表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界オカルトチャンネル! ~(怪談+科学+民俗学)×異世界 /(Q+S+F)I ⊢RICK~  作者: 猫長明
第1部接触編、最終4章「天使たちの信仰編」

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/288

15-4:猫耳の似合う堕天使からこの世界の神話の聞き取りをしてみた!

「では霊媒について改めて説明してもらえるか?」


 翌日。

 神話伝承を研究したいという一同の願いにルチは快く了承し、こうして3人から取材を受ける形となっていた。


「すっげぇ! エルフの姉ちゃんすっげぇ!

 なぁなぁ、もっかいやってくれもっかい!」


「ふっ、これは本来門外不出の技ですが、良いでしょう!

 特別にもう1度だけお見せします!

 エルフ一刀流、秘剣、燕返し!」


「かっけぇぇぇえええええ! もっかい! もっかい!」

「1度だけと言いました!」

「一生のお願い!」


「なら仕方ありません! エルフ一刀流、秘剣、燕返し!」


「すげぇぇぇぇええええ!

 俺にも! 俺にも教えてくれ!」

「ふふっ、いいでしょう!

 これよりここを私の道場とします!

 さぁ、木刀を持って、私と同様に蜻蛉の構えからこの立木に打ち込んでください!

 掛け声を出して!」


「エイ!」

「もっと大きな声で!」


「キエーッ!」

「もっと気狂いの猿の叫びのように!」


「キィエーイ!」

「もっと人間性を捧げて!」


「キィィィィエエエエイ!」

「はいそのまま20本!」


 いつからここは動物園になった? ユウキはため息をつきつつ窓を閉めた。


「まず、霊媒には儀式が必要です。

 トカゲやヘビの抜け殻、コカの葉などの一部のハーブ、女性の経血などを大釜で煮込む方法の他に、ぬいぐるみに塩と髪の毛と動物の骨を入れて隠れる方法などもあります。

 100本のろうそくを用意し、怪談を語るたびに1本ろうそくを吹き消す百物語もその1つです」


 降霊術の方法の説明をはじめるルチ。

 猫耳はゆっくりふわふわとした動きを取っている。

 真剣な表情で聞き取りにあたるヨッシーから離れ、サダコ姉が小声で囁く。


「真剣な表情だけど、目の焦点が少し上にあるのよね~」

「言ってやるな。猫耳萌えなんだ」


「まぁユウキ君もたまに耳元や正面から見えるうなじに焦点があってるけど~」

「言ってくれるな。髪フェチなんだ」


「もしかしてキリヤちゃんの魔法のウサ耳もずっとそういう目で見てたのかしら~?」

「もしもそうならキリヤも本望だろうさ。

 帰りの座席が2つしかなかったら、あいつは座敷牢に捨てて帰ろう」


 ヨッシーは振り返らず軽くため息をつき聞き取りを続ける。


「それで、儀式で降りてくる相手は選べるのか?」

「いえ、選べません。

 稀に強い思念を持った生者が生霊として降りる場合もありますが、ほとんどのケースでは強い未練を持った死人が降ります。

 儀式の場に他の人が居る場合、その個人に対して強い未練を持った人物、すなわち、祖先が降りる確率が高くなります。

 時として人間以外の動物霊が降りるケースもありますが、この場合術者は自ら動物霊を祓い追い出します」


 相変わらずその目はゆっくりと動く猫耳を注視していた。

 少々露骨ではあるが、暗い部屋の中、目のほとんど見えていないルチでは違和感に気付くこともできない。


「神が降りることもあるのか?」

「ありますが、神はほぼ不老不死のため絶対数が少なく、私も神を下ろしたことはこれまでに2度しかありません」

挿絵(By みてみん)


 猫耳がぴくりと一度だけ大きく動く。


「すまない、よく聞こえなかった。

 もう一度、ゆっくり同じことを言ってもらえるか?」


「はい。神は、ほぼ不老不死のため」

「…………」


「絶対数が、少なく」

「…………」


「私も、神を下ろしたことは、これまでに」

「…………」


「2度しか」

挿絵(By みてみん)

「……!」


「ありません」

「わかった。ありがとう。

 では悪魔が降りることはあるのか?」


 その聞き取りに思わずユウキも唸る。

 俺もあの猫耳、欲しい。


「はい。悪魔が語るのは神への恨み言ばかりです。

 忌み言葉が混ざることもあり、言葉がわからないこともあります。

 私達は忌み言葉を発音する方法を学びますが、悪魔に体を貸した際にはその独自の呼吸法が維持できない場合もあります」

「なるほど。

 それで君は冥界神やその妃の名前を怪談の中で発音できたのか。

 良ければ後でその呼吸法も教えてくれ」

「わかりました」


 こうしてその日の聞き取りは夕方まで続き。


「エルフ先生! ありがとうございました!」

「はい、ありがとうございました!

 明日からは少し実践的な練習も取り入れていきましょう。

 6人ずつ私を取り囲み、同時に斬りかかる多対1の練習をしてもらいますよ!」

「えー! そんなの、卑怯じゃないんですかエルフ先生!」

「騎士道における戦いは、主に勝利を捧げることに最も重きが置かれます。

 そのためにはどんな卑怯な手段も当たり前、勝てばいいんですよ勝てば!

 いいですか? 戦いは数です! 囲んでぼこす!

 これがすべての基本ですよ!

 はい、最後に先生の言葉を復唱!」

「勝てばいい! 戦いは数! 囲んでぼこす!」


 そんなキリヤのバーサーカー道場の脇を、ハープを背負ったルチが横切る。


「あ、ルチお姉ちゃんお仕事いってらっしゃい!」

「ねーちゃん大丈夫か? 酒場まで手繋いでやろうか?」

「ありがとう。でも、大丈夫よ。

 それと、異世界人のみなさんがご飯を作ってくれているから、おいしく食べてね」

「まじか! やったー!」


 堕天使の子どもたちはまな板の上に召喚されていた悪魔の姿に恐れおののき、切ってもまだうぞうぞと蠢く邪悪な触手に嫌悪感を覚えていたが、最終的には全員でたこ焼きパーティを楽しみ、日中の疲れもあってか早めにベッドで寝息をたてるに至った。


「あっ……触手が……ダメです、そこは私の大切な……騎士の誇りが……くっ、殺せ!」

挿絵(By みてみん)


 なんちゅう寝言だよ。

 あんなにパクパクたこ焼き食べてたくせにこの小動物。

 さておき。


「さて。聞き取りを整理しよう」


 2人の前にメモを広げるユウキ。


「百物語でルチさんが語った51本の怪談神話はすべて彼女が霊媒により死者の口から蒐集したもの。

 これはすべてサダコ姉とプロパガンダ・英雄譚・自然神話・分類不能で区分けした」

「ん? 待て。51本? その51本目はなんだ?」

「ステージで最初に歌った、宇宙創生の歌よ~」

「あぁ、あれか! って、あれも霊媒で蒐集したのか!?」

「しかもあれは、神を降ろして語られた神話だ」

「まじか! すげぇな!」


「あぁ。この流れで天使たちの信仰を紐解こうと思ったのだが……

 その神話で状況が変わった」

「どういうことだ?」

「庁舎で天使が言ってたでしょ~? 宇宙を担当する神の座が空座、って~。

 つまり、宇宙を担当する神自体は存在したのよ~。

 その神様にお願いすれば、私達、元の地球に帰れるわ~」


「そういうことか!

 で、でも、それを聞いた神の霊って、もう死んでるんだろ? なら……」

「いや……宇宙を創生した神は生きている。

 その名は……」


 すぅ、はぁ、と二度三度深呼吸をして。


「アマテラスノミカド。

 彼女は今、どこかに隠れている。

 天岩戸開く時、僕達は地球に帰還する」


 次回、天使たちの信仰編完結! 異世界オカルトチャンネル最終話!

 遥か12光年の宇宙の旅の終わりを見逃すな!

挿絵(By みてみん)

R・・・サイト内のランキング

E・・・ブックマークや評価で伸びるスコア変数

F・・・作者が小説を更新する頻度


挿絵(By みてみん)

M・・・作者のモチベーション


更新持続率はMに比例する。

以上の公式より、さらに続きが読みたい場合はEの値を増やすことが有効に働くことが数学的に証明できる。

ブックマークと評価よろしくお願いします。


挿絵(By みてみん)

面白かった回に「いいね」を押すことで強化因子が加わり、学習が強化される(1903. Pavlov)


※いいね条件付が強化されると実験に使用しているゴールデンレトリバー(上写真)が賢くなります。

※過度な餌付けはご遠慮ください。


挿絵にはPixAI、Harukaを使用しています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ