呼び出し
学園が始まって半年、一度も家に帰らなかった為、
やっぱりかとは思うけれどお父様から帰宅命令が下されました。
「自業自得だな 」
「そうですわね 流石に一度くらいは顔を見せなきゃですわ」
エリオットも「仕方がないよ…」と肩を叩いて
重い腰をあげて 家へと帰った。
「ただいま 帰りました」
お父様が待つ執務室へ入り 頭を下げた
「おお 帰ったか そこに座りなさい」
お父様は椅子から立ち上がり 笑顔で私を迎えた
お父様の顔を直視できず 視線を落としソファへ腰掛けた。
「シェリル
変わりないかい?」
「はい お父様もお変わりなくよかったです」
「ああ ミシェルから聞いているよ お前の成績が優秀なことを 誉れ高いよ」
ミシェルから聞いているなら別に呼び出さなくてもいいのに…
「ありがとうございます 何もなければ寮に帰らせていただいてもよろしいでしょうか?」
「シェリルまあ待て 話があるからお前を呼んだのだ」
「話?」
するとお父様は
「お前に縁談のはなしが来ている」
「縁談?ですか」
「お相手は カーチス公爵家の御嫡男ウィリアム殿だ 何でもデビュタントでお前を見初めたらしい
学園ではお前の1つ上だ」
そういえば 最近学園で不意に視線を感じる時が度々あった。まさか視線の主ではないわよね
「そのお話 お断りしてください」
「どうしてだい?カーチス公爵家は皇族に近い家柄なのだぞ。そんなお方がお前に求婚されているのは恵まれているのだよ それをどうして」
「私 結婚はいたしません 」
「何を 言っている 結婚しないとは何を考えている!」
「そのままの意味です 私は一生結婚はいたしません 」
「独身でいるだと?女性が1人で生きていけるわけないだろう」
「私 王宮の文官もしくは修道院へ行くつもりです」
「シェリル!それはならん!!」
お父様は机を強く叩いた
私は 初めてお父様の怒った顔をみた
「お…お父様」
お父様は 暫く黙っていたが 溜息をつき口を開いた
「お…お前が断ってもカーチス公爵家は目上の方だ。こちらから断わるわけにはいかない。明日ウィリアム殿が来られる予定になっている、そのつもりで準備をしなさい」
私は 何も言えなかった
「わかりました…」
シェリルは静かに立ち上がり
「失礼します」
「ああ………」
お父様は頭を抱えていた