12
「…お嬢様も避難されたことですし、戦いますか」
私たち三人は体をぐにゃりと変形させ、一つになる。
彼らはお嬢様が逃げたにも関わらず、どうでもいいといった調子で話していた。
「ごめんね、君にばっかりさせて」
「別にいいさ。僕に向いてる仕事だったというだけだ。次はどうする?」
「んーー、お姫様が逃げた時点で私たちの仕事は失敗だからね、帰ろうか」
「わかった」
油断をしている間に、私たちは攻撃を仕掛けた――が、黒髪の少年は身を翻し、攻撃を軽々と避けた。しかし、完全には避けきれなかったのだろう。頭の被り物が床に落ち、素顔があらわになる。思わず立ち止まり、目を見開く。小柄だとは思っていたが、子供だったとは。
黒髪の少年は青い瞳を光らせ、鍛え抜かれた筋肉を揺らす。ゆったりとした服でも、実戦向きの肉体は隠せない。
銀髪の少年は腰まで届かない長さの髪と赤い瞳。華奢に見えるが、細くとも筋肉がついている。成長期前の身体を巧みに鍛え上げたとしか思えない。
「あなたたち、何歳ですか?」
自然と口をついた。
黒髪の少年は不機嫌そうに眉をひそめる。
「何歳でも関係ないだろ。お前こそ何者だ?人間ではないだろ」
私たちは毅然と返す。
「私たちはお嬢様にお仕えしている者です。害なす者は始末しなければなりません。質問には答えましたので、そちらもお答えいただけませんか?」
銀髪の少年が答えた。
「私は12で、この子も同じです。質問には答えました。用は済んだので、ここで失礼します」
二人は煙のように姿を消した。
私たちはその場所を静かに見渡した。
しばらくして、ハッとした。
逃がしてしまうなんて…大失態です。
そのあと、すぐにお嬢様の下へ戻るため、三人で廃墟と化した会場を後にした。そこには、瓦礫だけが静かに残っていた。




