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その6

 砂糖はまじで金になった。それを元手に畑やら工場やらをどんどん増やすと、人が多くなる。人が多くなると町になって、自然に飯屋やら宿屋やらができて、モレントの町になった。


 そんな調子で北へ進んでいったら、トルエバ王国にぶち当たってしまったんだ。


 国境近くで土地の開拓をしてたら、この領地を認めてやるし、爵位もやるからトルエバ王国に入れと言われた。俺は農業と商売は好きだが政治は好きじゃない。政治をやってくれるならそれでいいやって思って了解してやった。

 俺がどこから開拓してきたかは内緒にしておけとフィドルに言われたから、ほんの少しだけ申告しておくことにした。

 

 オヤジに頭のいいやつを集めてもらい、記憶の蒸気機関について説明しておいたら、俺が十三歳の時に作り上げ、十四歳の時には蒸気機関車になった。やっぱり天才な人っているんだね。


 まずは、マレドとトルエバを結んだ。間の土地は俺が開拓した土地だったから、問題なくできた。そして、蒸気機関車のすばらしさを知ってしまえば、どの国も乗入れを受け入れたし、オヤジも俺も未開拓地を切り開いて線路を通すことに糸目をつけなかった。二十歳のときには、トルエバから六方へと線路が繋がった。


 そうそう、俺が十五歳の時、マレドに来ていたパルモアの貴族の娘十八歳と恋に落ち、トルエバ王国へ拐ってきた。蒸気機関車を見に来たというので、そのまま乗せてトルエバ王国まで連れて来たんだ。


 さて、線路を大陸の中間地点を繋ぐように横にも敷こうとしたら、トルエバ王国から待ったがかかった。利益を一人占めしたかったんだろう。その頃の俺は、オヤジの商船を蒸気船にしたことで、他大陸や島国との商売が面白くて、この大陸のことは、どうでもよかった。嫁や子供たちがいるトルエバ王国が儲かるならいっかぁくらいの気持ちだった。


 俺が二十三歳の時、初めて娘ナディアが生まれた。五番目の子供だ。まじで天使だった。俺は前世でも子供はヤローばかりだったから、本当に可愛くて可愛くてしかたなかった。ナディアが十歳になるまではトルエバ王国で仕事をしたくらいだ。


 ナディアが四歳の時、トルエバ国王からナディアとアホポンの婚約話がきた。今考えると、ナディアへの聞き方が間違いだった。


「ナディアは、お姫さまになりたいか?」


 俺はナディアにそう聞いてしまったんだ。


「わぁ! ナディア、お姫さまになるわぁ! キラキラのドレスを着て、キラキラのティアラをつけるのよ。キラキラの王子さまとキラキラのお城で踊るの!」


 クルッと回ってスカートをふわっとさせたナディアは天使だった。


「お父様がナディアをお姫さまにしてあげよう!」


 可愛らしいナディアについつい約束してしまったのだ。


 ナディアが十歳になるころ、長男が十六になったので、外をみせなきゃならんだろうと、長男と次男を連れて大陸中を回った。


 二年後トルエバに帰ってきたら、アホポンがアホな浮気をしやがった。俺は、カッとなって即殴り込みをしようとしたよ! 父親だからなっ!


 だが、嫁は冷静だ。


「ナディアはまだ十二歳。婚約解消しても得も損もするわけじゃないわ。いつか婚約解消させてあげるから、今はいい条件を引き出していらっしゃい」

 

 フィドルと話し合ってコルト駅とオレス駅を作ることを了承させた。


 金はあったので、失敗してもいいからと長男と次男にオレス駅周辺を任せた。フィドルを二人につかせた。結果二人は町をとても発展させた。俺はオヤジの秘書三人をもらった。オヤジの秘書を育てる力はすごかった。


 今度は三男と四男を連れて大陸中を回って帰ってきたら、またしてもアホポンがやらかしていた。


 また好条件を引き出してきた。すでに開発が進んでいたオレスを三男、モレントを四男に任せた。長男にはコルト、次男にはホーゴを任せた。それぞれにもちろん優秀な秘書をつけた。


 こうして、アホポンがやらかすたびに開発をすすめ、中間点駅すべての開発と線路を横につなげることもできたので、それを期に鉄道業すべてを長男に任せた。

 コルトとホーゴを次男、オレスとソネスを三男、モレントとノリーアを四男に任せた。


 そして、今回、ナディアの婚約を解消しようとしたら、更にアホポンはやらかしやがったわけだ。


 さて、どうしてやろう?

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