本編試し読みダイジェスト(改訂版)
■さぁ、異世界のオカルトを解き明かそう!
■オカルト討論考察系動画配信者の幼馴染達が異世界転移!
「このチャンネルでは、幼稚園からの幼馴染だった俺達3人が、それぞれの立場から心霊現象を語ります。
誰の話を信じるかはみなさん次第で答えは出さないスタイルでやってますが、誰に一番スパチャが飛ぶかってのは、『そういうこと』ですよね?」
「平地人のみんな~。
今日もお姉ちゃんにスパチャお願いね~」
「サダコ姉のそういうとこで稼ぐスタイルは不公平だ。
僕達は歌って踊るアイドルやってるわけじゃないんだぞ」
■何のチートもないが異世界でもオカルトを考察しよう!
「サダコ姉。ヨッシーの話聞いた?」
「うん。帰れないみたいね~」
「あぁ……って、それを知ったわりにはなんかやたら明るいな。
吹っ切れた?」
「そうかな~? そうかも~。
でもさ、そんなことより……わくわくしないの~?
異世界だよ~?」
「まぁ、そういう考えもあるんだろうが、俺達全員なにかすごいチートがあるわけでもないし……」
「言葉が通じること以上の最強チートがあるなら教えて欲しいかな~」
■主人公ユウキは職業怪談師!
「ある大学生から聞いた話です。仮にタガワさんとしましょう。
夏休みを利用しての離島キャンプにやってきたのはタガワさんと同じサークルメンバーの男性が3名。
加えて紅一点の女の子が一人、サクラさんがいたんですね」
■ボケしかいない面々に振り回されるツッコミ系主人公
「ヘルメスさんにグラムとカラドボルグと干将・莫耶を突き刺してからブラフマーストラ撃ち込んじゃって~」
「は? 何そのフルウェポンコンビネーション」
「で、臓器を全部機械化したから、もうこれで胃潰瘍の心配もなくなったなって」
「ごめん。
神話の神々鬼畜エピソード全部煮詰めてもそれに勝らないと思うんだが。
流石にヘルメスさんは泣いていいだろ」
「あぁ。これで56億7千万年働けますって涙を流して喜んでたぞ」
「くそっ! そんなことだろうと思った!」
■熱い性格で真摯にオカルトと向き合い幼馴染を友情で殴る!
「歯ぁ食いしばれぇ!」
ユウキの拳が、全力で殴り飛ばした。
「ざっけんな! お前らしくない!
そんなこと言うなら、今すぐこんな動画チャンネルやめちまえ!
うちのチャンネルでのお前の役割は、オカルトを否定することだろうが!
どんな企業から案件もらっていくら金を積まれたって!
どんな登録者数の多いチャンネルからコラボを打診されたって!
俺達は嘘を言わねぇ! オカルトが、好きだから!
オカルトが、大好きだからだ!
そうだろう!? それが異世界オカルトチャンネルだろう!?
違うか!? 違うかぁ!?」
■ヨッシーは大学教授でガチ理系の解説役!
「それに、時間の流さは一定ではない。
ここでは詳細な説明を避けるが、アインシュタインの相対性理論は宇宙で流れる時間が一定ではないことを証明している。
時間が変わる要因、それは観測者の移動速度と、観測者が受けている重力だ。
移動距離が速くなれば速くなるほど、重力が強くなればなるほど、時間の進みは早くなる。
ようは、光の速度に届くような宇宙船に乗った場合と、ブラックホールのような超重力空間の中に入った時、観測者の時間の進みは早くなるというわけだ」
■様々な最新調査機材を操り謎を次々に暴く!
「こいつは?」
「うちの研究室から借りてきたセシウム原子時計だ。
これでトンネルの中の正確な時間を測ることができる」
「ワームホール説、冗談にできんぞ。
くそっ、こんなことなら重力波測定機と素粒子測定機も持ってくるんだった……手元にはガイガーカウンターしかない」
「なんでしれっとガイガーカウンターはあるんですかねぇ!?」
「……放射線量が0.05~0.1マイクロシーベルトで変動している」
■3人の中で唯一オカルトに失望した過去が……?
「案の定、同じ科学の道に進む研究者達の多くはオカルトに否定的だった。
それはいい。そういうものだという覚悟も出来ていた。
それでもどうにかオカルトを解明してやるというやる気もあった。
量子力学、素粒子物理学、ヒッグス場理論、ダークマター解釈、超ひも理論、水情報ストレージ理論……幽霊を科学的に証明する手段は、様々な方向から考えられた。
幽霊の正体を解き明かすのも、時間の問題だと思っていたよ。
しかし……現実はそう甘くなかった。
何故かわかるか?」
「やっぱ科学者仲間からの嫌がらせとかあったんか?」
「逆だよ。
僕の前に立ちはだかったのは、インチキ霊媒師や自己顕示欲の強いメンヘラ、そして、流行に便乗した怪談師達だった」
■サダコ姉は民俗学大好きのゆるふわ書店員!
「雨乞いの文化自体は世界各地にあるのよ~。
そのそれぞれの文化的背景を調べるのはとっても面白いわ~。
信仰は民俗学を語る上では欠かせないし、基本的に農耕民族である人間にとって雨が降るか否かは言葉通りの死活問題なのよね~。
それを認めた上で私が今回雨乞いに否定的なのは、多くの国々の雨乞いの儀式がかな~り血なまぐさいからよ~」
「うわっ、それはちょっと動画的に伏せてほしいな……」
「12歳以下の少女の心臓とか平然とお出しされるわ~」
「やめろっつってんだろ!」
■ドSの性癖が隠せない! 魔女狩り大好き!
「話す! 話すからぁぁああ! やめろぉぉおおお!」
「あ、やっと取材に答えてくれるんですね~ありがとうございます~。
では、改めて。どうして里に踏み込んだんですか~」
「たまたまだ! 俺達は野盗で……」
「はい~、ちょっとマッサージしますね~」
「が、ががががぁあああ!」
「……ねぇ、私いいこと思いついたんだけど~」
「物凄く嫌な予感がするが言ってみ?」
「キリヤちゃんを【本編ネタバレ】すればかわいい女の子の体使って【本編ネタバレ】仕放題だし、【本編ネタバレ】も【本編ネタバレ】も、【本編ネタバレ】のクライマックスステージ、【本編ネタバレ】もこの目で見られるのでは……?」
■えげつない下ネタに幼馴染2人はいつもドン引き!
「お前がオスになるんだよってことね~。
よくあることだわ~。
おち◯ちんフェンシングみたいなこともするのかな~」
「サダコ姉、そういう薄い本の知識も豊富だよな」
「なんのことかな~。
私はヒラムシの話をしてるんだけど~」
「キリヤちゃん大丈夫~!?
全身白濁液まみれになっちゃって~!
大丈夫よ、しばらく洗わずそのままにしておくから~!
もうちょっと怯えた感じの上目遣いでこっち向いて~!」
■異世界ヒロイン、キリヤはウサギの獣人で怖がり騎士?
「よっ。トレーニングかい?」
「はい。騎士として、剣の腕まで腐らせるわけにはいきませんから」
「ゾンビだけに?」
「ひっ!? そ、その言葉出すのやめてくださぁぁぁい!」
■まさにアホの子、ついたあだ名はゴールデンレトリバー!
「はっ! そんなオカルトありえませんよ!」
「お、キリヤ。お前も言うようになったな」
「当然です! 私だってもう立派な異世界オカルトチャンネルのメンバーですから!」
(お前は躾のできてないゴールデンレトリバーだよ)
(キリヤさんは荒事解決以外で役に立ったことがないのだが)
(今回はどんなえっちぃ目にあわせようかしら~。
早めにイラスト用意しないと~)
■正体は魔法が使えないはぐれエルフ! 騎士を名乗るが……?
「ふーん。やっぱキリヤもエルフだし魔法が使えるんだな。
エルフなのに騎士なんて名乗ってるし魔法が使えない落ちこぼれかと思ってたよ!
ははは! すまんすまん!」
「あ……」
「どうやらそのあたりに根深い問題があるみたいね~」
「絶対に負けない……騎士の誇りとこの騎士の剣、菊一文字則宗にかけて……絶対にメカドラゴンを倒して見せる。
親方さんの復讐を果たすんだ。
もしそれができなかったら……」
この光が届かず木も無い地下で腹を切って死ぬ。
それがエルフの、騎士道だ。
■その剣術の腕前は異世界最強級……?
「これぞ真の雲鷹の速さ! エルフ一刀流奥義! 一の太刀! キィィィィエエエエェェェェイ!!」
■異世界で様々なトラブルに遭遇! 幽霊の正体見たり枯れ尾花!
「ああああああああ!! ってことはまさか、この座敷牢は! こうも来客用の布団がちゃんと用意されていた理由は!」
「ラブホのSМルームって言ったのもあながち間違ってなかったわね~」
「なんて最悪の伏線回収だ!」
『そういえば俺、こないだあの動画の人達から聞いたぜ』
『俺も俺も! あの人達が調べてるってことはホントなんだなぁ』
『そういえば少し前。
ほら、あの火事にあったパン屋』
『あぁ、ゴブリンの……まさかあの人も!?』
■あれ? でもほんのちょっとだけ……
「ユウキ?」
そのまま魔法ランプが照らす薄暗がりの中で階段を上がり、開けた森の中に出る。
きょろきょろと周りを見渡すと、南の木陰の後ろに消えていく背中が確かに見えた。
「おい、ユウキ!」
■1章4話で毎回完結! 必ずハッピーエンド!
「改めてお礼を言わせてください。
サダコさん、ヨッシーさん、ユウキさん。
それと、キリヤさん。
あなた達のおかげで、我が里は……いえ、すべてのゾンビが救われました」
「そんな~、たまたまですよ~」
「それでも事実です。
あなた達の名前は記念碑に残し、この里の救世主として末代まで語り継ぎましょう」
「あ、それならその記念碑には『異世界オカルトチャンネル』って彫ってくださいよ~。
それと、いいねとチャンネル登録、動画へのコメントもよろしくお願いしますね~。
私達に戦慄してくださった、平地人としてね~」
■PixAI・Harukaを使用した挿絵を豊富に使用!
「一昔前は小学生が書いたのかみたいなイラストが平然と投稿されていたが、最近はすっかり見なくなったし、AIの方も少し前まで指が6本あったりしたのに今じゃめちゃくちゃうまいし書き込みもすげぇんだよなぁ。
髪質も良くてさぁ」
「みなさんの世界では魔法で絵を書いてもらえるんですか!?
いいなぁ。 私も魔法でかわいい似顔絵を書いてもらいたいなぁ!」
多分、こんな感じ。
■毎話3枚以上のイラスト!
■基本は異世界ヒロインズだけど……
■オカルトモンスターや解説にも使用!
■進みすぎた科学は魔法だしオカルト!
■中盤以降はえっちに見えるピンチもノルマ!?
■前提知識不要! ガチ解説挟みます!
・アトラントローパ計画
地球でも1920年代から1950年代にかけて大真面目に検討されていた文字通り地中海の水全部抜いてみた計画のこと。
荒唐無稽なSFに思えるが、実際に地中海はかつて陸地であり、さらにはオランダの国土の多くが干拓地と干拓可能な技術自体は当時から存在していた。
この計画の恩恵は耕作可能面積の倍増に加え、ヨーロッパとアフリカが鉄道交通で接続されることによる交通インフラの恩恵、さらにはジブラルタル海峡をせき止める巨大な水力ダムによる発電でヨーロッパの全電力を賄うことができるという夢の一大プロジェクトだった。
提唱者はドイツ人技術者ヘルマン・ゼルゲルで、彼は自著にてアトラントローパ計画とヨーロッパを1つの国家にするという汎ヨーロッパ国家樹立を宣言し協賛者の募集を告知。
この書の巻末には、アトラントローパ計画に賛同するという署名原稿がついていた。
無名の活動家の妄想にもかかわらず、当時彼の元にはアトラントローパ計画と汎ヨーロッパ樹立を支持する多くの署名が届き、その中にはイギリス首相ウィンストン・チャーチルに加え、あの天才物理学者アルベルト・アインシュタイン直筆の署名もあったという。
なお、最終的に計画が頓挫した理由は言うまでもなく第二次世界大戦。
その他様々な夢の盲点が存在する。
■いや所々で悪ノリ解説も……?
・土粥
◯材料
腐葉土400g
水5L程度
◯作り方
1:腐葉土すべてに水100ml注いでよく混ぜ合わせ、土が沈殿するのを待ち水を捨てる。
この行程を10回以上繰り返す。
☆ワンポイント! この際ゴミや砂利、石を丁寧に取り除くと美味しく(当社比)食べられます。
2:最後に加えた水は捨てずにそのまま6~8時間冷蔵庫で寝かせる。
時間が経ったら水を新しいものに交換し再度同じ時間冷蔵庫へ。
これを72時間続ける。
3:改めて適量の水を加えて沸騰させれば完成。
お好みで塩を少々、飢饉の苛烈な場合汗を加えて味付けしてください。
◯実際に食べた方のレビュー
・天保の大飢饉の際には他に食べるものがありませんでした。
付け合せとして、樹の根、松の皮、柿の葉などとごいっしょにどうぞ。
★☆☆☆☆(越後の米農家。PN:毘沙門天様助けて)
・食べられたものではなくとてもオススメできません。
周りが泣きながら土粥を食べていた中、僕のお母さんはウミガメのスープを作ってくれました。
今でもスープの味と同じ日を境に行方不明になった弟の顔が忘れられません。
★☆☆☆☆(会津の米農家。PN:海を知らない山の人)
■総集編ではパロディの元ネタ解説!
「てめぇらの神さまから見るのを禁じられたものを目に焼き付けてやる!」
「な、ま、まさか! 嘘だ!
それは神さま達が途中で作るのをやめて……」
「だから俺達のクラウドファウンディングとスタッフのみなさんの努力で完成させたんだよ!
ボーボボのアニメシリーズ全76話をなぁ!」
「い、嫌だ! そんなアニメ一気見なんて、ポプテピの方がまだ……」
「大丈夫よ、堕天使のお姉さんが耳元からASMRで副音声を聞かせてあげるから。
CDのケースがカパカパしない真拳♡ タケノコ・秋のキャッスルブレイド♡」
「助けて! 嫌だ! お母さん! おかあさぁぁぁぁん!」
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「2003年テレビアニメ、ボボボーボ・ボーボボですね。
2005年4月9日の52話『お帰りへっくん♪新たな旅の始まり始まり〜!』から同年10月29日の76話、最終回『ついに最終決戦!!鼻毛真拳FOREVER!!』までテレビ朝日系で放送されていながらスポンサーがついておらず、CMがすべて公共広告機構のみだったというスタッフの狂気の暴走です。
現実ではクラウドファウンディングなどされていません」
「創作より現実の方がやばい例なんていくらでもあるな。
2018年アニメ、ポプテピピックも十分クソアニメだったが、相手が悪すぎる」
マジカルムラサメオイノチチョウダイ!
わんわんわわん、わんわわわん! ハラキリチェーーンジ!
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「妖刀で知られる村雨は実在する刀ではなく、江戸時代後期のラノベ作家、曲亭馬琴によるライトノベル、南総里見八犬伝(1814)が由来なのよね~」
「オデュッセウスのホーメロスさんに続き曲亭馬琴さんまでラノベ作家にされてしまう始末」
「だいたい書いてる内容が現代のラノベなのよ~。
十返舎一九の東海道中膝栗毛(1802)もラノベなんだけど、この主人公のヤジキタコンビの二次創作が当時の江戸で大流行して、ヤジキタコンビが東海道だけでなく様々な場所を旅したり、開国と文明開化で一斉に広まる西洋科学をヤジキタがおもしろおかしくわかりやすく解説する二次創作も大流行して、まさにヤジキタは江戸末期から明治におけるゆっくり霊夢ゆっくり魔理沙(2007)なの~」
「日本人のやってることは未来永劫変わらんな」
■異世界講座では作中舞台をわかりやすくお勉強?
「はい、じゃぁ次の質問よ~。
魔法の力の源でもある、レアエーテルについて説明せよ~」
※レアエーテルのニ次元上概念模式分子構造図
「これは知ってますよ!
世界ではじめて発見された、四次元軸以上の上位次元に分子構造が伸びていく魔法元素のことですよね!
その上位次元への質量を私達の三次元空間に取り出した時、見た目上ではエネルギー保存則がやぶれるように見えてしまい、一般的に魔法と言われる超常現象が起きているんです!
エルフをはじめ一部の種族は生まれつき脳神経細胞にレアエーテルが含まれていて上位次元への感覚的アクセスが可能なんですが、先天的なレアエーテルを持たなくとも強い意志と触媒さえあれば魔法の使用は可能!
まさに、信じる力が魔法です!」
■不思議な異世界のオカルトの物語、お楽しみください