魔女から……
「そなたの名前はエメリナだ」
父親、というものに顔を覗き込まれた瞬間、私の記憶は甦った。
目の前には、あの憎き王族の印である王冠が載っていた。
魔法という力の前に恐怖に怯え、私を異端の力であると貶めた、あの王族だ。
「聡明な目をしているな」
うんうん、と頷く男は、私をバカにしているのか。
私は魔女だ。
聡明以外の何者でもない。
前回はちょっとしたミスで謗りを受けることになったが、今回は失敗せぬ。
絶対に。
「エメリナ。この国には魔女の脅威はもうない。だが、魔王の力が強くなってきていると聞く。エメリナが大人になる前にどうにかするからな」
魔女の脅威が、もうない?
ここに、脅威が生まれたというのに。
「あー」
何だ、この情けない声は!
「あら、エメリナもわかっているみたいだわ」
ふふふ、と笑う女の声が忌々しい!
私の魔法を受けるがよい!
──なぜだ!
どうして、魔法が発動せぬ?!
……どうやら、忌々しいただの人間に生まれ変わったらしい。
ああ、あの忌々しい人間どもの一員になるとは!
しかも、私を陥れた王族などに!
……いや、この立場、意外に役に立つやも知れぬ。
必ず役に立ててみせよう。
絶対に、あの恨み晴らしてみせる。
人間など、滅ぼしてやる。
完
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
楽しんでいただければ幸いです。
これで転載は完了となります。
小説の練習と思って、一時期延々と異世界ファンタジーばかり書いていましたが、異世界ファンタジーは難しい! の一言に尽きますね。
作品にお付き合いくださった皆様には、改めて御礼申し上げます。




