俺を取り巻くロリータ女たち
華夏美は隣の奥さんとまたバーゲンに、夏樹は公園に…俺は奴らと家に…うぅっ…。
『暇だな〜マリン…』
『え?そう?』
マリンは蜜柑を撫で回しながら言った。
『お前は犬オタクだから暇じゃねぇか』
『うん』
『ジュリアは暇だよなぁ?』
『まぁね。でもやっとボックスから解放されて、こうやって普通に会話もできるだけでハッピーだな』
会話される俺は不幸せです。
『まぁな。あの箱マジできついよな。手足も首も針金で固定されてるしな』
『うん』
ジュリアは、他のふたりと違って西洋美人だ。背も一番高く、色白のふたりとは違い、小麦色の肌がかっこいい。髪はリサと同じブロンドだが、リサのストレートヘアとは対照的にパーマがかかっている。そして口調にやたらとカタカナが多い。まぁ…服装は予想できるでしょ?3人ともゴスロリなんだよね…。
『ところでどうしてあたしたちはミスター茨木としか話してはいけないの?』
『それはね、話すとすご〜く長くなるんですってよ。要するに、雅樹さんが人形オタクだからなんだそうで』
マリン、それは奴のデマだぞ?
『へ〜』
納得すんな!
ブィ〜ン…
おっ、携帯のバイブレーションだ。
「もしもし?」
『雅樹ちゃん』
「ああ…いちご…」
『あのね、助けて!』
「何?」
『新作のネタなんだけどね、どれがいいか自分で決められなくて、箇条書きにしたネタ候補をファックスで送るからちょっと見て!』
「自分で決めろよ」
『雅樹ちゃん!私を見捨てるのねっ!?』
「違うよ。俺には君の感性がわかんないんだよ。だから自分で…」
『つべこべ言わずに協力しなさい!じゃないと雅樹ちゃんの過去をブログでバラすわ!』
…怖ぇぇぇ!!
「わかったよ。今から送って」
『はいよ〜』
その後、A4用紙8枚に渡って送られてきたファックスを見て、俺は愕然とした。
「…字、小さすぎるだろアホぉぉぉぉ!!!」