あめのひ へび
そのひはあめでした。
おそとにあそびにいけないたすけくんと、いもうとのあやめちゃんは、
まどからおにわをながめていました。
すると、
ひゅるるるーーーん
おそらのうえから、おおきなおおきなへびがおりてきました。
ふたりはびっくりしてめをまぁるくしました。
じぃっとへびさんをみていると、
へびさんは、まどにならんだたすけくんとあやめちゃんをみつけました。
きらきらのおめめをきゅっとほそくしてわらったへびさん。
「あめのなかをとんでいたら、つかれちゃったんだ。 ここですこし やすんでもいい?」
「うん、いいよ」
たすけくんはこっくりうなずきました。
たすけくんとあやめちゃんはまどをあけました。
ぱらぱらぱら、あめのおと。
ゆらゆらゆれる、へびのしっぽ。
ぐうぐうぐう、なんのおと?
「おなかすいちゃった」
へびさんはながいからだをくるるんとまいて、とってもはずかしそうにかおをかくしました。
おなかがすいたおとだったみたい。
たすけくんは、あやめちゃんといっしょにおへやのなかにもどりました。
おへやには、たすけくんとあやめちゃんのおやつのどーなつがあるのです。
ふたりはひとつずつどーなつをもってへびさんのところにもどりました。
「はんぶんどうぞ」
「あたしのも、はんぶんどうぞ」
たすけくんのどーなつはんぶん、
あやめちゃんのどーなつはんぶん。
あわせていっこのどーなつ。
おなかがすいていたへびさんは、ぱくぱくどーなつをたべました。
「ああ、おいしい。おいしい。たすけくん、ありがとう。あやめちゃん、ありがとう」
へびさんがうれしそうなので、たすけくんとあやめちゃんもとってもうれしくなりました。
どーなつははんぶんなのに、うれしさでおなかがいっぱいになったみたい。
にこにこわらうたすけくんとあやめちゃん。
へびさんもにこにこわらいます。
ぴちょん、とあまつぶがおちるおと。
「おひさまだ」
たすけくんがみあげると、そらにはきらきらのおひさまがありました。
へびさんは、くるくるまいていたからだをうーんとのばしました。
とってもおおきなへびさん、にょろんにょろんとからだをくねらせると、ふわーっとうかびあがりました。
「たすけくん、あやめちゃん、ありがとう。どーなつおいしかったよ」
「へびさん、またあそびにきてね」
「またきてね」
たすけくんとあやめちゃんがおおきくてをふると、へびさんはおそらにたかくとんでいきました。
あめのつぶがきらきら、おひさまのひかりでかがやいていました。