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様々な世界・世界の詩

望まれなかった世界

作者: リィズ・ブランディシュカ



 その世界は、誰にも望まれなかった世界だ。


 生きる事を望まれなかった。

 存続する事を望まれなかった。


 生贄として。

 嫌われ役として。

 ただ、滅ぶ事だけを望まれて、無造作に捨てられた。


 だから、世界は悲しんだ。


 生贄になるために生み出されたとしても、誰かに嫌われるためだけに生み出されたとしても。


 捨てられるために生み出されたのだとしても。


 生きたいと。


 必要とされたいと。


 そう思っていた。


 そんな世界は、自らの化身を生み出した。


 その化身は、自分にできる様々な事を行って、奇跡を成した。


 別の世界から、死した魂を呼び、その魂に勇者としての立場を与えた。


 死したはずの魂は、化身に感謝し、よく働いた。


 そして、その世界を必要だと言い、深い悲しみに寄り添った。


 勇者は捨てられた世界を再生し、盛り上げ、活性化させ。


 捨てた世界よりも繁栄させてみせた。


 その結果、多くの人々が世界へ感謝の言葉を放った。


 その悲しい世界を「要らない」という存在は、もはやどこにもいなかった。


 多くの者達が、その世界に対して、今まで存在してくれた事を、生まれてくれた事を喜んでいた。



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