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異世界オカルトチャンネル! ~(怪談+科学+民俗学)×異世界 /(Q+S+F)I ⊢RICK~  作者: 猫長明
第2部冒険編、最終12章「異世界・イン・ブラック編」
199/288

48-終:世にも恐ろしいエルフの真実に気付いてみたわ

「……ヤ」






「……リヤ!」






「キリヤ! 起きろ!」

「はっ!?」


 キリヤが目を醒ました時、目の前にいたのは師匠であるプリング。

 それと、長であるリトルプラムであった。

 

「リトルプラム様まで!? し、失礼しました!」

「構いません。

 普段より厳しい修行を受けていると聞きました。

 起こしてしまい申し訳ありません」

「長様、こいつに手心は不要だ。

 それよりも……」


 プリング師匠の言葉にリトルプラムは深く頷き。

 

「夢を見ました。

 おそらく、予知夢となるでしょう」

「なんと……それで、どのような」

「ゾンビの里、アップフィルドは知っていますね。

 そこに悪が現れます」


 真剣な表情ながら言葉を探すように口を開いたリトルプラム。

 キリヤは首を傾げつつもその真意を探る。

 

「悪……? また随分と曖昧ですね。

 戦争が終わり、長く平和が続いている世界。

 私にはかつての祖達が自らを死狂いに追い込んでまで繰り広げていたという争いがまるでイメージできません。

 そんな世界に、悪が現れるというのですか?」


「はい。その正体はわかりません。

 キリヤよ、あなたにはその調査を任せたいのです」

「わかりました。

 アップフィルドのゾンビの方々と協力して……」

「それではダメだ」


 曖昧な状況に対する最善を提示しようとしたキリヤにプリングが割って入る。

 

「相手の正体はわからない。

 悪がどの種族で、どんな見た目で、何を目的としているのかすら、何もわからないのだ。

 下手に行動し警戒されてしまえば終わりだ」

「ではどうすると?」

「キリヤ。騎士として重要な心構えは何か?」

「主君に忠義を示し、そして、主君が道を誤ることあれば、主君すらも斬る覚悟です」


 座った目で宣言するキリヤに無言で頷くプリング。

 一呼吸を挟んでリトルプラムが慎重に言葉を選びつつ口を開く。

 

「主君殺し……それは1つの森からも弾かれる大罪です。

 しかし、時としてそのような非情な判断が必要となることも事実でしょう。

 それはどんな強い信念を持つ者であっても嫌悪する行為。

 故に、野心ではなく忠義のために主君を斬れる騎士を、こう呼ぶのです」



――勇者、と。

 


「勇者……」


 キリヤは『その時』を想像した。

 今の自分の主君を師匠であるプリングとするならば、それは育ての親であるこの人を斬ることだ。

 どんな強敵、どんな大軍、どんな化け物が相手でもイメージの中でなら臆さず勇気を出して立ち向かうことができる。

 だが、愛着を持ってしまった相手を斬ることは想像の中でも難しい。

 そんな勇気は、まだ、自分にはない。

 

「キリヤよ。己を偽るのだ。

 誰もが疑わない馬鹿うつけとなれ。

 そしてすべてを油断させ、悪の懐に忍び込み、黒騎士となるのだ」

「しかしそれは騎士の名誉を!」

「そうだ。名誉を捨てるのだ」


 ぎり、と奥歯を強く噛むキリヤ。

 今日までの厳しい修行はすべて騎士の名誉のため。

 それを捨てろとの命令には、素直に首を縦に振ることはできない。

 そんなキリヤの様子を悟ったリトルプラムが声をかける。

 

「森のキノコに毒は無し。

 このエルフの故事の意味はわかりますね?」

「この世界に毒などない。万物にあるのは致死量だけ。

 水ですら大量に飲めば死ぬ。

 そして、その致死量がわずかなキノコであっても、使い方次第では薬となる」


「その通りです。

 それはきっと、やってくる悪もまた同じこと。

 対応によってはこの星の新たな未来を作る者となる可能性もあります。

 故にこの予知は、暗い未来と同時に明るい未来予知でもあるのです。

 もしも悪が世のためとなるのなら、いずれその身分を明かし、騎士としての栄誉を手にしなさい。

 しかし、もしも悪がこの世に仇をなすならば……」


………

……


 太平洋の孤島、イースター島。

 モアイと呼ばれる石像が海を見守るこの島の海岸に、半壊したエルフロボは打ち上げられた。

 先に目をさましたナイノメはキリヤの無事を確認。

 コクピットに繋がるコードを適当に引っこ抜いた上で、いつ爆発するかもわからないエルフロボから遠ざける形で砂浜へと投げ捨てた。


 それでも目覚める気配がないのは流石に少々不安になるのだが、どう見てもただ寝ているだけ。

 それだけ疲れ果てているのだ。休ませてやるべきだろう。

 上位次元に位相した昇平丸に向け亜空間ピンガーを打ちつつ、改めてCの精神波に溶けたことで垣間見てしまったキリヤの過去を振り返っていた。

 

「本当に、エルフは恐ろしい種族だわ。

 事実として過去を見てもなお、未だに信じられないもの。

 この、今私の目の前でアホ面を晒しているのが……」

挿絵(By みてみん)


「エルフの、勇者……とはね」


 異世界オカルトチャンネル! 第2部、冒険編、完!

 次回より第3部、醸造編開幕!


 5人目のメンバーとしてすべての事実を知る九尾の狐ナイノメが合流!

 3人の中でゆっくりと「魔王」が醸造されていく!

 エルフの勇者兼3人のおもちゃであるキリヤ!

 彼女は「その時」に備え勇気を鍛え上げることができるのか!?


 まだまだ異世界オカルトは楽しみしゃぶれる部分だらけ!

 チャンネル登録といいね、SNSのフォロー、それとブックマークと評価のクリックをよろしくお願いします!




■イノセント・ハート

・作詞:猫長明

・作曲:いつかやりたい

・歌:キリヤ

・謝らないといけない人達:たくさん

・もう無理かもしれないけどまた集まってアニメ作って欲しいと思う大学生達:6人


あなたの後ろから

比良坂駆けていく

腐るような醜女を追い抜いて


大きく弾んでく

背中に追いつくと

あなたの罪悪感伝わるわ


人を斬るたび

気持ちよくって

罪が膨らむ

恨みは深く

キェイキェイキェイキェイ


包んであげたい 息の隙間を

命の炎 時間ときはゼロになってく

I Love You


イノセントな心で

ストーカー出来るから

着メロ聞こえたら震えてね


家にきっと着くころ

アリエスのようにね

今はもうあなたの後ろなの


恨み言なら

声にするから

強くいつでも

私のために

チェストチェストチェストチェスト


振り向かないで きらめく命

異類のまま 婚姻の儀を結ぶの

I Need You


人を斬るたび

気持ちよくって

罪が膨らむ

恨みは深く

キェイキェイキェイキェイ


逃げられるのは 三度目まで

次が来たなら それが終わりで始まり

I Want you

挿絵(By みてみん)

R・・・サイト内のランキング

E・・・ブックマークや評価で伸びるスコア変数

F・・・作者が小説を更新する頻度


挿絵(By みてみん)

M・・・作者のモチベーション


更新持続率はMに比例する。

以上の公式より、さらに続きが読みたい場合はEの値を増やすことが有効に働くことが数学的に証明できる。

ブックマークと評価よろしくお願いします。


挿絵(By みてみん)

面白かった回に「いいね」を押すことで強化因子が加わり、学習が強化される(1903. Pavlov)


※いいね条件付が強化されると実験に使用しているゴールデンレトリバー(上写真)が賢くなります。

※過度な餌付けはご遠慮ください。


挿絵にはPixAI、Harukaを使用しています。

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