第16章総集編+「ヒトラーは天才なのか凡人なのか!? 7分割されたちょび髭に直撃!」
「オーディン様、一つ気になることがあります」
「ふむ。私が答えられる範囲でヒントを出そう」
「この物語って動画サイトにアップされている動画という体裁ですよね?」
「忘れがちだがそういう設定だ」
「この動画、BANされませんか?」
「……そういう考え方もある」
「昨今コンプライアンス巡視AIの暴走みたいなもので、ヒトラーの名前が出た瞬間に動画が削除されるみたいな話が多いらしいです」
「私は原則的にはAIには寛容だし肯定的な立場を取っているが、これはどうにもな。
ただ、結局そういうルーチンにAIを設定している個人の意志がそのまま示されてしまうというのがAI問題のすべての根源だ。
特に動画サイトの多くは海外資本で動いている。
彼等には彼等のイデオロギーがありスポンサーもいるからな。
日本人には理解しにくい話かもしれんが、今でも紙の新聞を読んでみると納得する部分が出てくるぞ」
「紙の新聞は紙の新聞で読んでいる人がいますから、そんな人向けの記事ばかりになるのもある意味当然なんですよね。
コロコロにうんちネタがあふれるのと同じ程度の必然性です」
「実際ヒトラーの扱いが難しいのは事実。
まだあの時代の人間が生きているからな。
私はある意味で著作権に近い概念だと思うよ。
同じ悪党でもネロやエリザベート・バートリは著作権が切れているがヒトラーは切れていない。
あと200年もすればヒトラーも女体化して丹下桜や大久保瑠美が声を当てるさ」
「なんで200年後に丹下桜さんと大久保瑠美さんが生きている前提なんですか」
「なら藤田咲だ」
「まぁ藤田咲さんは生きているでしょうね。
ヒロユキさんも生きていそうです」
「ただ、話題にすることを避けるからこそ醸造される恐怖や崇拝というものもある。
今回の物語に出たオカルトナチスや、未だに多いヒトラーを英雄視する厨二病男子や政治家の思想はそうした反動だと思うのだよ。
実際は調べれば調べるほどヒトラーが凡人で当時のナチスにまともなところなど何もなかったとわかるのだがな。
ドイツの強さも暴走もすべてが当時準備されていただけのこと。
一流の食材を電子レンジでチンしたのがヒトラーでありナチスだよ」
「結果として一時的にドイツが成功しているのは事実なので、その功績がどこにあるのかがわかりにくいんですよね。
結果からヒトラーやナチスが優れていたと見えることは事実ですから」
「試験で90点を取らせた家庭教師は優秀に見えるが、その家庭教師でなければ90点が取れなかったのかという話だな。
何もせずに90点を取れる生徒の隣について90点を取らせた教師と、このままでは10点しか取れない生徒に30点を取らせた教師では、どうしても前者の方が優秀に見えてしまう。
後者の生徒が前のテストで40点だった日にはもう最悪。
IFが想像できないからこその認知のバグだな。
近年の日本の政治家には後者が多い気がするよ」
「どうあっても景気が下がる国ですから、うまくいかないのが当然なんですよね」
「オカルトの暴走という話題でいうなら、ヒトラーの実態こそ語るべき話だよ。
ペルーの宇宙人やピラミッドの地下都市などを笑ってやりたいところもあるんだろうが、それらは放置しても損する人がいないんだよな。
むしろ、宇宙人をネタに観光で盛り上げていこうとする地元ペルーに敵対する。
インチキ科学は暴きたいが、それにすがってまで現状を向上させようと努力する人を蹴落とすのは傲慢な暴虐だ」
「その点でナチス賛美は暴いておかないとまずいことになるんですよね」
「そういうことだ。
今回はさらっとヒトラーのカッコ悪い実態を語ったが、改めて是非ヒトラーを調べてほしいな。
その金メッキを己の手で剥ぐために、な。
そして、AIが金メッキ塗装と金メッキ剥離の両方に喧嘩を売っているのは、どこまでいっても人の愚かさだな。
では今回も解説をはじめていこう」
オカルト5つの誓い!
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「帰ってきたウルトラマン(1971)で語られたウルトラ5つの誓いですね」
「当時見た時はなんてくだらない子供だましだと思ったものさ。
だが、大人になって見ると一気に感動してしまう。
トリスメギストス、改めて言えるかね」
「1つ、腹ペコのまま学校へ行かぬこと」
「苛立ちも絶望も根源の一部は空腹にある。
身近に鬱で悩む友人がいればまずは飯を奢ってやるといい」
「1つ、天気のいい日に布団を干すこと」
「私は君に任せきりだが、掃除が心身共にプラスに働くことは事実。
睡眠環境ともなれば整える重要性は跳ね上がる」
「1つ、道を歩く時には車に気をつけること」
「これは当時ならではだな。
当時は交通戦争と呼ばれるほどのルール無法自動車社会だった。
今では愛知県民と北海道民以外は気にしないでも良さそうだ」
「1つ、他人の力を頼りにしないこと」
「ウルトラマン繋がりだと、ウルトラマンダイナ(1997)だな。
ぎりぎりまで頑張って、ぎりぎりまで踏ん張って、それでもどうにもならない時。
それまでの頑張りを見ていた人は必ず助けてくれる。
逆に、救済されるのが当然と思う人は必ずどこかで梯子を外されるぞ」
「1つ、土の上を裸足で走り回って遊ぶこと」
「概念的な話になるが、私は一次リソースの重要性に聞こえるな。
SNSで流れてくる噂よりも自分の目で見たものを信じる。
そのためには地元に行かねばわからないことも必ずある。
ネットの隆盛した社会だからこそ、な」
「本当にまともなことを言ってますよね……」
「ウルトラシリーズはこの後でエース(1972)タロウ(1973)とどんどん子供だましになっていく。
だが、今にして見るとエースのジェンダー観やタロウの職場倫理はすごいぞ。
こういうところを再評価していきたいな」
「なおこの冒頭のOPはダイコンフィルム版(1983)ですね」
「ジークアクス(2025)は本当に楽しみだな。
ちなみに、イラストは初代ウルトラマン34話『空の贈り物』(1966)より、科特隊本部でカレーを食べていたハヤタが屋上に飛び出しベータカプセルで変身、と思いきや手にはスプーンが握られていたシーンのオマージュだ」
ジャック・ザ・リッパーって口裂け女みたいなオカルト的怪人じゃなくて、現実に存在した殺人犯じゃない~?
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「どうしてジャック・ザ・リッパーは定期的に真犯人が見つかるのでしょうか」
「人には久々にウルトラマンタロウが見たくなる時がある。
しかし、見ているとだいたい5話くらいでもういいかなという気分になる。
そしてまた数年後ふと見たくなる。
そういう時にタロウのDVDリマスター版が出ていたら手が伸びる。
そういうことだろう」
さらに一部の日本人漫画家の作品のヒットも伴い
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「HELLSING(1997)でしょうか」
「他にもいろいろあるが、平野耕太に関してはそれをドリフターズ(2009)で自虐しているくらいだしな」
「ドイツの科学は世界一、も思い当たりますね」
「ジョジョの奇妙な冒険(1987)の場合は直接的なヒトラー賛美ではないが、当時のナチスドイツにかっこよさを見出すクリエーターは無数にいる。
0080ポケットの中の戦争(1989)でジオン=ナチスのイメージがメカデザインなどで確定化されたりしているしな」
「近年ではジョジョ・ラビット(2019)や帰ってきたヒトラー(2012)などで海外からもアイドルヒトラーが登場していますね」
「じわじわだが著作権が切れてきているのだろうな。
まぁ、今のアメリカがそれを延長しそうではあるが」
あえて言うならドラえもんがいっぱい
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「宿題を終わらせるために未来のドラえもんをタイムマシンで呼びに行く話だな」
「ところで、7人のナナ(2002)は?」
「SFかどうかで言われると微妙なところだな。
成恵の世界(1999)は実はハードSFだし、涼宮ハルヒの憂鬱(2003)は言うまでもないのだが」
怒りのスーパーモードではダメだと別の師匠も常々言っていた
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「機動武闘伝Gガンダム(1994)ですね」
「静かに怒る主人公はいつの世も恐ろしく強いからな」
面白おじさん化や美少女化はもうなんていうかな
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「美少女化ってされてました?」
「北朝鮮を舞台とした恋愛アドベンチャーゲームを作っていた狂気のゲーム会社がヒトラーやヒムラー、メンゲレを美少女化したキャラとの恋愛を楽しめるゲームを作るためクラウドファウンディングをしているらしい。
ここまで開き直ると潔な。
日本のメーカーではないようだが、明らかに日本文化の影響が見える」
「萌え文化は禁輸するべきですよ」
「それはさておき、私としては大帝国(2011)が思い浮かぶな。
ゲームシステム的に大悪司(2001)や大番長(2003)に比べて面白くないのは事実でしかないのだが、ストーリーはSFとして最高だと思ったよ。
ファシズムとファンシズムと評しアイドルによる統治と言い出したあたりに天才性を覚えたね」
ありがとう。ヒデキによろしくな
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「東條英機はヒトラーとは逆ベクトルでの評価が進んでいますね」
「どちらも当時は名前を出すのも憚れる大悪党だったのにな。
方や子供部屋おじさんで、方や平和主義で現実主義の中間管理職だ。
東條英機は今だからこそスポットを当てられるべき人間だよ。
だからイデオロギーで人の名を封じるのは良くないという話になる」
「まぁ、その流れでルーズベルトを話題にされたくないのでしょうね」
「改めてあの時代を調べると、まともなのが東條英機とチャーチルとムッソリーニで、残念なのがヒトラーと毛沢東で、終わってるのがスターリンとルーズベルトという感想を抱いてしまう。
まぁ、あくまでも今の価値観で言えばなのだが」
「そういえば、そういう勉強ってどこですればいいんでしょうか?」
「本を読むしかないな。
当然だが本には作者の思想が出るから、同じ人物や歴史について真逆に見方をしている本が無数にあることになる。
だがおそらくどれも嘘でどれも真実だ。
ヒトラーを賛美する本があったとして、嘘松とページを閉じては情報が歪む。
当然これは逆も然りだ。
そういう見え方もされていたのかとブックマークしておくんだ。
それを繰り返して情報を平均化し、相対化して把握していくんだな。
結局は統計だけが科学なんだよ。
もしもヒトラー無能説に噛みつく人がいたら、その人が知るヒトラーの無能エピソードを聞いてみるといい。
そこでそんな話は聞いたことがない、もしくはすべて嘘だと言い出したらその人物との対話は無駄だ。
これもまた逆も然りということになる。
実際総合的には私もヒトラー無能説を唱えているが、演説技能でだけ言えば彼を超える逸材は歴史上にそう多くない」
「結局、真実はいつも1つではなく重ね合わせにある曖昧な物と知ることからなのですね」
トリーサン、缶ビール
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「松田聖子さんがタイアップしたサントリービールのCMですね」
「なぁ、★3のハイセイコーの心得にハズレが多いんだが」
「ジュニアの時点でピンクの心得を3つ取るのと、クラシック夏合宿前の2回のチャンスでお出かけを使ってピンク他1色を8にしておくのが重要ですよ」
動きと思想が完全に新選組のそれだ
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「新選組は薩摩ではありませんけど」
「あの時代は一億総テロリストみたいなものだよ。
勝った方が敗者をテロリストにできた時代だ」
超科学の船はたとえ火の中水の中。それゆけ僕らの万能戦艦!
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「チキチキマシン猛レース(1968)はドクターHのマジック3が好きだった」
「ケンケンだけが独り歩きしてますよね今は。
ちなみに私はトラヒゲ一家のギャング7が好きでした」
ワンダバのテーマが空耳で聞こえてくる
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「ワンダバは少し気の抜けたタロウのワンダバが好きだ」
「私は正統派で初代ですね」
物理法則を書き換える第5世代航宙艦
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「トップをねらえ!(1988)のエルトリウムですね」
「あの船の設定はすべてのSFの頂点にあるからな。
後に絶対に壊れないという話が出るが、これもエルトリウム全体が1つの素粒子で構築されているから壊れないという理屈だ。
ゲームの都合とはいえ第三次スーパーロボット大戦αでエルトリウムにHPがあった時は首を傾げたな」
「本編設定に従うならHPが1で装甲が無限なんですよね。
ダメージ計算上必ず10ダメージは入るので終わりなんですけど」
オーバーブーストは使うなよキリヤさん!
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「スパロボXに出た時にはしっかり武装扱いされていた電磁バリアー突撃ですね」
「そういえばスパロボの新作情報が出ていたな。
個人的には水星の魔女(2022)のファーストシーズンの登場がうれしい」
「シーズン2以降のグエル先輩が好きなのでファーストシーズンで終わるなら私は少し残念なんですが」
「いや、続編が確約されるのがうれしい」
「そういう考え方もありますね」
クソッ! 君はどこでそういうミームを覚えてくるんだ!
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「実際にガンダム00(2007)の刹那さんはそこまですぐにトランザムはしていませんが」
「そもそも使うなと言われたら使うのはお約束だからな。
イアンはウリバタケさん(1996)のところで修行するべきだ」
食い破りなさい!
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「ヤマト2199(2013)の沖田戦法ですね」
これがオカルトマニアのやり方だ!
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「こちらはアルカディア号(1982)」
「ここまですべてスパロボで武装化されていますね」
「それだけスパロボ新作の情報がうれしいのだろう」
ビームサーベルの峰ってどこだよ!?
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「どこなんですか?」
「鍔迫り合いができるんだから峰打ちくらいできるだろう」
びりびりに破かれたアメリカ国旗と、ミイラ化した東洋人の女性を回収した
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「かぐや姫のミイラは月周りのオカルトでよく語られますね」
「個人的には国旗をびりびりに破く存在が月いることの方が恐ろしいが」
アトランティスの廃墟から錫合金のインゴットを回収しそのまま南下
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「オリハルコンの正体が真鍮であるという説ですね」
「なんとも拍子抜けする話ではあるが、5円玉がオリハルコン製と考えるとイメージが逆転するな。
賽銭に5円を使いたくなる」
「ナイノメさんが紙幣を入れろとマジギレしそうですが」
冷凍保存されたタルカコの初期ロットを回収する
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「クトゥルフ神話の怪物、ショゴスですね」
「元々あのカワイイ生物はショゴスという設定だったからな。
回復魔法感覚で心理学を扱えるのもクトゥルフ神話TRPGならではだ」
ていうかナチスでマクガフィンと言えば聖櫃でしょ聖櫃~。
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「インディー・ジョーンズ、失われた聖櫃(1981)ですね」
「考古学者の鞭は必須スキルだろう何を言っているんだ」
「毒蛇やタランチュラを相手にしないといけませんからね」
オカルトの羅針盤は都市伝説のラスボスを示している
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「やはりオカルトのラスボスといえば日ユ同祖論なのだな」
「怪談、科学、民俗学のすべてが複雑に絡み合いますからね。
次回から2話をかけて扱うそうです」
「そういう意味で引きを作っているから今回は完結設定がされていないのだな。
ただ、ちょっと体調がよろしくないので続きは少し間が開くかもしれんが。
そう言いつつあかないかもしれん」
「趣味でやってるわけですしね。
評価を押したりすると背中を押せるかもしれません」




