくり上下し少し落ち着いた顔見せる。

「落ち着いた?」

「はい、ありがとございます」

先程までの口籠った返事ではなくはっきりとした返事を返しす。

その返事に満足した様な笑みを向け頷く。

「じゃ、座ろうか」

藤波先輩に先導されソファーの前まで連れて来られた北御さんは少し迷ったのち、俺に話しかけて来た。

「隣いいですか」

多分、生徒会長の隣に座るのは緊張するし、だからと言って男の隣に座るのも…と言う感じに迷い、結果的に同年代で有る事で少しは緊張しないこちら側にしたのだろう。あえて野暮なことはいいまい。

「ああ、構わないよ」

少しだけ紗弥の方へとより彼女の座るスペースを広めに開ける。

そのせいで紗弥と肩が当たりそうになるが気にしない。そして、少し頬を赤く染めこちらを上目遣いぎみに見て来るのも気のせいと言うことにしとこう。

と言っても彼女との距離は少し余裕ができて肩と肩が触れない程度なのだが。

座ったことで心の整理に余裕ができたのか肩の力が幾分か和らいだ。

こちらも、頬は赤くしてだが…。

「こうして見るとなんかあれね…」

「華耶、せっかく落ち着いてきた状態でその言葉は言っちゃダメよ。また、落ち着かせるのは大変そうだし」

何を思ったのか、理解はできるがこの状態で一番言って欲しくないことを口にしようとした生徒会長は、藤波先輩に柔らかく注意を受ける。

「分かってるわよ…」

さっき入って来た時に、優しい言葉を掛けたつもりが逆効果になってしまったことを理解しているため拗ねた様に呟いた。

そこから気持ちを切り替えるためか一つ咳払いをして話を変えた。

「ここの部屋にはあと1人来る予定だけど、遅いからその子抜きで話を進めたいと思います」

今までとは違い、生徒会長としてのそして先輩としての威厳のある態度で話を始める。

もちろん、この後どの様なことをするとかも分かっていない新入生組は口を挟むことはなかった…この場にいる新入生は。

「すいません、ここ108番の部屋であってますか〜」

突然開いた扉はこの場の雰囲気に相応しく無い気楽な声によって崩された。

「「「「…」」」」

もちろん、自然と声の発生源へ顔を向けることになるのだった。

その顔は新入生組は純粋にどんな人物か気になり、藤波先輩は困ったようにが笑を浮かべながら、そして生徒会長はものすごく不機嫌に睨みつける。

「あのー。なんか、すいません…」

意図的でないことは分かっていても、本題に入ろうとわざわざ雰囲気を作ったのにそれを壊されたことが気に障ったのだろう。

なんで自分が睨まれているのか分からない男子生徒は生徒会長に睨まれて謝っていた。

確かにノックをせずに入ってきた男子生徒にも非はあるが、決して睨まれるほど男子生徒が悪い訳では無いはずなのだが…。

「今のは男子の人が悪いですね」

「そうですね、部屋にノックもせずに突然入るのはよく無いです」

女の子組は許せないらしい…。

いつの間に仲良くなったんだ?

藤波先輩が生徒会長と男子生徒の仲介をし、生徒会長の説得と男子生徒への説明を終えて理解した男子生徒が頭を下げまくることで少しだけ機嫌を戻すことができた。

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