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「…!カリスタ様、お疲れ様です」
地上に出た私たちをカリンが出迎える。
「ギルと殿下はどうしたのですか?」
「二人だけで話さないといけないことがあるみたいです」
「そうなんですね…」
「再び、カリスタ様のご尊顔を拝見できて嬉しいです」
でしょう?!
そうですよね?!そうですよねえ!?
美しい姿に、直接目を向けられません。
お嬢様は照れくさそうに、
「ありがとう」
と言いった。
それにしてもギルと殿下が2人きりですか…あの事件もありましたし、気がかりですね。
ギルたちの方に一人向かいましょう。
こっそり分裂して半身を行かせる。
それに気づいたのか、お嬢様に睨まれてしまいました。
「ギルだけでなくレオン殿もいないとなると、行動がかなり制限されますね…」
「エリン、あの二人は滞在場所を知っているのかしら?」
「はい。本当は人を向かわせるつもりでしたが…二人きりがいいとおっしゃっていたので」
「わかったわ。では私たちは先に向かいましょうか。案内をよろしくね」
「はい」
*
「ギルバード。話がある」
「なんでしょうか」
「お前はカリスタの敵か?」
「…どういう意味ですか?」
「そのままの意味だ。もし敵なら……ここで殺す」
「俺は陛下の騎士です。裏切ることはありません」
「…気の所為だと見ないふりをしていたことが一つあるんだ」
「…」
ギルはあからさまに目を逸らした。
「クロードを殺した奴の背中にあった紋様、あれはアルス国のものじゃない。ノクスヴェルク公爵家のものだ」
「それが何だと言うのですか」
「お前の家、ルヴェイン家はノクスヴェルク公爵家の腹心だろう」
「…そうですね」
「では、裏切り者であると認めるか?」
「それはありえません」
「なぜそう言い切れる?自らの出自を隠して俺たちを欺いてきたのに?」
「違うっ!俺は……!」
「何が違うと言うんだ?」
殿下は剣に手をかけた。
……そろそろ止めに入らないとまずいでしょうか。
いや、一旦このまま隠れていましょう。
「俺は……幼い頃、あの家からカトリーヌ伯爵に保護してもらったんです。だからカトリーヌ伯爵を、カトリーヌ伯爵が仕える陛下を裏切ることは、絶対にありえません!」
「…次に怪しい素振りを見せたら斬るからな」
「構いません。それで信用してもらえるのなら」
「カリスタたちが待っている。戻るぞ」
「はい」
……解決したみたいですね。
良かったです。カリンがいたら話せないような内容でした。
殿下も、成長していらっしゃるのですね。




