変化
「申し訳ないのだけれど 今朝は食事を部屋でとりたいの お願いできるかしら」
「かしこまりました ご準備いたします」
メイドのリサは、私の様子を察して食事を運んて来てくれた。
鏡を見ると ひどい顔……泣きすぎて目の周りが腫れている
リサは蒸したタオルを用意してくれた
目に当てると気持ちがいい
「ありがとう リサ」
リサはニッコリ微笑んで 部屋を出ていった。
食事を済ませると 椅子に座り窓の外を眺めながらまた考えてしまっていた
お父様にはお母様以外のクロエ様というお付き合いをしていた方がいた
しかも私と同じ年の子供まで
[王子様とロザリー]では結婚式で生涯君だけを愛することを誓う…と女神様の前で誓っているわ
お父様達も教会で式を挙げたと聞いている
女神様に誓ったはずなのに お父様は…
誓いを破ったのね………パチン
私の中で何かが弾けた
私の大好きなお父様は もういないわ
コンコン ドアが開くとお父様が入ってきた
「シェリル 具合でも悪いのかい?」
朝食に顔を出さなかったので 様子を見に来たらしい
今までなら 笑顔で「お父様ー!」と出迎えていたのだけれど その想いはなくなっていた…
「いいえ 今朝は少しだるくて部屋でとらせていただきました、ご心配おかけしました。申し訳ありません」
お父様は、私の返答にえっとした表情をみせた
「そっ、そうか 大事なければよかった ああ
そうだ 今朝渡そうと思っていたのだが 街でシェリルに似合いそうと買ってきたんだ 」
とお父様は小さい箱を手渡した
「開けてごらん?」
私は小さい溜息をついて箱を開けてみた
それは赤い花のブローチだった
「綺麗…」ポツリとつぶやいた
先程の想いが少し緩みかけた
「綺麗だろ ミシェルと色違いでお揃いだよ」
えっ………
「ミシェルほピンクにしたんだ これをつけて今度
教会に行こう」
「はい わかりました」
「シェリル…ほんとに大丈夫かい?」
「ええ 少し横になります」
私はベッドに戻ると お父様ほ私の頭を撫でて部屋を出ていった。
私はブローチを握りしめ壁に叩きつけた
何がお揃いよ
きっと私のはミシェルのついでに買ったのだわ
誰がつけるか こんな物
シェリルの心は憎しみで埋め尽くされた