47位!!
皆様、本当にありがとうございます!
『オイ!ハゲ!聞け!聞くんだ!!』
俺は鼻の穴に腕をつっこまれて目を覚ました。俺は休みで、リビングのソファーでうたた寝していたところだった。ちなみに妻と娘はまたしても外出中。
「…オイ、鼻の穴はねぇだろうよ」
『細かいことは気にすんなやハゲ!』
「だ〜か〜ら…俺ハゲてねぇの…」
『雅樹さん、大変なんですよ!』
「ああ?」
マリンがソファーの前の机の上に座って言う。このふたり、食事をする机には自力で上がれないのたが、この応接の机になら協力して上がることができる。
「何が大変なの?」
『この小説、コメディのランキングで、50位以内にランクインされたんですよ!』
「え?!」
『現在47位だ』
「マジで?」
『ああ、マジだ。お前の人形オタクも徐々に有名になりつつあるぞ!』
いや…それはちょっと…ね…。
『ほら、雅樹よ。土下座して読者の皆様に礼を言え!』
土下座ですか?!
『リサさん、土下座はやりすぎです』
『そうか?』
プルルルル…
おっ、電話だ。…いや、ファックスのようだ。
「え〜っと…あ、桃色いちごからだ」
『読者の皆様、桃色いちごです。この度コメディで47位にランクインされたんですって?私の美貌のお陰ねっ!これからもどんどんファンレター待ってるわね。愛を込めて。桃色いちご』
…だってさ。
プルルルル…
おっ、今度は電話だ。
「もしもし、あなた?あたしよ」
華夏美だ。
「47位にランクインですって?凄いじゃないの!あたしのお陰ね!」
お前も自信過剰かよ!
「パパぁ?」
電話が夏樹に替わられたらしい。
「ああ。パパだよ」
「47位って何?」
「…ああ…大人の事情だ」
「何よそれっ!パパのバカ!」
だって説明すんの面倒なんだもん…。
「あ、あなた?それじゃ、あたしたちもうすぐ帰るから」
「ああ、わかった」
…なんで俺以外のみんなはランキングとか知ってんの?
「ま、そういうことだからさ、お前ら。そろそろ帰ってくるらしいから夏樹の部屋に行ってろ」
『はいよ』
皆様、本当にありがとうございます。47位、嬉しいです。これからも頑張りますね。
「パパ〜!」
「ただいま〜」
あ、愛する家族が帰って参りました。蜜柑も玄関に走って行きました。
「パパ、見て!ジュリアよ!」
…ジュリア?
ああ…今日はめでたいはずだったのに……また人形が増えた…。