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聖女から魔女に⑭

 ウォーレスとアラキナが、魔王を倒すときに、私の力はまた必要になる。

 あのときは、止めを刺すことができなかったけど、今度こそ。


 ……私が生きていられるなら。

 ううん。

 何としても、生き延びて、今度こそは。


 だから、私は死ぬわけにはいかない。

 たとえ、王族が魔王の掌で踊らされているとしても。


 問題は、聖なる力しかない私には、何も手だてがないってことだ。

 魔女のような力があれば……。


 そうか、魔女か。


 私が魔女だと思われているのなら、それを逆手にとればいい。

 

 今は私が聖女だと言い張っているから、どの人も魔女としての怖さよりも、魔女への怒りの方が強い。

 だけどもし、私が魔女だと認めて、関わる人を脅したら?


 きっと、誰もが恐れが強くなって、私に触れようとしなくなるかもしれない。

 でも、もしかしたら、魔女としての処刑が早まるだけかもしれない。

 一か八か。


 でも、私にとれる方法なんて、他にはないから。

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