第9話 過去で頑張ります!!
短い……
ともかく、これで1章終わりです。
テストがあるので、第2章は結構後になります。
でも、明日は番外編投稿します。
セルだ。10歳になった。
あれからは同ランクの依頼をちまちま受けていき、いまはAランクに止まっている。
ルーは14歳だ。
ここで、オレとルーの外見的特徴を紹介したいと思う。
まずオレは、黒髪黒眼、身長は同年代と比べたら高い150センチメートル程度。
そして、なんと言っても顔は…………普通でした。
あれ?こういうのってイケメンなのがテンプレじゃないの?
というわけで少し残念だった。
そして、ルーの外見的特徴だ。
まず、灰色の髪に金色の眼。頭の上にはエルフの証の灰色の耳。
身長は170センチメートルと、これまた高い。
そして、顔は、異常に可愛い。
何だこの差は。
まあ、人間見た目じゃない。ようは中身だ。中身なんだよ。
「セル、どうしたの?」
「な、何でもないよ」
表情に出ていたらしい。ルーに変な人を見る眼で見られてしまった。
何とか誤魔化した。
もう見た目の事を考えるのはやめよう。
―――――――――――――――――
「じゃ、依頼行こう、ルー」
「うん!!」
今日も、ルーと依頼に出かける。最近はそれが普通だ。
だから、オレのランクを知っている。秘密にしてもらっているが。
ここで一度、オレ達のステータスカードを見せたいと思う。
セル・ベール(10歳)
人族
魔法適正
魔法創造
魔法全能
ギルドランク
Aランク
称号
ドラゴンスレイヤーS
Sランクのドラゴンを倒した者に与えられる称号。ドラゴンへの攻撃力が5倍になる。
女神の加護
女神に加護を受けた者に与えられる称号。様々な効果がある。(現段階:ブレス無効・魔法抑制)
スライムスレイヤー
スライムの王を狩った者に与えられる称号。スライムへの攻撃力が2倍になる。
ルー・クロウ(14歳)
エルフ族
魔法適正
補助
ギルドランク
Cランク
称号
なし
なかなか強くなった。
最近は、オレがルーの依頼を手伝っている。ルーは今日やっとBランク昇級試験だ。
今回はグランドラゴンの討伐だ。ほとんどルーに任せようと思う。
その方がルーの為になるしね。
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「エイっ」
「グギャオ―――」
ルーの剣がグランドラゴンの腹を切り裂く。
グランドラゴンは、断末魔の声をあげ、倒れる。
「やったー」
「良かったな、ルー」
ルーに労いの言葉をかける。20分で倒せたので、早い方だろう。
「ルー、達成報告しにいくぞ」
「分かった」
「よし、行こう……っ!!」
殺気を感じて、身構える。
「下かっ!!」
「きゃあ――――」
ルーを抱えて、跳ぶ。
その刹那、地面が盛り上がり、そこから現れたのは……
「巨人……」
「何よ……それ……」
巨人。お伽噺に出てくる、未知のモンスターだ。
高層ビル程もある身長と、筋肉隆々の体。
ランク不明のモンスターだ。
「ルー、先に戻ってろ」
「でも……」
「戻ってろ!!」
オレの気圧に押されて、ルーが逃げていく。
これで、巨人の敵はオレだけになった。
「さあ、行こうか」
戦闘が、始まった。
―――――――――――――――――
気が付いたら、地面に倒れていた。
全身が痛く、立つと体が軋む。
オレは、負けた。この世界に来て初めて、負けた。
「こんなんじゃ、守れねぇじゃねぇか」
涙が零れる。
「あのときの繰り返しじゃねぇか」
立ち上がる。
「何も変わんねぇじゃねぇかよ――――!!」
―――――――――――――――――
あれから家に帰ったオレは、部屋に籠って泣いた。泣いた。なき続けた。
あの出来事を繰り返してしまいそうなオレが、怖くて、不甲斐なくて。