ダンスを踊ろう
お父様の手をとり向かい合う
笑顔で私を見ているお父様の顔を改めて見つめると
随分 お父様とまともに顔を合わせていなかったのがわかる。
「シェリル こうしてシェリルと踊れてパパはとても嬉しいよ」
私は目線を少し落とした
「実は 階段から降りてきたシェリルを見てね マリエルがいるのかと思ってハッとしてしまったよ」
私は 顔をあげ
お母様に似ている……嬉しい
「ほんとに?」
「ああ びっくりしたよ お前の成長に 同じ年なのに ミシェルはまだまだ幼く感じるな」
お父様は何気に 私を傷つける
「私はミシェルがうらやましいです」
「うらやましい?」
「はい だって ミシェルはお父様によく似てらっしゃいますもの」
お父様は 困惑した表情になった
「シ…シェリル」
「音楽が終わりましたわ お父様」
私は手を離し お辞儀をしてエリオット達の元へ帰って行った。
お父様ほ、立ちすくんだままだった。
シェリルはエリオットとバルコニーに出た
「どうだい?デビュタントの感想は?」
「う〜ん そうねえ 疲れた かしら」
「アハハ 世間の令嬢らしからぬ 感想だね」
「そうかしら 正直に答えたのに」
「ねえ ミシェル お父様に似てると思わない?」
「えっ そりゃあ 親子だからって ん?違うよな」
「親子なのよ」
「はっ シェリルと同じ年だから おかしい……まさか」
「そうみたい…フッ お父様 お母様以外にも恋愛が同時進行してたらしいわ」
「叔父様が まさか そんな事するタイプじゃ」
「人は見かけによらないって いうじゃない?
私も……うっ お父様はお母様だけを愛してくれてると信じていたのに…うっうっ」
「シェリル…」
シェリルはエリオットに抱かれ 涙を流した。
暫くすると 気持ちも落ち着いて
二人は会場に戻って行った。
「おーい エリオット ここにいたのか」
エリオットの後ろから抱きついたのは 彼の知り合いらしい
「ランディか」
「おいおい お前も隅におけないな 紹介してくれよ 美しいレディを」
「隣は 従兄弟のシェリル ポートマン侯爵令嬢
こいつは ランディ ブラウン伯爵令息 うちの隣の領地で幼馴染だ ああ 昔 一緒に遊んだことがあったはず」
彼の茶色の髪の色や顔つき じっと見つめるが なんとなく幼い頃 エリオットともう1人いやあと1人いたような………
「お従兄弟様でしたか ランディと言います 美しいレディ よろしく」
なんだか 軽そうな男性ね
「ランディも一緒に入学するから 同期になる」
「まあ! 仲良くしていただけると嬉しいですわ」
「僕も大変 嬉しいですよ 学園での楽しみが増えました」
なぜだろう 私も同じ想いだった