我儘
入学と同時にシェリルは学校の寮に入った
お父様には内緒で入寮届けを出していた私は、もちろんお父様に問い詰められたが
「いろんな経験してみたい」とか
「たまには我儘を言わせてほしい」なんて
言いくるめて許しを得た。
シェリルは 成績も優秀でクラスもSクラスだ。
エリオットも同じクラスで友人のランディも一緒だ。ミシェルは普通のAクラス…よかった
お互い 顔を合わせることもない ………
授業も始まり 休憩や昼食はエリオット達と共に過ごし 寮に帰る毎日
友達も増えた 隣室のエリザベート オハン伯爵令嬢 クラスも同じ彼女はとても気さくな性格で気も使わず話も合う。
お互いの部屋を行き来しながら楽しく過ごしている。
家族のことも
お父様のことも考えなくていい…
ある日の昼休み いつものメンバーで庭園の東屋で雑談をしていた。
「ああ〜とうとう私にも来てしまいましたわ」
「エリザベート何がきたの?」
「縁談ですわ 縁談! お父様が今週末話があるから帰って来いだって」
「まあ おとしごろだから仕方ないよな 俺も父上からそろそろ1人に決めろって言われてるよ」
「ランディは モテるから選び放題なんでしょ」
その言葉にシェリルは反応した
「男って………どうしてそうなの?」
「シェリル?」
「ランディもお父様と同じね 」
「同じ?何のことだよ」
「1人の愛を貫けないってことよ」
「大げさだな〜シェリル 結婚したらもちろん妻ひとすじだよ」
「嘘だわ 信じられるものですか!!」
シェリルの態度に周りはびっくりした
エリオットが肩を叩いて
「シェリル 落ち着いて ランディは冗談を言ったんだよ」
シェリルは、ハッとして
「ごめんなさい 言い過ぎたわ 気にしないで」
「あ…ああ 」
「ほんとに ごめんなさい」
「いいよ そんなに謝らなくても俺も調子にのっちゃったから」
「そっそうよ 私もふっちゃったし悪かったわ」
「そういえば シェリルはどうなんだよ?縁談の話はこないのかい?」
「私?私は結婚しないわ」
「え〜っ?どうして??」
エリザベートが驚いた
「結婚しないって 結婚せずにどうするんだよ?」
ランディが聞いてきた
「王宮の文官かそれがダメだったら 修道院に行くわ」
「シェリルほどの美貌なら引く手あまたなのに 」
「そんな事ないわ 私みたいな女性 嫌がるわよ」
「確かに こんなに勉強できればそれ以上の男性じゃなければ受け入れられないいわね」
「そうだな」
「そうなの?」
「アハハ………」
なんとかその場が収まってよかった
エリオットのおかげだわ