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朽ちぬ女王  作者: 水無適
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戴冠式まで、あと一か月ほどになりました。

衣装はまだギリギリまで完成しないそうですが、デザインはお嬢様にぴったりです。色は旧王家の国旗に使われていた赤、青、金でまとめるとのこと。…いや、どう考えてもお嬢様にしか似合わない色使いです。本当に、息を呑む美しさになることでしょう。


「リサ?ねえリサったら!」

「……あっ、すみません、少しぼーっとしてて」

「ちゃんと休んでるの?」

「はい!」

「ならよろしいわ」


最近、リサは少しぼーっとすることが多いように見えます。何かを考え込んでいるのでしょうか。お嬢様にとってリサは姉のような存在、守る側であり、守られる側でもある___面白い関係です。


お嬢様は、こうして落ち着いていらっしゃる。幸せそうに見えるのです。しかし、幸せとは、あまりにも簡単に掴めるものではない。お母様はお嬢様が六歳のときに殺され、お父様もその半年前に亡くなり、現王家の陰謀にさらされ続けた幼少期。平穏なんて、一瞬たりともなかったはずです。それでも今、こうして笑っていられることは、とても尊いことなのですね。



さて、明日はいよいよ戴冠式。リハーサルも問題なく終わり、万全の状態で迎えられるよう、皆で寝る準備を進めています。寝間着姿のお嬢様もまた、大変可愛らしい。目をこすりながら、私たちにおっしゃいました。

「お前たちも明日は忙しい、早く休め」


お優しい方。だけど、明日の戴冠式が終われば、もう優しいだけではいられない。今日が、お嬢様でいられる最後の日だと、身に染みて分かります。

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