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今日から学校と仕事、始まります。②莞

健康でいる

作者: 孤独

冬の寒さの厳しさと共に流行り出すのは、


「のんちゃんの学校でも風邪とインフルエンザが流行してます」


風邪の季節である。うがい、手洗い、マスクの着用。

現実的な予防手段と、医学的に適切な予防接種も良いだろう。病気を避けるというため、と考えるよりも毎日の健康を意識して、その日のケアを心がけるのは健康な生き方。


「怖いよね~。小学校の頃、それで学級閉鎖あったよ」

「のんは風邪ひくなよ。小学校ってのはガキからガキへの感染が多い。俺とかミムラは、そーいうところ行かねぇから大丈夫だが」


小学生、大学生、その他。というどーやったら、そんな組み合わせができるのか分からんが。阿部のん、沖ミムラ、広嶋健吾の3名は、遅くなったが今年の無病息災を願うため神社にお参り。この手の事が好きなミムラの提案で行く事になった。

験担げんかつぎ程度のこと。10円ぽっちで、気分的に健康を願うくらいでいい。

並んでもいない神社に来て、投げ銭する3人。


「とぉー!とお円だけに~」


チャリーン


謎の掛け声と理由と共に、楽しそうにミムラが投げ込む。今年も良い一年を願っているんだろう。満面の気持ちだ。


『今年も広嶋くんとみんなと、健康で仲良くできますように』


そんな事を思ってそうだったか。広嶋はちゃちを入れた。


「ミムラ、十円は遠縁とおえんになるぞ」

「えぇっ!?あ、そっか!あーーっ!財布落した!」


焦ってもう少し追加しようと思ったが、財布を落して銭が転がってしまう。相変わらずだなと、呆れている広嶋とのんちゃん。そんなミムラに気を遣って、広嶋はのんちゃんの方にお願いした。


「のん、五円玉あるか?」

「あ、あります!」

「じゃあ、俺が百円、ミムラが十円、のんが五円。3人で百十五円いいごえんで行くぞ」


のんちゃんとしたら、ホントはその額を1人で出したかったが。広嶋に言われたらしょうがないかって、気持ちで堪えた。やっぱり、これくらいの関係の方がいいんだろう。



チャリーンッ



◇       ◇



賽銭が終わって帰路の途中。

やっぱりこの時期は、どこでもマスクをつける人を見かける。


「そーいえば、広嶋くんって風邪とかひいたことある?」

「……ねぇな。普段からそーいうところは意識するタイプだ」

「さすが、元野球っ子だね!体は資本って言うし!」

「体調管理のできる選手って、もっと評価されるべき指標だぞ」


生まれつき弱い人間もいるが、常に心がける人もいる。


「のんちゃんもそーいうのは無縁ですね」

「わーぉ」

「好き嫌いせず!なんでも遺さず食べて、栄養にすれば健康だって!お母さん言ってましたし!」


単純だが、正しい言葉と行動だ。ホントにこの子はできてる子だ。


「ま、私もそーいう病気は一度も罹ったことない!だって、”体の作り”が違うもん!健康以外ありえない!」


えっへん。でも、大して偉くもないと謙遜の態度。

自分が特に健康な理由が分からないので、もう完全に生まれつき無病宣言をしているドヤ顔のミムラ。そんな彼女と、広嶋やのんちゃんの心がけを比べ。


「なるほど、”頭の作り”が俺達と違うもんな」

「納得しますね。頭が違うから、ミムラさんは健康なんですね」

「あれ?広嶋くんとのんちゃん、私の言葉を聞いてなかった?”頭の作り”が違うって言ってるんじゃないんだけどなぁ~」


まったくもう、失礼である。

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[気になる点] 以下、Wikiより抜粋・引用  ↓ 【投げ銭】 この項目の現在の内容は百科事典というよりは辞書に適しています。 百科事典的な記事に加筆・修正するか、姉妹プロジェクトのウィクショナリー…
2020/01/11 12:48 退会済み
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