表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界学園で頑張ります!!  作者: 花鳥風月
第1章 ベール家で頑張ります!!
5/21

第1話 異世界転生で頑張ります!!

光がおさまると、オレは、水の中にいた。だが、不思議と息苦しさは感じない。

ここがどこかは分からなかった。真っ暗で何も見えないのだ。

まあ、転生と言っていたのでお腹の中だろう。

意識があるのにお腹の中なんて変だなぁと思っていると、いきなり引っ張られた。きっと、オレは産まれるのだろう。

目の前が明るくなる。あまりの明るさの違いに、思わず目を瞑る。


「おお、産まれたか、我が子よ」


父親らしき声が聞こえる。とりあえず、使われている言葉が日本語だと分かって良かった。よくある、「知らない言語聞こえてくるけど意味は分かる」って感じでは無かったので、公用語が日本語なのだろう。


「オギャ―――」


「おお、どうした我が子よ」


喋ろうとしたがダメだった。声帯がまだ発達していないからだろうか。それでは、生まれてすぐに「天上天下唯我独尊」と言ったブッダは何なんだろう。逸話か。

まあ、すぐに喋ったら、何か怖がられるかもしれないから、喋れなくて良かったかも知れない。

とりあえずは、この世界で生きる第1歩を踏み出したというどころか。

周りには父親らしき男と、使用人らしき男女数人がいる。そして、オレが今出てきたところには、母親がいる。笑っているし、安産だったようだ。

産まれてきて「安産だったな」って思っている赤ちゃんってどうよ。

それはさておき、異世界生活頑張るか。




―――――――――――――――――



産まれてから3年程がたった。

また、大抵の事は分かってきた。

まず、(こよみ)、や食べ物などは、大抵は日本と一緒だ。しかし、お金だけはちがう。

銅貨、銀貨、金貨があり、それぞれ100円、1000円、10000円位の価値だそうだ。

また、ファンタジーのような事が数多く存在する。

1つめは、魔法があることである。魔法は、火、水、地、光、闇の5種類からなっている。それらは、「一般魔法(ジェネラルマジック)」と呼ばれている。そして、1人当たり最低1つの種類には適正がある。適正が無い魔法は、使う事ができない。多い人では、3つほど適正があるそうだ。

また、その他にも、「雷」や「氷」など、珍しい適正を持つ人もいるらしい。それらは「固有魔法(ユニークマジック)」と呼ばれている。これを持つ人は、エリート街道まっしぐらだそうだ。

この家は使用人を雇っている位金持ちだが、それは、両親が二人とも「固有魔法(ユニークマジック)」の適正があったからである。

父親には「強化」、母親には「治癒」の適正があり、昔は、「強化」で強化した体てモンスターに突っ込み、怪我をしたら「治癒」で治すという連携で、それなりに名を知られていたらしい。

いい忘れていたが、父親の名前はエンカ・ベール、母親の名前はユーリ・ベールである。ベールは家名である。

そして、オレの名前は、セル・ベール。

適正がある魔法は、検査をしたら分かるそうだ。検査は、5歳の誕生日にすると決まっているらしい。それまでは魔法は使えないようだ。5歳が楽しみである。

2つめは、さっき少し出てきたが、モンスターという存在がいることである。

モンスターとは、様々なところにいて、人間を困らせる生物である。スライムからドラゴンまで、多くの種類がいるらしい。

しかし、中には人間と契約して人間に協力している使い魔や、神聖で、滅多に人前に姿を見せない神獣がいる。神獣なんかには、是非会ってみたいものだ。

3つめは、ギルドの存在である。この世界にはギルドがあり、家事の手伝いからモンスターの討伐まで様々な依頼を受けることができるという。登録は、魔法適正の検査をしていればできるらしい。

ランクというのがあり、EからSSSまであるらしい。しかし、最近はSS以上の冒険者はおらず、Sランクの冒険者は国に仕えてしまっており、実質依頼を受けている人の中での最高ランクはAらしい。

Cまでいけば、1流だという。

父親と母親は、二人ともBランクだそうだ。しかし、実際はAランクの実力はあるらしい。Aランクになると、国からのお誘いもあり、面倒くさいので、ならなかったらしい。

オレは、いつかは両親を越えたいと思っている。

4つめは、亜人がいることだ。犬耳がついた犬人や、猫耳がついた猫人である。

これらの人は、特に差別されることもなく、普通に暮らしている。

エルフや竜人などもいるらしいが、両親も見たことが無いらしい。


「おーい、セル。下に来ーい」


下から、父親の声がする。


「はーい、おとうさん。」


そう言って返す。因みに、2歳で完全に言葉を喋れているのだが、「頭がいい子」ですまされている。まあ、そのほうが都合がいいが。


下に降りると、父親が待っていた。とりあえず、父親の前に行く。


「セル、お前がとても頭が良いことは、ここらでは有名だ。親として、誇りにおもう」

「ありがとうございます」

「しかし!!」


父親が大声を出したので、ビクッと体が震える。


「知力だけではこの過酷な世界は生き抜けない。よって、今日から、修行を始める」


父親の言葉に、オレは驚いた。3歳の子供に「修行をしろ」なんて、酷すぎる。

だが、オレには好都合だった。将来ギルドで活躍するために、小さいうちから体を鍛えておきたかったのだ。


「返事は!!」

「はい!!」

「では家の周りを10周、腕立て伏せ100回、腹筋100回、背筋100回、スクワット100回だぁ!!」

「えぇ――――」

「返事は!!」

「は、はい!!」


こうして、地獄の修行が、幕を開けたのだった。





評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ